商品7/13
戻る 商品リストに戻る 次へ

メタボリックシンドローム教室 −Q&Aでわかる療養指導



宮崎滋 編著
B5判 132頁
定価3,570円(本体3,400円+税)
ISBN978-4-498-12332-8


本症治療の第一線,東京逓信病院の療養指導のノウハウを中心に,同病院のスタッフがもつ豊富な経験とスキルをQ&A形式でわかりやすく解説した実践的な入門書.



価格: 3,570円
コード: 978-4-498-12332-8
カートに入れる:    


   【執筆者一覧】(執筆順)
宮崎 滋     東京逓信病院内科部長
川村光信    東京逓信病院内科主任医長
陳里 菜     東京逓信病院内科
阿部麻希子  九段坂病院内科
木暮香織    東京逓信病院栄養管理室
柴谷 栄     東京逓信病院看護部副師長
桑崎恵子    東京逓信病院看護部師長
西村恵里子  東京逓信病院薬剤部
角田昭子    東京逓信病院医事課地域連携室係長
濱田勝彦    東京逓信病院内科
高橋由美    東京逓信病院栄養管理室
田中裕梨    東京逓信病院栄養管理室
船木知子    東京逓信病院栄養管理室
藤倉聡子    東京逓信病院栄養管理室
内田せい子  元東京逓信病院栄養管理室
吉澤由美子  東京逓信病院看護部副師長
中川 徹     日立製作所日立健康管理センター主任医長
及川孝光    三菱東京UFJ銀行健康センター所長




   【序】

 この本は東京逓信病院で行っているメタボリックシンドローム教育入院の教育,指導内容,運営方法,心がまえ,理論的裏付けなどについて,担当するスタッフが簡潔にまとめたものである.現場に精通したスタッフの手作りの本であり,メタボリックシンドローム教育治療に携わる方々の参考になるのではないかと思う.
 メタボリックシンドロームの診断基準は2006年4月に日本内科学会の会期中に名古屋で発表された.
 私も診断基準検討委員会の委員として,1年間診断基準の検討,作成に関わっていたので,微力ながらも貢献できたという感慨に浸った.
 特に日本基準は,心血管疾患の発症危険性の予知という点では一致するものの,これまで発表されていたWHO基準やNCEP ATP III基準にはない,内臓脂肪蓄積がメタボリックシンドロームの必須項目となっている点が新しく,大きく異なる点であった.日本から世界に発信する新しい概念の誕生に立ち会えたことを誇りに思う.
 厚生労働省が,2008年4月から内臓脂肪蓄積に着目した特定健診・保健指導にこの新しい基準をもとに開始することになり,その是非をめぐる議論が湧き起こった.
 このメタボリックシンドローム診断基準は,将来的に心血管疾患が発症する危険性を予知するだけでなく,日常臨床の場でも,糖尿病,脂質異常症,高血圧などを併発し,生命予後の危険性の増加を示すものである.したがってメタボリックシンドロームの予防が必要である.心筋梗塞,脳梗塞になる前に,メタボリックシンドロームあるいはその可能性のある人に,メタボリックシンドロームの病態をよく理解して頂き,食事,運動など日常生活で改善すべき点をいち早く知り,実行に移すよう指導,教育を行うことが必要であると感じた.
 ではどうすればよいか.
 同じ目的で,糖尿病に対しては全国津々浦々で糖尿病教室を開いている.それならメタボリックシンドローム教室を開設しようと考え,当科のスタッフと検討を重ねた結果,2007年5月から,この本で述べるメタボリックシンドローム教室を発足させることができた.
 対象者は現役の社会人男性が多いだろうと考え,3日間という短い日程とし,週初めは避け,水曜からの3日間にした.当初は該当者に教育入院を勧めても,「何で私が入院しなくてはならないのか」といわれたが,3日間の教育入院が終わると,異口同音に「ためになった」「もっと早く知りたかった」といわれ,スタッフ一同大喜びしたものである.
 しかし,ただ喜んでいるだけでは仕方がない.本当に教育入院した人達に効果があったのだろうかという疑問がスタッフから出て,退院後の追跡調査を行った.その結果は,6カ月以上経過しても,多くの人の体重が減り,ウエスト周囲径も短縮しており,トリグリセリド,HDLコレステロール,HbA1Cが改善され,維持できていた.食事,運動の生活習慣も入院前よりよくなり,続いていた.
 この成果を2007年10月の第28回日本肥満学会で,医師と管理栄養士が各々発表したところ,学会参加者から高い評価を頂いた.質問をされた先生が,その最後に「メタボリックシンドロームの教育入院は大変有用と思われるので,このシステムや取組み方を広く普及させるため公表して欲しい」と発言された.私が会長を務めさせて頂いていた学会でもあり,面映くもあったが,大変嬉しかった.
 以上のような経緯から,中外医学社より出版のお話を頂いた時,願ってもない機会であり,本にすることとした.当院のスタッフの力を結集してこの本の出版に漕ぎつけることができた.
 このように当院の手づくりのメタボリックシンドローム教育入院に関して,一冊の本にまとめることができたのも,当院医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,事務職員の日頃の努力と研鑽の賜である.特定健診・保健指導については院外諸先生の御協力のお陰であり,心よりお礼を申し上げたい.また出版の機会を頂いた中外医学社の御厚意と御支援に深く感謝する.
 まだまだ発展途上の東京逓信病院のメタボリックシンドローム教室であるが,この本を読んで頂ける方に多少なりともお役に立てればスタッフ一同喜びに堪えない.今後全国各地でこのような教室が立ち上がり,さらに有意義なメタボリックシンドローム教室に発展することになれば望外の幸である.

