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書籍詳細

リハビリテーションのための臨床神経生理学

リハビリテーションのための臨床神経生理学

正門由久 編著

B5判 188頁

定価5,280円(本体4,800円 + 税)

ISBN978-4-498-07678-5

2015年05月発行

在庫あり

臨床神経生理学は難しいわりに,リハビリテーションに直接使えない…と思っている人は多いのではないだろうか.本書は,臨床神経生理が疾病や障害の理解をより深め,実際のリハビリにとても役立つツールであることを示している.初学者や,苦手な人にも理解しやすいよう,少しでも耳慣れないワードには注釈を付け,平易に解説した.一読すればきっと,「これなら自分でもできる」と自信が付く.明日からのリハビリが変わる一冊だ.



 本書は,リハビリテーション医学・医療に関わる医療従事者,特に若手の理学療法士や作業療法士,初期臨床研修医,専門医を目指す専攻医などに,臨床神経生理学がリハビリテーションに役立つことを知っていただき,臨床神経生理学へと“いざなう”ための本です.リハビリテーション医療は,患者の疾病およびそれによって生じた障害を治療して改善させるとともに,それに限界があったとしても,さまざまな手段を講じて生活を再建し,その質を高める医療です.そして,リハビリテーション医学は,“動きにくくなる”こと(必ずしも運動の障害ばかりでなく,感覚や高次脳機能の障害も含みます)を評価し,治療する学問です.つまり疾病そのものを直接的に治療するとともに,それによって生じた障害に介入できることがリハビリテーション医学・医療の真骨頂です.臨床神経生理学というととても難しそうな学問とお考えになると思いますが,それらをやさしく,わかりやすく解説したのが本書です.人が動きにくくなることにはさまざまな原因があり,それを探ること(診断),評価をすること(病気や障害の重症度を知ること),さらに治療手段に結びつけることができるのが臨床神経生理学です.
 筋電図,電気刺激,脳波,誘発電位,磁気刺激,経頭蓋電気刺激,自律神経とはどのようなものか? またどのようにすれば,それらを記録でき,リハビリテーションに応用できるのか? 実際に患者さんの脳波や筋電図などを記録するにはどのようにするのか? 本書は,こういった疑問に関する知識と方法をできるだけわかりやすく解説したものであり,読んでいくにつれ理解が深まり,自分でもやってみようと思わずにはいられなくなると思います.これらの方法はリハビリテーションにおける客観的な評価や治療手段に使用することができます.上手に利用すれば,さらに深く疾病や障害を理解し,リハビリテーションによる治療およびその効果を明らかに示したい場合や,生体信号(筋電図など)をリハビリテーションの手段として用いたい場合などに“とても役に立つ”ものです.つまり,リハビリテーションが障害をもった人を対象としているからこそ,臨床神経生理学は欠かせないものであるといえると思います.
 本書を通して,リハビリテーションに関わるみなさまに,臨床神経生理学がとても身近で,“とても役に立つ”学問であることを知っていただきたい.そして,もっと活用していただき,臨床神経生理学がリハビリテーション医療・医学を大きく発展させるものになることを期待し,信じております.さあ,まずは記録してみましょう.

2015年3月
正門由久

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目 次

I 臨床神経生理学とは? 〈正門由久〉 
 1.リハビリテーション医学・医療
 2.臨床神経生理学の楽しみ方


II 神経生理各論
 1.筋電図
  A 筋電図とは何か〈武田湖太郎 植村 修〉
   1.脳から筋への運動指令(錐体路)
   2.α運動神経から骨格筋へ
   3.骨格筋で生じる活動電位
   4.針筋電図
   5.表面筋電図
   6.誘発筋電図
  B 筋電図の使い方〈加茂野有徳〉
   1.計測方法
   2.解析方法
  C 筋電図の臨床応用〈花山耕三〉
   1.疾患の診断
   2.病態についての検索
   3.動作の解析
   4.治療に用いられる筋電

 2.電気刺激
  A 電気刺激とは何か?〈村岡慶裕 石尾晶代〉
   1.電気刺激から,筋肉が収縮するまで
   2.様々な効果を期待した電気刺激療法と刺激法
  B 電気刺激の使い方〈石尾晶代 村岡慶裕〉
   1.電気刺激の基本特性
   2.刺激電極の選択・配置方法
   3.様々な効果を期待した電気刺激療法と刺激法
   4.電気刺激の実施手順
  C 電気刺激の応用〈齊藤 慧 山口智史〉
   1.治療的電気刺激(TES)が中枢神経系に与える効果
   2.臨床応用:TES,IVES,HANDS療法

 3.脳波
  A 脳波とは何か?〈酒田あゆみ 飛松省三〉
   1.脳波の発生機序
   2.脳波の構成成分
   3.脳波で何がわかるか?
   4.脳波のリハビリテーション分野への応用
  B 脳波の用い方〈軍司敦子〉
   1.前日までに
   2.検査環境
   3.検査の準備
   4.電極位置の決め方
   5.モンタージュの作成
   6.電極装着の前処置
   7.脳波の記録
   8.検査の終了
  C 脳波の臨床応用〈山崎まどか〉
   1.年齢による脳波像の変化
   2.意識状態による脳波変化
   3.睡眠ポリグラフ
   4.てんかん
   5.BCI

