Annual Review Online
ログアウト中です。

トップページ内科学一般 > 総合内科 ただいま診断中!

書籍詳細

総合内科 ただいま診断中!

総合内科 ただいま診断中!

フレーム法で、もうコワくない

徳田安春 監修 / 森川 暢 著

A5判 354頁

定価(本体4,200円 + 税)

ISBN978-4-498-02078-8

2018年06月発行

在庫あり

“ただいま診断中!”シリーズの最新刊のテーマは、ずばり“総合内科”。内科初診外来のファーストタッチにおける主訴の考え方、解析、絞り込み、そして問診などの流れをフレーム法を利用して丁寧にわかりやすく解説。そして、実際に現場でよく出遭うコモンディジーズを挙げ、主訴の決定から診断に至るまでを、指導医のメガネ先生と研修医のピカピカ先生とのテンポの良い会話形式で学ぶことができるレジデント必読の入門書。

巻頭言

内科を英語で表すとインターナルメディスンまたは単にメディスンという。メディスンには薬という意味があるが、医学という意味もある。医学の中で最も基本的でコア部分が内科なのである。すなわち、全人医療をベースにしながら、成人での診断と治療を幅広く行うことができる診療科が本来の内科であった。しかし、近年における内科の臓器別細分化によって、内科という診療科がだんだん意味を持たなくなってきた。
そこで登場したのが総合内科である。日本型の総合内科医は入院診療のみならず、救急外来と集中治療、そして外来もカバーできる守備範囲の広い医師集団である。救急外来では小児患者や外傷患者をケアすることもあるので病院総合診療と呼んでも良い。最近注目されている日本型ホスピタリストである。
臨床医学の父であるウィリアム・オスラー先生の時代から、最も尊敬される医師像とは、診断困難なケースでの診断の追求を懸命に行う医師たちであった。総合内科または病院総合診療の医師は、世界中のメディアに時々取り上げられる題材にもなっている。アメリカではドクターハウスというテレビシリーズが人気があった。日本では、研修医とガチンコでディスカッションするドクターGのシリーズが有名である。
医学の中で最も基本的でコア部分を引き継いでいるのが総合内科や病院総合診療の医師集団であることから、これらの診療部門が充実していることが、初期研修医や内科・総合診療専攻医のトレーニングプログラムを充実させるのに不可欠である。総合内科の訓練目標を習得するためには総合内科医から直接指導を受けることが望ましい。しかし、日本の多くの病院では、総合内科部門または総合内科医が存在していないのが現状である。
そんな中、近年大変好評であるところの、ただいま診断中シリーズで、総合内科版が登場した。総合内科指導医と研修医のテンポの良い対話を通じて、総合内科の診断の醍醐味が楽しく学習できるようになっている。医学の中で最も基本的でコア部分をきちんと身に付けることが楽にできるとは嬉しい限りである。ただいま診断中シリーズは、これまで多くの新進気鋭の若手指導医を発掘し世の中にアピールさせるきっかけを与えてきた。本書の著者である森川医師も、情熱あふれる総合内科若手指導員のリーダー格であり、幅広い読者層から支持を得ていた。総合内科版の著者としてふさわしい書き手である。初期研修医や内科・総合診療専攻医だけでなく臨床実習に入る前の医学生のみなさんや、メディスンをもう一度勉強したいと考えるベテラン医師の方々にも本書をぜひ読んでいていただきたいと思う。

