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書籍詳細

こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

青島周一  編著

A5判 322頁

定価(本体4,400円 + 税)

ISBN978-4-498-07922-9

2017年11月発行

在庫あり

近年はポリファーマシーに対する関心が高まりつつある一方、伝統的な医師-薬剤師関係が疑義照会・処方提案の妨げになっているという動かしがたい現実も確実に存在します。本書では、具体的にどうすれば薬剤師による処方提案がスムーズに実践できるのか、そのための方法論はどのようなものか、医師と薬剤師の信念対立解消の糸口はあるのか、といった内容について多数の事例をまじえながら解説しました。

編著者プロフィール


青島周一(あおしま しゅういち)

医療法人社団 徳仁会 中野病院
NPO法人AHEADMAP共同代表

2004年城西大学薬学部卒業.保険薬局勤務を経て,2012年10月より医療法人社団 徳仁会 中野病院勤務.2017年1月,NPO法人AHEADMAP共同代表.主な著書に『薬剤師のための医学論文の読み方・使い方(南江堂,2017,共著)』『ポリファーマシー解決! 虎の巻(日経BP社,2016,単著)』『薬剤師のための医学論文活用ガイド〜エビデンスを探して読んで行動するために必要なこと〜(中外医学社,2016,共著)』がある.

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 薬剤師が医師に対して行う処方提案とは,薬物療法における薬剤選択やその投与量,投与期間などについて,患者個別に最適と思われる情報を提供する行為であり,医師と薬剤師が連携して薬物治療を考えていくための1つのきっかけといってもよいだろう.

 しかしながら,実際の臨床現場において,多職種連携と呼ばれるものがうまく機能しているか,と問われれば案外そうでもないように思う.意識しているにせよ,そうでないにせよ,結局のところ,とりあえず穏便に済ます,というのが日常業務の実態ではないだろうか.とにかく表だって問題にならないように,できるだけ感情を抑え,相手を非難しないよう配慮しているうちに,真に大切な情報が共有されないことは決して少なくないように思う.逆に,徹底的に議論をしようとすれば,とても連携なんてできない状況に陥ってしまうことさえある.

 これには職種間のギャップというものが大きく影響しているように思う.立場によって薬剤効果や治療に対する関心が異なり,実際に行われている治療の動機や意味づけに大きな違いがあるのだ.つまるところ,処方内容に関する問題は,問題とする側の立場の問題だったりもする.それぞれの立場から治療を考えれば,どちらにも大きな誤りはなく,異なるのは立場の違いだけということは往々にしてあるはずだ.薬剤師による処方提案とはまさにそうした状況の中で行われるものである.

 正しい答えなどない,という状況の中で,どうすればよりよい処方提案につなげることができるのか.そんな疑問に悩む薬剤師も少なくないだろう.本書は,薬局,診療所,病院,また各専門領域それぞれの立場から,どのように薬物療法を考え,そしてどう医師と情報を共有し,実際の治療に反映させていくか,その具体的なプロセスや考え方を紹介している.本書を通じて,いまいち曖昧だった臨床における薬剤師の立ち位置が明確になるだろう.

 薬剤師による処方提案の方法論として,私はEBM(evidence—based medicine)の手法を活用しながら医師との連携を模索してきた.そして薬剤師によるEBMを私と共に悩みながらも継続的に実践してきた本書執筆者の1人,黄川田修平氏が2017年9月に急逝された.私にとっては,尊敬する薬剤師であり,よき理解者でいてくれ,そして大切な友人であった.本書が「薬剤師にとってEBMが当たり前になる未来を作る」という彼の想いに,少しでも貢献することができたら幸いである.

2017年10月
本書を故黄川田修平氏に捧ぐ

青島周一

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第1章 処方提案を行うための基本的な方法論
 1.薬剤師からみた薬物療法を取り巻く現状〈青島周一〉
  医師と薬剤師の連携におけるいくつかの問題点
  医師と薬剤師の視点の相違
 2.疑義照会と処方提案〈青島周一〉
  疑義照会のエビデンス
  疑義照会の経済的効果
  疑義照会を実施するための判断要素4分類
  個別化医療を実現するための“処方提案”
 3.処方提案を実践するための方法論(病態生理,臨床推論などの観点から)〈木村丈司〉
  病態生理と臨床推論について
  病態生理の知識と臨床推論を活用した薬剤師による処方提案〜具体例をもとに〜
  病態生理の知識や臨床推論を薬剤師が活用するにあたっての注意事項
 4.処方提案を実践するための方法論(薬理学,薬物動態学などの観点から)〈山本雄一郎〉
  薬理学とは
  薬物動態学とは
  薬力学とは
  高齢者は特殊患者集団
  処方医は何を指標に薬剤を選択しているのか
  薬理学・薬物動態学による処方介入のタイミング
  古典的な副作用の分類
  薬理学・薬物動態学の活躍の場
 5.処方提案を実践するための方法論(EBM実践の観点から)〈青島周一〉
  EBMに対する誤解から
  処方提案における薬剤師のEBM
  薬剤師のEBMに対する批判的意見とその応答
 6.医師と薬剤師の信念対立を解消するために〈京極 真〉
  目的
  チームワークの有効性
  薬剤師がチームワークに参加する意義
  チームワークの問題点
  信念対立解明アプローチ

