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書籍詳細

自律神経

自律神経

初めて学ぶ方のためのマニュアル

榊原隆次 編著 / 内田さえ 編著

A5判 444頁

定価8,360円(本体7,600円 + 税)

ISBN978-4-498-32880-8

2022年04月発行

在庫あり

多系統萎縮症および生理学の第一人者がタッグを組み編集した自律神経の入門書決定版! 初学者に分かりやすく,自律神経の基礎知識や,起立性低血圧・排尿排便障害・睡眠時無呼吸はもとより,こころに由来する内臓症状とその治療についても解説.様々な疾患に関わる自律神経のすべてをこの1冊で網羅した役立つ1冊.

推薦の言葉

 自律神経というと,漠然ととらえている方々が多いと思われますが,実は生命機能全体を統括し,各臓器の機能を保っている一番重要な神経系といっても過言ではありません.自律神経系は,内臓諸器官とともに,全身の血管,汗腺にも分布し,内臓諸器官の機能調節,血圧の調節,体温の調節を行っている極めて重要な神経系であります.そのため,その研究分野は非常に多くの領域にわたっています(血圧や脈拍の変動,呼吸の調節,消化管や肝臓の活動,排尿や排便,体温の調節,ホルモンの分泌,生殖活動,そして瞳孔の調節など).そして,現在の自律神経学の最も重要な研究対象は,それらの活動を統合的に制御する神経性・中枢性の制御機構であります.このように多くの器官に関わる自律神経系の研究は,基礎医学から臨床医学まで広い分野に及びます.基礎医学の立場からは,生体の機能を全体的に統合する自律神経機構の先端的研究が世界的に進められており,それは脳科学・神経科学の分野でも重要な領域となっています.また,臨床医学においても,脳神経内科学,脳神経外科学,精神医学,消化器病学,循環器病学,内分泌代謝学,泌尿器科学,眼科学など様々な学問領域にわたります.しかも西洋医学だけでなく,東洋医学(漢方,鍼灸)にも関連が深く,さらに生物学,薬学,心理学,体育学などを含む生命科学の広い領域とも密接に関係しています.
 本書は,この自律神経に関する最近の知見まで含めて,丁寧に解説してあり,今までに類を見ない書となっていると思います.特に各部門を担当された著者は各専門分野の第一線でご活躍の方々で,最近の知見も加えて,中枢神経系も含めた自律神経のネットワークを詳細に,しかもわかり易くご解説いただいております.また,基礎医学から臨床医学への橋渡しも考慮されていて,楽しく自律神経を理解でき,今後の研究の糸口ともなるヒントも包含されていると思います.
 本書を読み終わりますと,自律神経は小宇宙のごとく広大な世界におよんでいることに気付かれるものと確信致します.

2022年1月
よみうりランド慶友病院院長
荒木信夫
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推薦のことば

 本書は自律神経系臨床医である榊原隆次氏により企画され,基礎医学研究者の内田さえ氏との共同編集のもと作成されたと聞いている.現在活躍中の新進気鋭の医師や研究者らがそれぞれの専門分野について最新かつ確実な知識を提供しており,タイムリーな企画である.読者は基礎と臨床の両面から自律神経系について学ぶことができよう.またコラムや図表が随所に組み込まれており,若い世代にとっても非常にわかり易い書である.
 イギリスのラングレイ氏により自律神経が定義されておよそ1世紀,その間,多くの新事実が明らかになってきた.医学の進歩により幾つもの不治の病は克服されたが,何故か自律神経の症状に苦しむ人は年々増えている.自律神経は内臓をはじめ,全身の血管に分布している.また遠心路だけでなく求心路を介したフイードバック調節が働くことが,症状を多彩にしている.
 太陽のリズムに従ってそれぞれの環境に適応している動物たちと異なり,人間は南極や北極は勿論,地球外までも挑戦する.さまざまな電化製品を開発し,その恩恵に預かる私たちは便利社会を謳歌している.が,いつしか人はリズムを崩し,食生活習慣を崩し,ネットを介する溢れんばかりの情報量に忙殺されている.心をすり減らす人で自律神経症状が増えるのは当然かもしれない.
 消費社会と経済至上主義を強いられ機械のように働かされている現代人の姿は,チャップリンの「モダン・タイムス」に登場する悲しい労働者にどこか重ならないだろうか.
 自律神経疾患は心と身体の疾患といわれる.本書の終章「こころ・情動のとらえ方」はそのことをよく表している.本書を通じて読者が正確な知識を学びとり,自律神経症状の改善に繋がることを願っている.

