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書籍詳細

こころにもからだにも効く漢方

こころにもからだにも効く漢方

小野真吾 著

A5判 296頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-06928-2

2019年06月発行

在庫あり

不安や不眠、抑うつやパニック発作、喉のつかえや易怒性など、器質的ではない心因性疾患に対しても、適切な処方を行えば漢方薬は有効に作用します。本書ではそれら心因性疾患を中心に、また冷えやのぼせ、下痢や便秘、かぜ等のよくみる一般的な症状まで含め、漢方薬を用いて心身両面から患者さんをサポートするための基本知識をわかりやすく解説しました。

著者略歴

小野 真吾(おの しんご)

1998年 弘前大学医学部医学科卒業
     弘前大学医学部附属病院研修医
1999年 弘前大学医学部神経精神医学教室入局
2003年 弘前大学大学院医学研究科卒業
     帝京大学医学部附属溝口病院精神科助手
2008年 東京医科大学霞ヶ浦病院(現茨城医療センター)
     精神神経科講師
2015年 証クリニック神田副院長
2016年 証クリニック神田院長

医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本東洋医学会専門医
日本医師会認定産業医
東京医科大学兼任講師

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はじめに

 本書は,全ての臨床家の先生方を対象としています.そして,漢方医学に興味がある初心者を読者と想定しています.漢方医学の初心者が,漢方薬を使って,精神疾患の治療を行えるようになることを第一の目標としています.精神疾患の治療とはいっても,全ての精神疾患を対象とするものではありません.主として,不安を背景とした神経症領域が主な治療対象になります.これまでは神経症領域の治療にはベンゾジアゼピン系抗不安薬が主に使われてきました.最近ではベンゾジアゼピン系抗不安薬の依存について,注目が集まるようになっています.国もその対策に動きだし,診療報酬上での制約を設けていく方針です.神経症領域の治療に漢方薬が用いられる機会が増えていき,少しでも抗不安薬依存の問題が解消されることを願っています.
「こころにもからだにも効く漢方」というタイトルではありますが,精神疾患の範疇ではない症状も解説しました.
 それは,真に心身両面の医学を行うためのガイドになってほしいという願いからです.精神疾患を抱える患者さんが身体的な症状,疾患を合併すると,多くの場合には身体科に紹介されます.そこで,異常がないとされると患者さんが途方に暮れてしまいます.そのような場合に精神科医が漢方薬で種々の身体症状に対処できれば,患者さんのクオリティー・オブ・ライフに寄与できると思います.
 私自身が元々精神科医ですが,漢方医学を学ぶことによって,身体症状に対してアプローチする方法を得ることができました.一人でも多くの先生方がこころの問題と身体症状両方に対応できるようになるためのよすがになればと願っています.
 最後に,寺澤捷年先生,証クリニックの檜山幸孝先生,久永明人先生のご指導,高山宏世先生,花輪壽彦先生はじめ多くの先達のご著書があってこそ本書をしるすことができました.心より感謝いたします.

2019年5月
著者

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目次

総論
第1章 なぜこころとからだの漢方か?
 精神医学と心身医学と心療内科
 こころとからだの漢方は心因性疾患を主な対象とする
 こころとからだの漢方は身体科の先生にメリットがある
 こころとからだの漢方は精神科医にもメリットがある

第2章 漢方についての一般的知識
 漢方は日本独特の伝統医学である
 漢方は体質に合わせた治療を行う
 エキスと煎じの違い
 病名漢方について
 異病同治について
 漢方は魔法やミラクルではない
 陰陽について
 虚実について
 虚実に対する治療
 表裏について
 寒熱について
 気血水について
 五臓について