第2章 ケースで学ぶ処方提案
 1.薬局薬剤師という立場での処方提案
  [総論]〈黄川田修平〉
  [ケース1]処方元とトラムセットの処方に関する約束事を交わした事例〈山本雄一郎〉
  [ケース2]クラリスロマイシンとの飲み合わせへの意識を医師に高めてもらえた事例〈山本雄一郎〉
  [ケース3]薬を中止することに対して不安を抱いている2型糖尿病患者〈山本雅洋〉
  [ケース4]抗菌薬が処方されているがそれを拒んだ急性上気道炎患者〈山本雅洋〉
  [ケース5]降圧薬服用中で症候性低血圧が疑われた症例〈黄川田修平〉
  [ケース6]DPP—4阻害薬による水疱性類天疱瘡が疑われた症例〈黄川田修平〉
  [ケース7]アトルバスタチンによる横紋筋融解症が疑われた症例〈黒田真生〉
  [ケース8]患者の服用感をもとに剤型変更になった症例〈黒田真生〉
 2.診療所薬剤師という立場での処方提案
  [総論]〈八田重雄〉
  [ケース1]継続的に再評価・検討を行った症例〈八田重雄〉
  [ケース2]認知症を発症した糖尿病患者〈八田重雄〉
 3.病院薬剤師という立場での処方提案
  [総論]〈木村丈司〉
  [ケース1]術後に傾眠,見当識障害が出現した症例〈木村丈司〉
  [ケース2]QT延長作用を有する薬剤の併用症例〈木村丈司〉
 4.抗菌薬の処方提案
  [総論]〈門村将太〉
  [ケース1]市中肺炎(CAP)〈門村将太〉
  [ケース2]カテーテル関連血流感染(CRBSI)〈門村将太〉
  [ケース3]意識障害,発熱,嘔吐で救急搬送され,敗血症性ショックとなった76歳女性
  〈浦上宗治,青木洋介〉
  [ケース4]セフェピム投与中も発熱が再燃した,急性骨髄性白血病に対する化学療法中の66歳男性
  〈浦上宗治,青木洋介〉
 5.腎機能低下患者の処方提案
  [総論]〈鈴木大介〉
  [ケース1]CKD患者の高尿酸血症への処方提案〈鈴木大介〉
  [ケース2]血液透析患者に新規でスタチンが処方されたら〈鈴木大介〉
 6.精神科疾患患者の処方提案
  [総論]〈桑原秀徳〉
  [ケース1]抗精神病薬の副作用が問題となった症例〈桑原秀徳〉
  [ケース2]多剤併用大量処方が問題となった症例〈桑原秀徳〉
 7.超高齢者患者における処方提案
  [総論]〈青島周一〉
  [ケース1]用法が複雑な多剤併用例〈青島周一〉
  [ケース2]ドネペジルによる徐脈が疑われた症例〈青島周一〉

第3章 医師の立場からみた処方提案
 1.総合病院医師の立場から薬剤師に期待する処方提案とは〈矢吹 拓〉
  そもそも処方提案とは?
  海外における処方提案〜米国を中心に〜
  日本でも認められる薬剤師の処方参画
  具体的な“処方提案の落としどころ”〜病院薬剤師編〜
  具体的な“処方提案の落としどころ”〜薬局薬剤師編〜
  処方提案を巡る“医師・薬剤師間の障壁”
 2.診療所医師の立場から薬剤師に期待する処方提案とは〈北 和也〉
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索引

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執筆者一覧

青島周一  医療法人社団徳仁会中野病院薬局 編著
木村丈司  神戸大学医学部附属病院薬剤部主任 
山本雄一郎 有限会社アップル薬局/熊本大学薬学部臨床教授 
京極 真  吉備国際大学保健医療福祉学部作業療法学科准教授 
黄川田修平 前有限会社つばさ薬局 
山本雅洋  株式会社ヤナセ薬局 
黒田真生  株式会社ファルマレガシィ代表取締役かわべ薬局薬局長 
八田重雄  医療法人社団家族の森多摩ファミリークリニック副院長・薬剤師 
門村将太  JCHO札幌北辰病院薬剤科 
浦上宗治  佐賀大学医学部附属病院感染制御部病院助教 
青木洋介  佐賀大学医学部国際医療学講座教授/佐賀大学医学部附属病院感染制御部部長 
鈴木大介  愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院薬剤部 
桑原秀徳  医療法人せのがわ瀬野川病院薬剤課 
矢吹 拓  国立病院機構栃木医療センター内科医長 
北 和也  医療法人やわらぎ会やわらぎクリニック副院長 

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