新しい小児外来疾患のみかた、考えかた
内容
プライマリ・ケア医療は日々進化しています。各種の迅速検査によってより正確な診断が可能となり、感染症やアレルギーに関する新知見も多く登場しています。そのような時代の流れのなかで、“従来の小児医療”は時に過剰であり、子どもたちの成長・発達の妨げになりかねず、保護者もそのデメリットに気づくことは難しいでしょう。本書は、今までの「当たり前」に代わる新たな視点の小児外来診療のあり方を提言します。
序文
著者略歴
西村龍夫(にしむら たつお)
昭和40年8月14日生
平成3年 奈良県立医科大学卒業
奈良県立医科大学小児科学教室で臨床研修
榛原(はいばら)町立榛原総合病院 小児科
奈良県立奈良病院 小児科 を経て
平成10年より にしむら小児科で開業
開業以来,小児科外来の診療に必要な研究を進めています.発熱の中に存在する深部重症細菌感染症,(occult bacteremiaや細菌性髄膜炎)のリスクマネジメントや抗菌薬の適正使用,乳児のRSウイルス感染症,咳嗽の原因としての副鼻腔炎の調査,風邪薬の効果,外来小児科学会員を対象にした診察や投薬の調査,乳幼児喘鳴の実態調査,食物アレルギーでの制限食の実態調査,等を行っています.
平成16年10月より病児保育室“げんきっ子”
平成21年4月より発達支援ルーム“みらい”
平成27年4月より小規模認可保育所“つくし”を開設.
目次
もくじ
プロローグ
症例●生後10ヵ月男児主訴:鼻汁と咳嗽
1.子どもと家庭
1 子どもだけをみない
症例1●生後7ヵ月男児主訴:発熱
症例2●1歳男児主訴:鼻汁と咳嗽
2 子育て環境の変化
3 余裕のない母親
症例3●1歳男児主訴:発熱
4 価値観の押し付けはやめよう
症例4●4歳男児主訴:発熱
症例5●2歳3ヵ月女児主訴:こだわりの強さ
2.現代の子どもの病気
1 生物進化と子ども
症例6●2歳男児主訴:発熱
2 ミスマッチ病
症例7●生後1ヵ月男児主訴:発熱,鼻汁,咳嗽
Column1 ワクチンは不自然?
3 咳をする子どもたち
A.生物進化と上気道の構造
B.咳反射の起源
C.集団生活が作る咳感染症
D.鼻副鼻腔炎
E.咳の鑑別
F.喘鳴の考え方
症例8●1歳2ヵ月女児主訴:鼻汁,咳嗽,喘鳴
4 なぜアレルギーが増えた?
A.食物アレルギーと認知エラー
B.RAST検査の功罪
C.IgEの起源
D.皮膚とアレルギー
E.医原病としての食物アレルギー
Column2 カルト化を防ごう
F.アレルギーを防ぐ
G.食物アレルギーの危険性
H.アレルギーは治療よりも予防
症例9●生後7ヵ月男児主訴:口周囲の発赤
症例10●生後9ヵ月女児主訴:全身じんましん
Column3 ゼロリスクの罠
3.小児科外来に必要な知識と設備
1 専門医から総合医へ
2 小児科医のアイデンティティ
症例11●生後9ヵ月男児主訴:微熱,鼻汁,咳嗽
症例12●2歳男児主訴:耳痛
3 全身状態の把握
症例13●生後7ヵ月男児主訴:発熱
4 診療に必要な設備
5 習得すべきテクニック
A.診察の手順
B.血液検査
C.耳垢の取りかた
4.子どもの病気にどう対処するか
1 まずはワクチンを
2 医療的介入は最小限度に
3 子どもの風邪
A.発熱を主症状とする子ども
症例14●生後5ヵ月男児基礎疾患なし
B.咳を主症状とする子ども
症例15●1歳7ヵ月女児基礎疾患なし
Column4 肺炎じゃないでしょうか?
C.喘鳴を主症状とする子ども
症例16●1歳3ヵ月男児基礎疾患なし
D.気管支喘息診断の問題点
Column5 微量採血でアレルギーを調べてみよう
Column6 開業小児科医の内情公開
4 アレルギーは予防できるか?
A.アトピー性皮膚炎とは何か
Column7 生物の領域
B.食物アレルギー予防プログラム
Column8 食物少量投与の効果
Column9 慎重さが作るアレルギー
Column10 公衆衛生の発達と細菌
索引