2009年1月
東京逓信病院 宮崎 滋




   【目次】

第1章 総 論
 A.メタボリックシンドロームとは 2
  Q1.メタボリックシンドロームの概念は? 〈宮崎 滋〉 2
  Q2.診断基準は? 〈川村光信〉 5
  Q3.日本においてメタボリックシンドロームの危険性についての検証はなされているか? 〈川村光信〉 6
  Q4.ウエスト周囲径の意義は? 〈陳 里菜〉 8
  Q5.メタボリックシンドロームと肥満症の関係は? 〈宮崎 滋〉 11
  Q6.死の四重奏との関係は? 〈宮崎 滋〉 13
  Q7.特定健診・保健指導との関連は? 〈宮崎 滋〉 15
 B.チーム医療 17
  Q1.教室を運営するには,どのようなスタッフが必要か? 〈川村光信〉 17
  Q2.医師はどのような役割を担うか? 〈阿部麻希子〉 17
  Q3.管理栄養士はどのような役割を担うか? 〈木暮香織〉 19
  Q4.看護師はどのような役割を担うか? 〈柴谷 栄〉 21
  Q5.薬剤師はどんな役割を担うか? 〈西村恵里子〉 23
  Q6.その他の職種の役割は? 歯科医師,歯科衛生士,臨床検査技師の役割は? 〈川村光信〉 24
  Q7.事務職員の役割は? 〈角田昭子〉 24
  Q8.運営にあたってのスタッフの心構えは? 〈宮崎 滋〉 26

第2章 メタボリックシンドローム教室
 A.治療目的 30
  Q1.最大の治療目的は? 〈宮崎 滋〉 30
  Q2.治療目標として,どのくらい体重を落としたらよいか? また,なぜ体重を落とさなければならないのか? 〈川村光信〉 31
  Q3.内臓脂肪の治療目標はどのように設定するのか? 体重を落とすことで内臓脂肪をどのくらい減らすことができるか? 〈川村光信〉 32
  Q4.高血圧の治療目標はどのように設定するか? 〈陳 里菜〉 34
  Q5.脂質異常症の治療目標はどのように設定するのか? 〈川村光信〉 36
  Q6.糖尿病(耐糖能異常)の治療目標はどのように設定するのか? 〈阿部麻希子〉 38
 B.入院教室 40
  Q1.プログラムは? 対象はどのような人か? 〈陳 里菜〉 40
  Q2.採血検査で評価するべき項目は? 〈濱田勝彦〉 41
  Q3.画像検査で施行すべき項目とチェックポイントは? 〈阿部麻希子〉 43
  Q4.動脈硬化はどのように評価すればよいか? 〈濱田勝彦〉 44
  Q5.睡眠時無呼吸症候群はどのような検査治療で評価するのか? 〈濱田勝彦〉 45
  Q6.空腹時の血糖値が低くても糖負荷試験は必要か? 〈濱田勝彦〉 47
  Q7.教育入院のオリエンテーションは,どのように行えばよいか? 〈桑崎恵子〉 48
  Q8.メタボリックシンドロームをどのように教えればよいか? 〈宮崎 滋〉 49
  Q9.外来指導だけではなく,教育入院をすることの食事面でのメリットは? 〈高橋由美〉 51
  Q10.教育入院による効果は? 〈高橋由美〉 52
  Q11.教育入院の栄養指導では,どのような指導を行っているか? 〈田中裕梨〉 54
  Q12.指示エネルギーをどのくらいに設定すればよいか? 〈田中裕梨〉 56
  Q13.教育入院後のフォローは行っているか? 〈船木知子〉 57
  Q14.血糖値が高い人への栄養指導のポイントは? 〈藤倉聡子〉 58
  Q15.中性脂肪(トリグリセリド)値が高い人への栄養指導のポイントは? 〈藤倉聡子,内田せい子〉 59
  Q16.LDL-Cが高い人への栄養指導のポイントは? 〈高橋由美〉 62
  Q17.高血圧症の食事療法のポイントは? 〈藤倉聡子,内田せい子〉 63
  Q18.メタボリックシンドロームにおける運動療法の目的は何か? 〈陳 里菜〉 65
  Q19.どのような運動療法が適切か? 運動療法の具体的な方法(運動メニュー)は? 〈陳 里菜〉 66
  Q20.生活習慣改善のポイントは何か? 〈川村光信〉 68
  Q21.患者が気づいていないことはどのようなことか? 〈吉澤由美子〉 71
  Q22.その気にさせるにはどうすればよいか? 〈吉澤由美子〉 71
  Q23.運動療法や食事療法を継続するコツは? 長期的な効果を得るために,外来では患者にどのように指導していけばよいか? 〈陳 里菜〉 72
  Q24.糖尿病や高血圧,脂質異常症は,薬を使用せずに改善できるものなのか? 〈川村光信〉 75
  Q25.たった2泊3日の教育入院でも効果は退院後も継続するのか? 〈阿部麻希子〉 76
 C.外来ダイエット教室 78
  Q1.プログラムはどのようなものか? 〈高橋由美〉 78
  Q2.対象となるのは,どのような人か? 外来受診後,どのような流れでダイエット教室に参加するのか? 〈川村光信〉 80
  Q3.医師による指導のポイントは? 〈阿部麻希子〉 81
  Q4.管理栄養士による指導で初回診察後どのような流れでダイエット教室に参加するのか? 〈高橋由美〉 82
  Q5.メタボリックシンドローム教室と外来ダイエット教室の違いは? 〈木暮香織〉 83