2022年1月
日本保健医療大学教授・昭和大学医学部生理学講座客員教授
鈴木郁子
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推薦の言葉

 世界で最も人気がある神経科学の本は,2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリック・カンデルのPrinciples of Neural Scienceであろう.その最新第6版において,主に自律神経を扱う内容のページ数は126ページである.総ページ数は1646ページだから,神経科学の中に自律神経が占める割合は7.7%である.まあ,これが神経科学全体の中の自律神経の現時点でのおおまかな重み,ということになるが,臨床医としては,待てよ,と言う気にもなる.何故ならば,自分が専門にしている心療内科疾患(心身症)や消化器疾患はもとより,循環器疾患,呼吸器疾患,代謝疾患,内分泌疾患,腎疾患,泌尿器疾患,婦人科疾患,眼疾患,耳鼻咽喉疾患など,各臓器水準の自律神経が病態に関係している疾患は非常に多いからである.精神疾患や脳外科疾患で自律神経症状を呈する場合も多いし,脳神経内科では自律神経が本格的に障害されている疾患群を数多く診療している.そんな訳で,意識にのぼりやすい随意神経の知識が先行しているのはもっともだが,無意識に隠れやすい自律神経の知識がもっと重視されて良いのではなかろうか.
 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科・榊原隆次教授には,お誘いを受けて共著の成書や,英文の総説論文を公刊して親しくして貰っている.このほど,内田さえ氏との共編著で「自律神経―初めて学ぶ方のためのマニュアル」を公刊するとのことで,内容を読んで驚いた.完成した430超ページの本は非常に充実している.免疫機能,生体リズム,体温調節なども網羅され,自律神経が関わる疾患の病因,病態,診断,治療まで,細かいところに語りかけるように解説が加えられている.執筆陣も各界の新進気鋭の医師,研究者で,われわれの仲間もその中に加えて貰っている.若手の医師のみならず,科学や医学・生物学に興味がある一般の読者に,ぜひ一読を勧めたい快著である.ここに,太鼓判を押したい.
 自律神経は,高校の生物学でも,医学部の解剖学,生理学,薬理学でも,繰り返し教えられる.そのため,交感神経があって副交感神経があって拮抗関係にある程度で,何となく判った気になっている場合が多いように思われる.しかし,良く解明されて来たのは,主に自律神経の遠心性ニューロンの構造と機能であると言っても過言ではないだろう.自律神経の求心性ニューロンの構造と機能が判明して来たのはごく最近である.この求心性ニューロンが,どのような繋がりで脳内に入ってゆくのか,脳内のどのようなネットワークが自律神経の感覚処理を意識に登らない形でしているのか,そしてまた,自律神経の遠心性ニューロンを駆動する信号が脳内のどのようなネットワークから形成されるのか,興味深く,つきつめると判らないことだらけである.しかし,本書を通読することにより,現時点で判明している重要な知識が得られる.このことは,大変貴重なことと言わなければならない.ある領域の専門家であっても,隣の領域の急激な変化や進歩に気付かないということは往々にしてあることである.その意味では,専門家として活躍する医師,医療従事者,薬理学者,医学研究者,生物学研究者にも,間違いなく有益であろう.
 このような成書を公刊するに至った榊原教授の自律神経学に対する愛情と展望に深く敬意を表したい.そしてまた,本書により鼓舞された若手医師,研究者,もしくは一般の人が,自律神経を正しく認識し,新たな道を切り開いてゆくことを大いに期待している.

