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書籍詳細

てんかん診療 はじめの一歩

てんかん診療 はじめの一歩

―シンプル処方のすすめ

榎日出夫 著

A5判 200頁

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

ISBN978-4-498-22860-3

2016年05月発行

在庫あり

てんかんの臨床家を目指す若手医師に向けて,「子どものてんかん」をライフワークにする著者が,その診断・治療と日常管理に関する知識と考え方を,親しみやすい文体でわかりやすく解説します.医師は,やがて大人になる子どもたちが,社会に飛び立つ前に何をすべきでしょうか? その答えは,この本の中に.さあ,はじめの一歩を踏み出しましょう.

はじめに


 てんかんの本はたくさんあります。最近はわかりやすい解説書もあり、にぎやかになりましたね。この本は、これまでの類書とは、ずいぶん変わった作りになっています。てんかん症候群に関する教科書的な解説はあえて避け、てんかん診療の「ちょっとした考え方」をぎゅっと詰め込みました。てんかんをどのように扱っていけばよいのか。診断・治療・日常管理にかかわるチップスを盛り込み、教科書にはないニッチな領域を狙っています。実用書でもあり、医学エッセーでもあり。でも、学術書ではないことを、あらかじめお断りしておきます。この本は私の臨床経験をまとめたもので、エビデンスに基づく解説書ではありません。ひとりの臨床家のオピニオンとして、てんかんの「考え方」をお伝えするつもりです。
 以前、朝日新聞デジタルの医療ウェブサイト「アピタル」に「てんかん情報室」というコラムを連載しました(2012年12月〜2014年12月、全76編)。「アピタル」はインターネットではよく読まれる医療サイトで、読者層として一般の方を想定しておりました。ところが、結構、ドクターからの反響もあり、学会などで各地を訪れますと、「読んでますよ」と声をかけていただきました。ありがとうございます。この本は、その内容をふまえ、これからてんかん臨床を学ぶ若手の医師を想定して書き起こしたものです。「てんかん情報室」は語り口調の文体が好評でした。これに気をよくして、この本も口語調で綴ってみました。
 「てんかんはわかりにくい」、「とっつきにくい」。
 確かにその通り。わかりにくくて、とっつきにくい。これが研修医の率直な印象でしょう。簡単な目標ではありませんが、だからこそ、やりがいがあるのです。私はてんかん診療を自分のライフワークに選んで、本当に良かったと感じています。これからてんかん臨床の世界へ飛び込む若手のドクターを応援したい気持ちでいっぱいです。本書が、「よし、てんかんをやってみよう」と意欲を高めてくれるきっかけとなればと願っています。


2016年5月
榎 日出夫

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●著者略歴………………………………………………………
榎 日出夫(えのき ひでお)
聖隷浜松病院てんかんセンター長 兼 小児神経科部長
1961年 岡山市生まれ
1986年 岡山大学卒業
1990年 岡山大学大学院修了

◯岡山大学医学部小児神経科で故・大田原俊輔教授にてんかん学の指導を受ける。
◯東京大学大学院認知・言語神経学で神経心理学の研究に従事。
◯聖隷浜松病院で包括的てんかんセンターを立ち上げる。
◯小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医・指導医、頭痛専門医、漢方専門医、日本臨床神経生理学会認定医(脳波分野)、日本EMDR学会認定part 2トレーニング修了。
◯日本小児神経学会評議員、日本臨床神経生理学会代議員を務める。

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目 次


プロローグ 小児神経科医のお仕事

第1章 はじめの一歩の質問集
  1 治りますか?
  2 救急車呼びますか?
  3 発作のときどうしたらいい?
  4 どこが違うの? ひきつけ、けいれん、てんかん
    コラム Epiじゃなくて、けいれんでしょ
  5 発作のとき、口に何か入れますか?
  6 薬を飲むと治るんですか?
    コラム 過去・現在・未来の質問を受けて
第2章 てんかんは診断学が決め手
  1 てんかんは「ひとつの病気」ではない
  2 正しく分類できると、正しく治療できる
    コラム 遠くから受診される患者さん
  3 脳全体の発作か、脳の一部分の発作か
  4 「黙って坐ればぴたりと当たる」なんてことはない
  5 発作を観察しよう
    コラム 新米医師 お母さんたちの観察力に驚嘆
  6 てんかん発作は「陽性症状」を探せ
  7 発作型診断のピットフォール
  8 発作症候を時系列でとらえる
  9 「いつ」、「何をしているとき」発作は起きるか
  10 脳波は重要、されど過信せず
  11 見過ごされるてんかん発作
  12 初回の発作はてんかんか
  13 2回目の発作はいつ出現するのか
    コラム てんかんと頭痛
第3章 発作の増加要因は何か
  1 発作の誘発因子を知る
  2 よく眠るのも治療のうち
  3 テオフィリン関連けいれん
  4 抗ヒスタミン薬による誘発
    コラム 薬剤誘発 昔話では片づけられぬ
  5 抗てんかん薬による発作の増悪
  6 光刺激で誘発される発作
  7 胃腸炎で出現する発作
第4章 日常生活を指導する
  1 プールに入ってもいいですか
    コラム てんかんの消失
  2 暑い時期、汗は出てますか
  3 薬を吐いてしまったとき
    コラム てんかんの子どもの予防接種に慎重だった時代
  4 予防接種で発作は増えるか
    コラム Dravet先生に日本酒を勧めた夜
  5 予防接種は「注意」して実施
  6 子どもの細菌性髄膜炎が減っている
    コラム 「知らぬがゆえの不安」という障壁
第5章 シンプル処方でいこう
  1 シンプル処方で薬剤数を減らす
  2 シンプル処方のタイムリミットを考える
  3 シンプル処方の用量は十分に
  4 苦しまぎれの合理的併用
  5 やっかいな相互作用
    コラム 是非、この薬でお願いします
第6章 薬物治療のヒント
  1 初回発作で治療を開始するか
  2 新規抗てんかん薬を使いこなす
  3 新規抗てんかん薬の単剤治療
    コラム 薬の副作用が気になります
  4 薬疹は予測できるか
  5 抗てんかん薬による体重変化
  6 妊娠女性への抗てんかん薬治療
  7 妊娠女性へのバルプロ酸という悩ましき問題
  8 社会に飛び立つ前に「妊娠を予想した治療計画」を立てる
第7章 てんかん外科で完治を目指せ
  1 治療期間のタイムリミットを考える
  2 てんかん外科手術の適応
    コラム てんかん外科に慎重だった頃を自省する
  3 社会に飛び立つ前に発作を止めたい
  4 包括的てんかんセンターにおける小児神経科医の役割
  5 てんかんはチームで診療
    コラム 患者さんからの「フォロー」に応えたい

エピローグ 社会に飛び立つ前に治療方針を決める


索 引

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榎日出夫  著

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てんかん診療 はじめの一歩
   定価3,300円(本体3,000円 + 税)
   2016年05月発行
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