2018年4月吉日
徳田安春






総合内科の醍醐味として臨床推論がある。シャーロック・ホームズが推理で犯人を追い詰めるように、総合内科医は病歴と身体診察で鑑別疾患を絞り込む。奇しくもシャーロック・ホームズの著者であるアーサー・コナン・ドイルが医師であることは決して偶然ではない。シャーロック・ホームズが初めて、ジョン・H・ワトソンに出会った時、ワトソンが軍医であることをホームズはワトソンの容姿のみで推理した。病歴と身体診察のみで鮮やかに病気を診断することもまた同様なのである。しかし、学生や初期研修医が病歴と身体診察のみで病気を鮮やかに診断することは困難である。むしろ、ひとつの病気に当たりをつけようとすることは危険である。さらに、医師年数が経ったところで病歴と身体診察だけで鮮やかに診断できないことも多々ある。つまり泥臭く、網羅的に診断を考えることが臨床の現場では重要になってくる。しかし泥臭く考えようにも、指針がなければ考えようがない。医師3年目の時に、発熱を伴う嘔吐の患者をノロウイルス感染症として帰宅させたことがある。患者は実は、気腫性膀胱炎であった。幸いその後適切な治療がなされたが、何故見逃したのだろうとその時に考え、網羅的に考えることが見逃しを少なくするだろうという結論を得た。しかし個別の疾患を全て網羅的に考えることは出来ない。そこで、主訴別に枠組みをあらかじめ作っておいてそれに基づき考えれば、効率的に見逃しを少なく出来るのではと考えた。それがフレームワークである。当時医師3年目に初めて参加した関西若手医師フェデレーションでフレームワークについてレクチャーをさせていただく機会にも恵まれた。その後フレームワークを自分の中で洗練させていく過程でビジネスの世界でフレームワークが多用されていることを知り、考え方は間違ってないのだとより確証を得ることが出来た。つまりフレームワークこそが指針であったのだ。フレームワークにもとづいた臨床推論の講演を何度か行っているうちに、中外医学社から出版の話を頂き、今回の出版につながった。この本は、外来で内科診断をどのようにすればよいか戸惑っている研修医に向けて書いた。フレームワークを中心としつつ、どのように病歴聴取をすべきかを中心に総論とした。各症候におけるフレームワークとよく遭遇する症例のピットフォールを各論とした。また指導医が研修医に語るように会話形式の内容としている。皆様の助けになれば幸いである。
最後に本書の執筆にあたり、監修を引き受けていただいた徳田安春先生、後期研修医時代の恩師である上田剛士先生、東京城東病院総合診療科の同僚の皆、私の遅筆を温かく見守ってくださった編集部の宮崎様、そして家族の支えがなければこの本は完成しなかった。改めて感謝の言葉を申し上げたいと思う。羅針盤のない航海は難しい。本書が茫洋たる臨床の大海における羅針盤となることを切に願う。

2018年5月
JCHO東京城東病院 総合診療科
森川 暢

すべて見る

目次

1 総論
 1-1.主訴の決定
  まとめ
  解説
 1-2.主訴の解析
  Time course
  Onset
  Situation
  Severity
  痛みの解析
  TOSS+PQRのまとめ
 1-3.基本情報の把握
  患者背景
  既往歴
  内服薬
  喫煙歴
  飲酒歴
  アレルギー
  その他
  まとめ
 1-4.Think worst scenarioフレーム法
  まとめと補足
 1-5.追加問診 ROS
  まとめ
 1-6.1文サマリー
  ○1文サマリーについて
 1-7.問診の流れ
  問診の前に:バイタルサインおよび重症度の確認
   1)Open question
   2)主訴の決定
   3)主訴の解析
   4)基本情報の把握
   5)フレーム法+Think worst scenario法による鑑別の想起
   6)フレームに基づく追加問診(Review of Systems)
   7)1文サマリーの作成
 1-8.診断学総論 診察・検査へどうつなげるか
  解説