2022年1月
東北大学大学院医学系研究科心療内科学分野教授
福土 審
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巻頭言

 今回,中外医学社から『自律神経―初めて学ぶ方のためのマニュアル―AutonomicNervous system: A step beyond!』が発刊されることになりました.本書は,医学書であり,その対象は,神経チーム(神経3 科: 脳神経内科[neurology]・脳神経外科[neurosurgery]・精神科[psychiatry.神経科/身心医学科/心療内科も標榜されます])および神経の診療に携わる糖尿病科・整形外科・小児科・老年科の若手先生方,内臓臓器科(循環器科・消化器科・泌尿器科・呼吸器科その他)の若手先生方,生理学の若手先生方,および研修医の皆さんを,主な読者層としています.詳細な良書が沢山出ておりますので,その前の入門編ととらえて頂けますと幸いです.
 一方,本書は,書店で初めてこの本を手に取られる一般の皆さんにも,わかりやすいように記載しています.「自律神経」という言葉の印象について,本書で述べますそれは,インターネットやテレビでこれまで見聞きされたことと比べ,若干異なるイメージがあろうかと思います.一方,本書を途中まで読み進めますと,健康と病気からみた「自律神経」について,新しいイメージを抱いて頂けるのではないかと思います.本書は,以下のような章立てにしています.
 I章は,「自律神経: 初めて学ぶ方へ!」です.内臓を支配する自律神経の定義・解剖生理の研究の歴史(基礎編)と,臨床からみた自律神経の定義・神経チームの歴史(臨床編)について,概説を致します.序章を読んで頂けますと,自律神経と基礎系学問・神経チーム・各内臓臓器科のつながり,スタンダードな考え方が理解できるものと思います.2 大自律神経(交感神経・副交感神経)の他に,第3 の自律神経(非アドレナリン非コリン系神経)があり,末梢神経の他に,脊髄・脳の中枢自律神経回路があり,いずれも基礎・臨床の場で重要なことがわかると思います.
 II章は,「自律神経: もっと知りたい!」です.序章で述べたことの各論として,第一線で活躍されている先生方に,わかりやすく解説を頂きました.内臓を支配する自律神経は,小宇宙の如く広大な領域ですが,このうち,起立性低血圧(意識を失う立ちくらみ),骨盤臓器障害(お手洗いの困りごと),睡眠時無呼吸(呼吸が止まる夜間のいびき)の3 つが代表的な症状です.例えば,(循環器)心電図・心エコー検査で異常がないにも関わらず起立時の失神が出る,(骨盤臓器)膀胱鏡・大腸カメラで異常がないにも関わらず尿閉や腸閉塞[イレウス]が出る,(呼吸器)胸部レントゲンで異常がないにも関わらず無呼吸が出ることにより,各臓器科に緊急入院され,神経チームに精査の依頼がなされることが少なくありません.これらを自律神経救急(autonomic emergency)/自律神経不全(autonomic failure)といい,メカニズムとして,自律神経の高度な機能低下などがみられます.
 III章は,「脳と臓器障害って?」です.神経チームの領域では,クモ膜下出血・脳炎急性期などで,胃潰瘍などの臓器障害が頻発することが知られています.未解決な部分が多く,重篤ですが,自律神経とメカニズムが異なることも知られるようになり,I章と同様に臓器科の先生方との連携が大事な領域です.これらについて,第一線で活躍されている先生方に,最新の記載を頂きました.
 IV章は,「こころが出す症状って?」です.専門家の先生方にわかりやすく解説を頂きました.神経チームは,協力して患者さんの診療にあたっています.このうち,精神科の病気(神経症など)が,臓器科の症状(立ちくらみ,トイレが近い/出にくい,下痢/腹痛/食事がとれないなど)をきたす/病気を真似る(mimic)ようにみえる場合があります(自律神経失調症ともよばれます).しかし,上述の自律神経不全とメカニズムが異なるため,程度は軽く,入院を要しません.さらに,脳神経内科外科(昏睡,頭痛,まひ,しびれ),耳鼻科(聴力低下,めまい),眼科(視力低下)の病気を真似る場合がありますが,程度は軽く,入院を要しません.これら全体を身体症状症(ヒステリー/心身症とも呼ばれます)といいます.まだ聞きなれない言葉かと思われますが,驚くほど多い病状です.身体症状症型の神経症の診断は,他科の疾患を丁寧に除外することでなされるため,連携が最も大事な領域です.
 本書は,自律神経の基礎と臨床の橋渡しを目的とした,入門書です.本書をきっかけに,皆さんが自律神経に興味をもたれ,さらに進んだ学習につながるならば,編者・執筆者一同の望外の喜びです.本書は,中外医学社から出版されました『神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル』『神経・精神疾患による消化管障害ベッドサイドマニュアル』『認知症の排泄ケアベッドサイドマニュアル』の姉妹編でもあります.併せお手に取って御覧頂けますと幸いです.最後に,編集発刊に向け終始ご助言を賜りました,中外医学社 五月女謙一さんに心より深謝申し上げます.