第3章 よくある質問
 A.検査について 86
  Q1.私は血圧が高いが,家族(血縁者)に高血圧はない.何か他に原因があるのか? 〈濱田勝彦〉 86
  Q2.検診では中性脂肪が高値といわれたが,入院中は正常値だった.こういうこともあるのか? 〈陳 里菜〉 87
  Q3.自分が内臓脂肪型肥満か皮下脂肪型肥満かを知りたいが,腹部CT検査で何がわかるか? 〈阿部麻希子〉 87
  Q4.動脈硬化の進行が心配.何かよい検査はないか? 〈濱田勝彦〉 90
  Q5.私はいびきがひどいといわれるが何か検査をするべきか? 〈濱田勝彦〉 90
 B.生活習慣・食事・運動に関して 92
  Q1.食事回数は2回の方がよいのでは? 〈藤倉聡子〉 92
  Q2.摂取量を減らしたり食欲を抑えたりするにはどうしたらよいか? 〈田中裕梨〉 93
  Q3.食べ過ぎた場合の調整法は? 〈船木知子〉 94
  Q4.外食での注意点は? 〈木暮香織〉 96
  Q5.食べ過ぎたときは運動で消費すればよいか? 〈陳 里菜〉 97
  Q6.運動したくてもできないときは? 〈吉澤由美子,宮崎 滋〉 99
  Q7.残業や夜勤,泊まり勤務で規則正しい食生活がむずかしいが? 〈木暮香織〉 100
  Q8.間食はやめなければいけないか? ケーキより大福の方が罪は少ないように思うが? 〈吉澤由美子,宮崎 滋〉 101
  Q9.甘いお菓子を食べてしまったときはご飯を少なくしているがそれでよいだろうか? 〈藤倉聡子〉 102
  Q10.日ごろ低エネルギー食をしっかり守っていたとしたら,週または月何回くらいお腹一杯食べても大丈夫なのか? 食べること,飲むことが大好きなので,楽しみがないと続けられないと思うが? 〈吉澤由美子,宮崎 滋〉 104
  Q11.食事制限を守っていても,ほとんど体重が減らない.先生には皮下脂肪型の肥満といわれたが,皮下脂肪を落とすためには食事だけでは無理か? 〈木暮香織〉 105
  Q12.食事制限はいつまで続けるのか? 〈高橋由美〉 106
  Q13.早食いで,しかもお腹一杯食べないと満足できない.どうすればよいか? 〈船木知子〉 106
  Q14.メタボリックシンドロームの療養によい食べ物はあるか? 〈木暮香織〉 107
  Q15.野菜嫌いの人はどうすればよいか? 〈船木知子〉 109
  Q16.お酒を飲むときはどんなことに注意すべきか? 〈藤倉聡子〉 110

第4章 特定健診・保健指導
  1.特定健診・保健指導とは 〈中川 徹〉 114
  2.病院との連携 〈宮崎 滋〉 117
  3.特定健診の進め方 〈及川孝光〉 118
  4.保健指導の具体的な方法は? 〈中川 徹〉 126
  5.受診勧奨者の取り扱い 〈中川 徹〉 128

索 引 129




現在のレビュー: 0
レビュー
友人に知らせる
この商品は2009年02月19日(木)に登録されました。




お知らせ