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書籍詳細

心電図教えてノート 

心電図教えてノート 

−チームでモニター事故を予防する!−

石田岳史 監修

B5判 98頁

定価2,420円(本体2,200円 + 税)

ISBN978-4-498-07680-8

2015年04月発行

品切れ・重版未定(2020年2月 改訂版刊行予定)

スタッフステーションでなり続ける心電図モニターのアラームに対して,聞こえない振りをした経験はないだろうか.本書では,心電図アレルギーと戦ってきた著者らが結成したMACT(monitor alarm control team)のノウハウを凝縮.波形の読み方をシンプルかつ分かりやすく解説し,安全な心電図モニター管理を行うための有効なアプローチ法も惜しみなく紹介している.心電図に苦手意識を持つ全ての人にすすめたい1冊だ.

監修にあたって

 「警報対応ミス、患者死亡」、「心電図警報音放置、患者死亡」、このような新聞見出し、皆さんも一度は目にされたことがあると思います。モニターアラームのアクシデントはどの医療機関においても問題になっているのではないでしょうか。
 心電図モニターが設置されているスタッフステーションを想像してみてください。朝夕は多数の医師と看護師でスタッフステーションは騒々しく、アラーム音が聞き取りづらくなっています。それ以外の時間帯はいかがですか? 医師は外来、検査や手術などに追い立てられ、なかなか病棟にいる時間がありません。その結果、心電図モニター管理は看護師に押しつけられ、対応ミスも看護師の責任とされているのが実態です。さらに一般病床のICU 化と高齢化により、看護師は見守り、食事介助、排泄介助などでベッドサイドにつきっきりとなり、スタッフステーションにいる時間は少なくなってしまいました。アラームが鳴っていても鳴りっぱなし、患者が検査や徘徊で病棟外へ出て行っても気付かずにモニターには電波障害波形が漫然と表示されている現実があります。
 さて、そんな病棟で心電図モニターを有効に活用できているでしょうか。我々はこの危険な現状を打開するため、臨床工学技士、看護師がリーダーシップをとり、先行事例を参考にMACT (monitor alarm control team) を結成しました。モニター管理のマニュアル(装着基準、中止基準、アラーム設定など)を院内で統一し、モニター回診も始めました。ハード面ではマルチスレーブモニターを設置し、病棟の廊下にいればどこからでもモニター波形を確認できる環境を構築しました。さらにこの本のタイトルでもある「心電図教えてノート」を作成しました。看護師が判断に困った心電図波形を所定の用紙に添付すると、エキスパートナースがそれに回答し病院全体で情報を共有するためのツールです。その甲斐あって、我々は安全なモニター管理システムを手に入れました。是非、皆さんの病院でも我々のノウハウを参考にMACT 活動を始めていただきたいと思います。
 この著書を通じて、モニター事故がゼロになることを願っています。

2015年2月
さいたま市民医療センター内科診療部長
自治医科大学医学部学外教授
石田岳史

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はじめに

 「心電図」、「不整脈」。この単語にアレルギー反応を示す方は少なくないと思います。看護師をはじめ、多くのメディカルスタッフはできることなら避けて通りたいと思っているのではないでしょうか。意外と多くのスタッフが、スタッフステーションでなり続ける心電図モニターのアラームに対して、見て見ぬふりをしているのではないでしょうか。
 心電図モニターは手軽に使用できる極めて便利な医療機器であり、どの病院でも使用されているものです。しかし、波形の意味を理解せずに、不適切な方法で使用されている場面がとても多いようです。その原因は何なのでしょうか。そこには心電図そのものに対する苦手意識と、心電図モニター管理の統一ルールがないことが関与していると思います。私達も心電図アレルギー克服に苦労しました。いや、現在もアレルギーと戦っています。それゆえにわからない人の“ つぼ” を共感できると考えています。私達も臨床現場で働く看護師、臨床工学技士でありますので、「どうすれば心電図の苦手意識を取り除けるのか?」「どうすれば有効な心電図モニター管理ができるのか?」をみなさんの目線でアドバイスできると考えております。
 この「心電図教えてノート」は、看護師が分からなかった波形を所定の用紙に貼り、それに対して回答するという運用をしているノートを元にしています。使用されている波形は、実際に当院の「心電図教えてノート」に質問があったものです。波形の解説は筆者自身が心電図波形を理解するのに苦労していた時のことをイメージして、「どういう説明なら理解しやすいだろう。」ということを考えて回答したものになっています。また、安全な心電図モニター管理を院内で統一するためにはどのようなアプローチをすることが有効であるのかを、当院でのMACT 活動で得られた多くの情報をもとに紹介しています。心電図モニター管理に苦労している看護師や臨床工学技士、そのほかのメディカルスタッフにとって大いに参考になるものであると思います。
 本書が「心電図」「不整脈」に対する苦手意識を払拭し、安全な心電図モニター管理ができるきっかけになることを願っています。

2015年2月
さいたま市民医療センター
看護部主任
冨田晴樹
臨床工学科科長補佐
富永あや子

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もくじ

1.総論
 Section 1.心電図モニターにできること
 Section 2.心電図モニターの基本波形
 Section 3.心拍数の数え方
 Section 4.刺激伝導系
 Section 5.トレンドグラフの活用

2.MACT(モニターアラームコントロールチーム)
 Section 1.病院で取り組む心電図モニター管理の現状
 Section 2.モニターアラームコントロールチーム(MACT)による心電図モニター問題への取り組み
 Section 3.当院モニターアラームコントロールチーム(MACT)の成果
 Section 4.誘導変更方法
 Section 5.テクニカルアラームについて
 Section 6.モニター誘導法

3.診断
 はじめに 不整脈フローチャート
  1.心停止(cardiac arrest)
    1-1.心室頻拍(VT)
    1-2.心室細動(VF)
    1-3.心静止(asystole)
    1-4.無脈性電気活動(PEA)
  2.洞調律(サイナスリズム〔SR〕)
  3.洞性頻脈
  4.心室性期外収縮(PVC)
  5.心房性期外収縮(PAC)
  6.非伝導性心房性期外収縮(blocked PAC)
  7.心室内変行伝導
  8.多源性心房頻拍(MAT)
  9.心房細動(AF)
  10.心房粗動(AFL)
  11.発作性上室性頻拍(PSVT)
  12.洞不全症候群(SSS)
    12-1.洞性徐脈
    12-2.洞停止
    12-3.徐脈頻脈症候群
  13.房室ブロック
    13-1.I度房室ブロック
    13-2.II度房室ブロック
    13-3.III度房室ブロック(完全房室ブロック【complete AVB】)
  14.脚ブロック
  15.促進性心室固有調律(AIVR)
  16.補充収縮
  17.ペースメーカ
    17-1.AAIモードでの正常波形
    17-2.VVIモードでの正常波形
    17-3.DDDモードでの正常波形  
    17-4.ペーシング不全(pacing failure)
    17-5.アンダーセンシング
    17-6.オーバーセンシング
  18.ノイズ
  19.受信障害、電波障害
  20.ローボルテージ波形(低振幅波形)

さくいん

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執筆者一覧

石田岳史 さいたま市民医療センター内科診療部長,自治医科大学医学部学外教授 監修
冨田晴樹 さいたま市民医療センター看護部主任 
富永あや子 さいたま市民医療センター臨床工学科科長補佐 

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