2021年11月

東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科教授
榊原隆次

東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長
内田さえ

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CONTENTS

I章 自律神経:初めて学ぶ方へ!

A.基礎編〈内田さえ〉
   1.自律神経系の働き
   2.自律神経系の基本的構成
   3.自律神経遠心路による内臓機能の調節
   4.自律神経調節の特徴
   5.局所性・ホルモン性・自律神経性の協調的な調節
   6.内臓求心性線維の経路と働き
   7.関連痛とその仕組み
   8.ホメオスタシスの維持に働く自律神経系

B.臨床編〈榊原隆次〉
   1.からだ(脳神経内科)からみた自律神経
   2.脳と臓器障害
   3.神経チームの歴史
   4.こころ(精神科)からみた自律神経

II章 自律神経:もっと知りたい!

A 概括編

 1.末梢自律神経―神経伝達物質を中心に〈鈴木郁子〉
   1.末梢自律神経と神経伝達物質
   2.アセチルコリン
   3.モノアミン
   4.プリン化合物
   5.アミノ酸・ペプチド
   6.NO
   7.腸管神経系の伝達物質

 2.自律機能の中枢調節〈仙波恵美子〉
   1.中枢自律神経系とは?
   2.中枢自律神経ネットワーク(CAN)
   (コラム1)自律神経機能の左右差
   (コラム2)脳の大規模ネットワーク
   3.自律機能の中枢性調節機構
   (コラム3)mPFCと自律神経調節

 3.内分泌機能の自律神経系調節〈尾仲達史〉
   1.膵内分泌と自律神経系
   2.脂肪組織からのレプチン放出
   3.副腎皮質からの糖質コルチコイド放出

 4.免疫機能の自律神経性調節〈川島紘一郎〉
   1.伝達物質と受容体
   2.神経系と免疫系の相互作用に関与する求心性感覚神経
   3.交感神経を介する免疫機能調節
   4.迷走神経系を介する免疫機能調節

 5.生体リズムと自律神経〈八木田和弘,土谷佳樹〉
   1.概日リズム制御系
   2.睡眠・覚醒の概日リズム
   3.概日時計による自律神経制御
   4.概日リズム攪乱の自律神経系への影響

 6.体温の調節機構〈中村和弘〉
   1.体温調節の基礎
   2.体温を調節する自律神経メカニズム
   3.まとめ

 7.脳循環の調節機構〈渡辺信博,堀田晴美〉
   1.脳への血液供給の経路
   2.脳血管調節のしくみ
   3.体位変換(起立)に伴う脳血流調節
   4.睡眠時の脳血流調節
   5.日常生活動作に伴うNBM賦活と脳血流増加