第3章 診察
 望診について
 聞診について
 問診について
 切診について
 漢方の治療原則

各論
I.こころの病気の漢方診療
 1.不安
  不安を呈する精神疾患
  不安に対する漢方薬の使い方
 2.不眠
  その睡眠薬の使用は適切ですか?
  不眠治療における漢方薬の役割
  具体的な不眠に対しての方剤選択の流れ
 3.抑うつ
  抑うつ,うつ状態,うつ病とは
  漢方薬はまず心因による抑うつに使ってみる
  自ら対応できない時にどうするか
  気を補う薬,気を巡らせる薬を中心に考える
 4.パニック発作
  パニック発作とは?
  パニック発作を呈するあるいは類似の症状を呈する身体疾患
  パニック発作を呈する精神疾患
 5.喉の痞え
  西洋医学からみた喉の痞え
  漢方医学からみた喉の痞え
  鉄板処方は半夏厚朴湯だが……
 6.易怒性
  易怒性を呈する疾患
  漢方医学からみた易怒性
  易怒性の漢方医学的治療〜陰陽,虚実,気血水,五臓で考える〜
  易怒性に用いる漢方薬
 7.幻覚(存在しないものを知覚する)
  幻覚を訴える患者さんが来院したら…
  外因-内因-心因のいずれに当てはまるかを考える
  幻覚を訴える患者さんをみるとき
  どのような幻覚に対して漢方薬は有効か?
  幻覚に用いる漢方薬

II.こころの状態が深く関連する身体症状の漢方診療
 1.機能性ディスペプシアとは何か?
  なぜ機能性ディスペプシアに漢方なのか?
  診断基準は?
  漢方ではこれらの症状をどのように捉えるか
  どんな処方を用いるか?
 2.下痢
  器質因の除外
  下痢を漢方医学ではどう捉えるか?
  下痢に用いられる漢方薬
 3.便秘
  便秘の定義
  便秘の診察手順
  便秘の原因となる疾患
  便秘に用いる漢方薬
 4.食欲低下
  そもそも食欲低下とは?
  見逃してはいけない食欲低下をきたす疾患
  診察のポイント
  食欲低下時の検査項目について
  食欲低下に用いる漢方薬
 5.高血圧
  そもそも高血圧とは何か?
  高血圧治療はなぜ必要なのか
  診断と治療
  高血圧治療に用いる漢方薬
 6.低血圧・起立性低血圧
  低血圧は100mmHg未満
  低血圧をみたら,気虚,水滞を探せ
  低血圧に用いる漢方薬
 7.倦怠感(身体がだるい)
  西洋医学的に倦怠感を捉えると
  倦怠感を精神科医がみるとき
  倦怠感は気虚の症状の一つ
  気虚の原因は気の産生低下か気の消耗にある
  気血両虚ではどちらの治療を優先?
  気虚では桂枝湯か人参湯かでまず考える
 8.頭痛
  頭痛の分類
  危険な頭痛かどうか見極めるために
  漢方で対処する頭痛は一次性(機能性頭痛)
  漢方医学では頭痛をどのように考えるか
  頭痛に用いる漢方薬
 9.動悸
  患者さんの訴える動悸は本当に「動悸」ですか?
  動悸の診療のステップ
  動悸は水滞,血虚,五臓なら心か肝の異常で考える
  動悸に用いられる漢方薬
 10.円形脱毛
  円形脱毛とは?
  脱毛と鑑別すべき疾患
  漢方では脱毛を血虚と捉える
  脱毛に用いる漢方薬
 11.月経前症候群(PMS)
  そもそも月経とは何か?
  月経前症候群(PMS)はどのようなものか?
  PMSの症状を漢方医学で捉えると
 12.更年期障害
  更年期障害とは?
  更年期とホルモン
  更年期の治療
 13.尿の異常
  尿の異常はどのようなものがあるか
  漢方で扱う尿の異常と用いられる漢方薬

III.こころの病気をみる際に最低限必要な身体症状の漢方診療
 1.冷え(特に手足の冷え)
  陽証の冷えについて
  陰証の冷え
 2.のぼせ
  のぼせの診察
  のぼせに用いる漢方薬
 3.肩こり
  肩こりとは?
  肩こりの漢方治療
  肩こりに用いる漢方薬
 4.腰痛,下肢のしびれ,膝の痛み,こむら返り
  腰痛
  下肢のしびれ
  膝の痛み
  こむら返り
  腰痛,下肢のしびれ,膝の痛み,こむら返りに対する漢方治療
  腰痛,下肢のしびれ,膝の痛み,こむら返りに用いる漢方薬
 5.にきび
  にきびとは?
  漢方によるにきびの治療
  にきびに用いる漢方薬
 6.かぜ症候群
  かぜって,そもそもどんなもの?
  かぜこそ,漢方・葛根湯
  急なかぜに使う漢方薬
  こじらせたかぜに使う漢方薬

 索引

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