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書籍詳細

Dr.長澤の腎臓内科外来実況中継

Dr.長澤の腎臓内科外来実況中継

長澤 将 著

A5判 246頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-22466-7

2021年03月発行

在庫あり

専門外の医師であっても腎機能の低下した患者を診る機会は多く、腎臓病についての臨床上の知識を学習し、日々アップデートしていく必要があります。本書では、非専門医でも無理なく自習でき、腎臓内科医の思考回路とワザを学べる内容を目指しました。保存期の慢性腎臓病に対する血圧・血糖管理、プロ流の薬の使い方、栄養指導や運動指導など、専門家の腎臓の診かたが身につく一冊です。

推薦の言葉
 「腎臓学者は頭が悪いのではないか?」「それが証拠に,腎臓病はさっぱり治らないし,透析患者も増える一方だ」「そもそも腎臓病学は分かりにくく出来ている,門外漢が勉強しようと思ってもサッパリ分からない,これは取りも直さず腎臓学者の頭が悪いせいじゃよ」…….これらは,およそ40年前に私が東北大学第二内科に入局して間もない頃に,内分泌学の大御所だった古川洋太郎先生(故人)から頂戴した「お小言」である.
 実際のところ,古川先生が仰せられる内容のほとんどは事実だった.一部の疾患を除いては「治らない」あるいは「治りにくい」症例ばかりだったし,分かりやすいテキストが無いのも御指摘の通りだった.新米が勉強しようと思っても,何処から手を付けていいか分からないし,「膜性腎症」と「膜性増殖性腎炎」との違いとか,尿細管性アシドーシス,免疫応答・補体カスケードの話など,どれを取ってもチンプンカンプンな内容が続くのだった.
 その当時からすれば腎臓病の診療は大きく進歩した.しかし,教科書内には相変わらず難しい用語や機序解説が並んでおり,「チューター」の力を借りずに独力で腎臓病の内容を理解するのは「至難の業」ではないだろうか.
 そういう中で,平成15年に東北大学・腎グループに加わって以来「大車輪」の活躍を続ける長澤 将先生が,その持ち前の馬力と鋭い洞察力を生かす形で,従来のテキストの概念を大きく変える画期的な指南書を完成させてくれた.この「Dr.長澤の腎臓内科外来実況中継」では,誰もが経験する場面の一つ一つを具体的に取り上げながら,「細かい理屈は後回しでいいから,まずはこれだけは覚えましょう」的に,臨床の場で実際に大事なこと,最低限必要なことをコンパクトにまとめてくれている.臨床腎臓病学の入門書として最適,かつ必須の1冊と言えるのではないだろうか.「腎臓病に対する理解を少しでも深めたい」と思っている方々に自信を持って推薦したい.

2021年2月
東北大学名誉教授 JR仙台病院長
佐藤 博





はじめに
 東北大学病院で腎臓内科をしている長澤 将(たすく)です.この度は主に初学者や研修医,他科などの非専門医に向けて腎臓内科の思考回路を伝える本を書くことができました(腎臓専門でも初学者や知識の整理に役に立つと思います).他にも腎臓病に興味のある栄養士,理学・作業療法士(もしかしたら言語聴覚士も),さらに製薬企業のMRやMSLなどの人にも役に立つと思います.
 学生に「腎臓内科ってどんなイメージ?」と聞くと,「病理が難しい」とか「膜性増殖性糸球体腎炎がよくわからない……」なんて話で,苦手意識を持った返事が返ってきます.実はそのような仕事はごく一部の大きな病院の腎臓内科の仕事であり,本書でメインに書いたような保存期の慢性腎臓病に対して血圧や血糖などのコントロールをしている仕事が多いと思います.実はこの部分に腎臓内科の技が結構たくさん隠されています(血液透析に関しては,「誰も教えてくれなかった 血液透析の進めかた教えます」羊土社;2019年刊,を参考にしていただければと思います).
 本書ではガイドラインや最新の大きな論文,師匠達から教えてもらったことなどを元に,自分で経験して研ぎ澄ませていったことを伝えようと試みました.いわば腎臓内科の診療の進化の踊り場にあたるかと思います.この先も診療はどんどん進化していくと思いますが,現時点での知識を整理することで明日からの診療に役に立つと思います.
 本書の上梓にあたり,「『論文にしよう!』 と指導医に言われた時にまず読む本」,「カニでもわかる水・電解質」に続いて編集を担当していただいた中外医学社の岩松宏典様,もの凄く手間のかかる校正を担当していただいた桑山亜也様,素敵な挿絵や装丁を担当していただいた大塚千佳子様に感謝申し上げます.
 読者の皆様には是非7回読んでいただければと思います.しっかりと確実な知識はかならず役に立ちます.