 8.体性感覚刺激による自律神経機能の反射性調節〈黒澤美枝子〉
   1.体性—内臓反射の特徴
   2.体性—内臓反射の例

B 症候と臓器編

 9.起立性低血圧の生体防止機構と循環調節〈内藤篤彦〉
   1.起立性低血圧の生体防止機構
   2.起立性低血圧の診断および症状
   3.起立性低血圧の疫学研究

 10.起立性低血圧をきたす疾患と治療〈出口一志〉
   1.起立性低血圧(OH)をきたす疾患
   2.OHの治療

 11.頻尿・尿失禁・尿閉の生体防止機構と下部尿路機能・性機能の調節〈清水孝洋,齊藤源顕〉
   1.下部尿路機能の神経調節機構
   2.男性機能の神経調節機構

 12.頻尿・尿失禁・尿閉をきたす疾患と治療〈橘田岳也〉
   1.下部尿路症状とは
   2.神経疾患での下部尿路症状問診における注意点
   3.下部尿路機能検査
   4.ヒト自律神経障害における研究の歴史
   5.疾患
   6.過活動膀胱(OAB):パーキンソン病など
   7.高齢者の白質型多発脳梗塞(かくれ脳梗塞)
   8.DHIC:多系統萎縮症,脊髄疾患など
   9.排尿筋低活動(DU):腰椎症など
   10.排尿筋低活動(DU):糖尿病性ニューロパチー
   11.治療
   12.過活動膀胱(OAB)治療
   (コラム1)抗コリン薬の副作用
   (コラム2)ポリファーマシー
   13.排尿筋低活動(DU)治療
   14.DHIC治療
   (コラム3)排尿失神
   (コラム4)α交感神経遮断薬による起立性低血圧

 13.自律神経と摂食・消化器機能調節〈岩?有作〉
   1.摂食中枢
   2.末梢情報を脳へ伝達する2つの経路:液性経路と神経経路
   3.胃腸伸展刺激
   4.栄養素(グルコース)
   5.グレリン
   6.コレシストキニン
   7.グルカゴン様ペプチド—1(GLP—1)
   8.その他ホルモン

 14.食思不振・嘔吐・便秘・便失禁をきたす疾患と治療〈山中義崇〉
   1.食思不振
   2.嘔吐
   3.便秘
   4.便失禁

 15.睡眠時無呼吸の生体防止機構と呼吸の調節〈桑木共之〉
   1.睡眠とは
   2.呼吸とは
   3.神経による呼吸関連筋収縮の調節
   4.睡眠時無呼吸とは
   5.呼吸の睡眠に伴う変化
   6.睡眠による呼吸調節の変化

 16.睡眠時無呼吸をきたす疾患と治療〈藤田裕明,鈴木圭輔〉
   1.睡眠時無呼吸の特徴と診断
   2.睡眠時無呼吸をきたす疾患や病態
   3.睡眠時無呼吸の中枢神経への影響
   4.OSAにおける自律神経の変化
   5.CSAにおける自律神経障害
   6.脳卒中と睡眠時無呼吸
   7.治療

C 疾患編

 17.自律神経不全をきたす疾患:糖尿病と自己免疫性自律神経ニューロパチー・アミロイドーシス〈出口一志〉
   1.糖尿病
   2.自己免疫性自律神経ニューロパチー
   3.アミロイドーシス

 18.自律神経不全をきたす疾患:脊髄損傷・脊髄炎(脊髄の病気)〈岡 尚省〉
   1.脊髄を介する自律神経調節機構
   2.脊髄の各障害部位での徴候
   3.原因疾患

 19.自律神経不全をきたす疾患:パーキンソン病と類縁疾患(脳・末梢神経の病気)〈内山智之〉
   1.パーキンソン病の自律神経不全
   2.レビー小体型認知症の自律神経不全
   3.純粋型自律神経不全症の自律神経不全
   4.その他のレビー小体病の自律神経不全