 4.誘発電位
  A 誘発脳波とは〈長田美智子〉
   1.誘発電位とは
   2.容積導体
   3.‌遠隔電場電位と近接電場電位
   4.加算平均法
   5.周波数帯域
   6.誘発電位波形の読み方
   7.聴覚誘発電位
   8.体性感覚誘発電位(SEP)
   9.視覚誘発電位
   10.事象関連電位
   11.誘発脳波の評価方法
  B 誘発電位の使い方〈片山雅史〉
   1.SEP:体性感覚誘発電位
   2.VEP:視覚誘発電位
   3.ABR:聴性脳幹反応
   4.今後の展望
  C リハビリテーション領域における体性感覚誘発電位の臨床応用〈高橋 修〉
   1.上肢刺激SEP
   2.下肢刺激SEP
   3.SEPの波形における覚醒と睡眠による影響
   4.リハビリテーション領域の症例からみるSEPの臨床応用

 5.磁気刺激
  A 磁気刺激とは何か?〈古川俊明〉
   1.磁気刺激コイル
   2.磁気刺激装置
   3.経頭蓋磁気刺激
   4.磁気刺激の安全性
  B 磁気刺激の使い方〈青野宏治〉
   1.磁気刺激に用いられる機器
   2.刺激の種類
   3.TMSの実際
  C 磁気刺激の臨床応用〈古賀信太朗 児玉三彦〉
   1.臨床検査としての磁気刺激
   2.治療法としての磁気刺激の応用
   3.磁気刺激の今後の展望

 6.経頭蓋電気刺激
  A 経頭蓋電気刺激とは何か?〈補永 薫〉
   1.経頭蓋直流電気刺激のメカニズム
   2.経頭蓋電気刺激に関わるパラメーター
   3.安全性への配慮
  B 経頭蓋電気刺激の使い方〈新藤恵一郎〉
   1.経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の安全性
   2.tDCSを使用する目的
   3.tDCSのパラメーター
   4.二重盲検法について
   5.tDCS実施のコツおよび注意点
  C 経頭蓋直流電気刺激の臨床応用〈藤原俊之〉
   1.経頭蓋直流電気刺激とは
   2.安全性の検討
   3.中枢性運動障害への応用
   4.今後の展望

 7.自律神経〈豊倉 穣 菅原眞治〉
   1.自律神経の基本的事項
   2.心拍変動解析
   3.交感神経性皮膚反応(sympathetic skin response:SSR)


III 神経生理の臨床応用とその発展
         リハビリテーションへの発展 〈牛場潤一 春日翔子〉
 1.神経生理学がもつ可能性
 2.システムを理解するということ
 3.臨床神経生理学をツールとして考える
 4.システムを知るための作法
 5.神経系モデリングの難しさ
 6.ロボットを使った神経生理学研究
 7.評価から治療へ
 8.さまざまな治療作用点
 9.可塑性を活用する治療
 10.複数の治療作用点を含んだ運動訓練

索引

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執筆者一覧

正門由久 東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学教授 編著
武田湖太郎 藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所准教授/国立病院機構村山医療センター臨床研究部 
植村 修 国立病院機構村山医療センター臨床研究部 
加茂野有徳 昭和大学保健医療学部理学療法学科講師 
花山耕三 川崎医科大学リハビリテーション医学教室教授 
村岡慶裕 早稲田大学人間科学学術院教授/国立病院機構村山医療センター臨床研究部 
石尾晶代 元早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程 
齊藤 慧 新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科助教 
山口智史 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室特任助教 
酒田あゆみ 九州大学病院検査部 
飛松省三 九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学分野教授 
軍司敦子 横浜国立大学教育人間科学部准教授 
山崎まどか 大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科特任講師 
長田美智子 山梨大学医学部附属病院検査部副臨床検査技師長 
片山雅史 国際医療福祉大学福岡保健医療学部医学検査学科准教授 
高橋 修 市川市リハビリテーション病院臨床検査科 
古川俊明 東海大学医学部付属八王子病院リハビリテーション科講師 
青野宏治 伊勢原協同病院リハビリテーション科副部長 
古賀信太朗 東海大学医学部付属八王子病院リハビリテーション科助教 
児玉三彦 東海大学医学部専門診療学系リハビテーション科学講師 
補永 薫 東京湾岸リハビリテーション病院リハビリテーション部部長 
新藤恵一郎 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 
藤原俊之 東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学准教授 
豊倉 穣 東海大学医学部付属大磯病院リハビリテーション科教授 
菅原眞治 東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学 
牛場潤一 慶應義塾大学理工学部生命情報学科准教授 
春日翔子 慶應義塾大学理工学部生命情報学科助教 

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   定価5,280円(本体4,800円 + 税)
   2015年05月発行
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