2021年2月
長澤 将

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目  次

 1 腎臓内科って何をするところ?〜意外と広い守備範囲〜 
 2 腎臓内科って何を考えているの?〜あくまで私見です〜 
 3 どうせ治らないじゃん,腎臓なんて〜一生腎臓を持たせるというエンドポイントもあります〜 
 4 全部専門医にお任せでいいんじゃないの?〜ちょっと患者が多すぎます〜 
 5 何はともあれCrと検尿〜イナーシャではなく,紹介しよう!〜 
 6 尿蛋白を測ることが大事〜尿蛋白は腎臓の涙〜 
 7 血尿は気にしなくてよいの??〜高齢者での悪性腫瘍に注意〜 
 8 眼科と連携しましょう!〜眼底は大事です〜 
 9 何はともあれ血圧は140/90 mmHg未満へ〜理想の達成のためにまず現実的な値を達成しよう〜 
10 禁煙〜百害あって一利なし〜 
11 血圧の具体的な話〜すべてのアウトカム改善のために血圧のコントロールは必要〜 
12 CKDにおける血糖管理の各論〜進行した慢性腎臓病における血糖管理の意義は不明瞭〜 
13 認知症を忘れずに 
14 腎臓を悪くしやすい薬にご注意〜NSAIDsの使い方は留意〜 
15 腎臓が悪いときに注意する薬〜処方する前に確認を!〜 
16 腎臓の悪い方に禁忌の薬〜Do Not Harmは医師の基本です〜 
17 薬物療法の前に生活指導〜この基本がすべて〜 
18 栄養指導1〜体組成を評価,そして栄養を考える〜 
19 栄養指導2〜塩分制限,これがCKD診療のコツ〜 
20 栄養指導3〜塩分指導の実際〜 
21 運動指導〜腎臓病=安静は時代遅れ〜 
22 実際の運動処方〜まずは現状把握,そして具体的な処方〜 
23 セルフチェックのキモは体重と血圧〜お金をかけずにできることがとても大事〜 
24 風邪のようにみえる血管炎に注意〜アタマに入っていないと見逃す病気〜 
25 そうだ歯もみてもらおう! 
26 確定診断は専門医でOK 
27 専門医と連携を取りながら 
28 腎代替療法の話と,話すタイミング〜早すぎず,遅すぎず適切に〜 
29 専門医と連携した血圧コントロール 
30 RAA系阻害薬の使い方 
31 血圧に下限はあるか? 
32 血圧と血流は別物〜この誤解が問題〜 
33 血糖の実際処方 
34 SGLT2阻害薬の使い方 
35 脂質もコントロールしましょう 
36 尿酸はどうしましょうか?〜他の要素がコントロールできてから手をつけましょう〜 
37 クレメジンはどうしよう〜最初からクレメジンという選択肢はない〜 
38 低タンパク食は栄養状態を確認してから 
39 保存期のリンの管理はどうしよう〜こちらも,血圧,禁煙などの後の一手〜 
40 カルシウム値とビタミンDの使いどき 
41 アシドーシスはどうしよう〜これもCKDが進行してからの一手〜 
42 カリウムはどうするの? 
43 腎性貧血のマネージメント〜多くの場合,診断的治療が必要〜 
44 一発診断のADPKD 
45 早期に紹介できるといいことがあります〜これぞ正しい専門医の使い方〜 
46 腎生検の実際のリスク〜きちんとした診断のメリットとのバランス〜 
47 唐突ですが便秘のマネージメント〜最近,選択肢が増えました〜 
48 Mgの話 
49 そこまでして腎臓を護らなくてよいです〜他臓器をしっかり護ることで腎臓も護れます〜 
50 腎不全に造影剤を使うとき考えるべきこと 
51 この透析は離脱できますか? 
52 爪は腎機能障害を表す? 
索引

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執筆者一覧

長澤 将 東北大学病院腎・高血圧・内分泌科講師 著

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