 20.自律神経不全をきたす疾患:多系統萎縮症(脳・脊髄の病気)〈長尾龍之介,渡辺宏久〉
   1.多系統萎縮症について
   2.MSAの診断基準や臨床症状
   3.多系統萎縮症における自律神経症状
   4.MSAで主に用いる自律神経系検査
   5.治療
   6.遺伝子レベルの研究や動物モデルなど

 21.自律神経不全をきたす疾患:脳梗塞と高齢者のかくれ脳梗塞(脳の病気)〈舘野冬樹,尾形 剛,榊原隆次〉
   1.脳梗塞

 22.自律神経不全をきたす疾患:多発性硬化症その他(脳の病気)〈岡 尚省〉
   1.中枢自律神経ネットワーク
   2.各疾患

 23.認知症高齢者で自律神経障害がみられる場合〈木村康義,望月秀樹〉
   1.疫学
   2.発生機序
   3.影響
   4.注意点と対処法

 24.脳局所病変による二次性情動障害と自律神経症状〈澤村正典,?橋良輔〉
   1.脳局所病変による二次性情動障害
   2.脳局所病変による自律神経障害
   3.脳局所病変による二次性情動障害と自律神経障害の合併

 25.情動障害と脳病変の合併〈鈴木将史,勝野雅央〉
   1.情動障害と神経疾患
   2.うつとアパシー
   3.うつに関連する神経回路
   4.パーキンソン病とうつ
   5.認知症とうつ
   6.てんかんとうつ

III章 脳と臓器障害って?

 1.急性脳疾患によるCushing潰瘍,胃排出障害,下痢便秘イレウス,非閉塞性腸管虚血症(NOMI)〈長尾考晃,根本匡章〉
   1.胃腸粘膜の虚血に伴ったストレス潰瘍もしくは消化管出血
   2.消化管運動障害に起因した胃排泄障害,下痢,便秘,イレウス
   3.腸管粘膜の萎縮に伴ったbacterial translocation,endotoxin translocation
   4.非閉塞性腸管虚血症

 2.神経原性肺水腫と急性脳疾患〈渕之上 裕,周郷延雄〉
   1.神経原性肺水腫の臨床的特徴
   2.神経原生肺水腫の発生機序
   3.NPE発症予測
   4.神経原生肺水腫の治療
   5.予後

 3.タコツボ症候群他と急性脳疾患(およびその他の疾患)〈戸谷俊介,清水一寛〉
   1.タコツボ症候群の概念と病因
   2.臨床症状・検査
   3.診断
   4.予後
   5.急性期治療法
   6.再発
   7.まとめ

IV章 こころが出す症状って?

 1.こころ・情動のとらえ方:精神医学入門〈根本隆洋,水野雅文〉
   1.精神医学・医療とは
   2.わが国における精神医療
   3.精神疾患の分類
   4.外因性精神障害
   5.統合失調症
   6.気分障害
   7.神経症性障害

 2.こころ・情動の病気:身体症状症〈吉原一文〉
   1.疫学
   2.病因・病態
   3.典型的な症状と診断
   (コラム 

 3.こころ・情動と自律神経・内分泌・免疫系―ストレス負荷時の反応を中心に〈鍵谷方子〉
   1.ストレスとは
   2.ストレス反応
   3.ストレスと自律神経・内分泌系
   4.ストレスと免疫機能
   5.痛みとストレス
   6.ストレスへの積極的対応

 4.神経調節性(反射性)失神と治療〈山元敏正〉
   1.血管迷走性失神
   2.状況性失神
   3.頸動脈洞症候群
   4.治療

 5.こころ・情動と消化管症状:過敏性腸症候群と治療〈鹿野理子〉
   1.過敏性腸症候群
   2.自律神経と脳—腸相関
   3.IBSの自律神経機能不全
   4.IBSの治療

 6.こころ・情動と膀胱症状:心因性排尿障害と治療〈山本達也,榊原隆次,桑原 聡〉
   1.下部尿路の神経支配
   2.心因性排尿障害の症状
   3.心因性排尿障害の評価
   4.心因性排尿障害における心理的要因
   5.心因性尿閉
   6.過活動膀胱と不安やうつの関係

7.身体症状症型の神経症の治療〈上野孝之,端詰勝敬〉
   1.身体症状症の概要・症状
   2.身体症状症の治療
   3.各疾患に対する治療

   索 引

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執筆者一覧

榊原隆次 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科教授 編著
内田さえ 東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長/慶應義塾大学非常勤講師 編著
鈴木郁子 日本保健医療大学保健医療学部教授/昭和大学医学部生理学講座客員教授 
仙波恵美子 大阪行岡医療大学特任教授,和歌山県立医科大学名誉教授 
尾仲達史 自治医科大学医学部生理学講座神経脳生理学部門教授 
川島紘一郎 北里大学薬学部客員教授 
八木田和弘 京都府立医科大学統合生理学部門教授 
土谷佳樹 京都府立医科大学統合生理学部門講師 
中村和弘 名古屋大学大学院医学系研究科統合生理学分野教授 
渡辺信博 東京都健康長寿医療センター研究所研究員 
堀田晴美 東京都健康長寿医療センター研究所研究部長 
黒澤美枝子 国際医療福祉大学医療・生命薬学教授/国際科学振興財団特任研究員 
内藤篤彦 東邦大学医学部医学科生理学講座細胞生理学分野教授 
出口一志 香川大学医学部附属病院脳神経内科診療科長・病院教授 
清水孝洋 高知大学薬理学講座准教授 
齊藤源顕 高知大学薬理学講座教授 
橘田岳也 北海道大学泌尿器科特任准教授 
岩㟢有作 京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授 
山中義崇 君津中央病院リハビリテーション科部長/千葉大学病院浦安リハビリテーションセンター特任教授 
桑木共之 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科統合分子生理学分野教授 
藤田裕明 獨協大学脳神経内科講師 
鈴木圭輔 獨協大学脳神経内科主任教授 
岡 尚省 東京慈恵会医科大学客員教授 
内山智之 国際医療福祉大学医学部脳神経内科教授 
長尾龍之介 藤田医科大学病院脳神経内科助教 
渡辺宏久 藤田医科大学脳神経内科教授 
舘野冬樹 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科講師 
尾形 剛 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科 
木村康義 大阪大学大学院医学系研究科神経内科助教 
望月秀樹 大阪大学大学院医学系研究科神経内科教授 
澤村正典 京都大学病院脳神経内科特定助教 
高橋良輔 京都大学医学部脳神経内科教授 
鈴木将史 名古屋大学医学部附属病院検査部 
勝野雅央 名古屋大学医学部神経内科教授 
長尾考晃 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経外科 
根本匡章 東邦大学医療センター佐倉病院脳神経外科教授 
渕之上 裕 東邦大学医療センター大森病院脳神経外科助教 
周郷延雄 東邦大学医療センター大森病院脳神経外科教授 
戸谷俊介 東邦大学医療センター佐倉病院循環器内科 
清水一寛 東邦大学医療センター佐倉病院循環器内科准教授 
根本隆洋 東邦大学医療センター大森病院精神神経科教授 
水野雅文 東京都立松沢病院院長 
吉原一文 九州大学大学院医学研究院心身医学講師 
鍵谷方子 人間総合科学大学大学院人間総合科学研究科心身健康科学専攻教授 
山元敏正 埼玉医科大学神経内科教授 
鹿野理子 東北大学大学院心療内科学 
山本達也 千葉県立保健医療大学健康科学部リハビリテーション学科教授 
桑原 聡 千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学教授 
上野孝之 国立病院機構仙台医療センター 
端詰勝敬 東邦大学医療センター大森病院心療内科教授 

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