2 各論
 2-1.失神
  失神の前提
  心原性
  起立性低血圧
  脳血管性
  神経介在性
  その後
  まとめ
 2-2.胸痛
  肺・縦隔
  消化器(食道・胃・十二指腸、肝胆膵)
  皮膚・筋骨格系
   1)視覚的に異常を認める
   2)明らかな圧痛がある場合
   3)特定の動作で明らかな痛みが誘発される
  心・血管
   1)急性大動脈解離
   2)肺塞栓
   3)急性冠動脈症候群
  その後
  まとめ
 2-3.めまい
  前失神
   1)起立性
   2)心原性
  平衡障害
  頭位性めまいと持続性めまい
   1)持続性めまい
   2)頭位性めまい
  その後
  まとめ
 2-4.頭痛
  その後
  雷鳴様頭痛
  頭蓋内疾患
  頭蓋外疾患
   ■皮膚
   ■眼
   ■鼻
   ■耳
   ■血管
   ■神経
  全身性疾患
  機能性頭痛
 2-5.腹痛
  Killer abdominal pain
  若年女性の破れる病態
  若年者の捻れる病態について
  主に高齢者の破れる病態について
  主に高齢者の捻れる病態について
  胸部のフレームワーク
  皮膚・筋骨格系のフレームワーク
  代謝/内分泌性のフレームワーク
  腹部(腹膜炎、持続痛、蠕動痛)のフレームワーク
   1)腹膜炎
   2)虫垂炎
   3)骨盤内炎症性疾患
   4)持続痛
   5)蠕動痛
  その後
 2-6.咽頭痛について
  咽頭痛のThink worst scenario法
  Killer throat pain
  薬剤性
  心血管
  咽喉頭
   1)ウイルス性上気道炎
   2)細菌性扁桃腺炎
   3)伝染性単核球症
   4)STD
   5)非感染症
  甲状腺
  その後
 2-7.動悸
  不整脈
  洞性頻脈
   1)Tablet(薬剤性)
   2)Anemia(貧血、脱水)
   3)Chest(心臓、肺)
   4)Infection/Inflammation(感染症、炎症)
   5)Endocrine(内分泌・代謝)
  心因性
  その後
 2-8.腰痛
  筋骨格系腰痛のRed flag全般
  筋骨格系腰痛各論
   1)Fracture
   2)Autoimmune
   3)Compression
   4)Epidural abscess(infection)
   5)Tumor
  非筋骨格系の腰痛
  大血管
  子宮・卵巣
  消化管・肝胆膵
  腎臓
  皮膚
  その後
 2-9.急性下痢
  全身疾患
   1)その他の全身疾患に伴う下痢
   2)見逃してはいけない心窩部痛+下痢
  腸管外病変
  腸管内病変
   1)便色変化のない腸管内病変
  薬剤・栄養
  感染性腸炎
   1)院内発症
   2)市中発症
   3)毒素型
   4)小腸型
   5)大腸型
  その後
 2-10.発熱
  ・中枢神経
  ・頭頸部(副鼻腔・咽頭・中耳・歯・眼・甲状腺・唾液腺)
  ・気道
  ・心・血管(IE, 血管内カテーテル)
  ・肝・胆道系
  ・消化管
   1)腹膜炎
   2)蠕動痛
  ・尿路(前立腺含む)
   1)膀胱炎と腎盂腎炎
   2)前立腺炎
  ・生殖器
   1)男性の生殖器関連
   2)女性の生殖器関連
  ・骨・関節
  ・皮膚・軟部組織
   1)蜂窩織炎と蜂窩織炎に見誤られる疾患
   2)壊死性筋膜炎
  その後

あとがき

索引

コラム
 ADLとI-ADLについて
 コンサルトのフレームワーク
 起立性血圧試験
 失神の検査
 意識障害のフレームワーク
 急性片側性下腿浮腫
 全身性浮腫のフレームワーク
 めまいと眼
 神経学的診察
 耳石置換法
 Sudden onsetの頭痛
 クモ膜下出血における画像検査
 低髄液圧性頭痛
 便秘のフレームワーク
 腹膜炎のピットフォール
 扁桃周囲膿瘍を示唆する咽頭所見と頸部X線側面像の読み方
 患者さんの訴えに耳を傾けるということ
 薬剤性の動悸
 呼吸困難のフレームワーク
 肺エコーについて
 褐色細胞腫と甲状腺機能亢進症の鑑別
 脈の不整をみたら
 咳嗽のフレームワーク
 脊椎関節炎の種類と診断
 化膿性脊椎炎のMRI所見
 ショックのフレームワークについて
 免疫不全と感染性腸炎
 症状が絞りにくい感染症
 効果判定について
 関節炎のフレームワーク
 発熱+全身性皮疹の鑑別
 フレームワーク毎の代表的な市中感染の起因菌
 入院中の敗血症を見逃さない
 感染症診療の3つの軸について
 入院患者の発熱
 非感染症が原因の発熱

すべて見る

執筆者一覧

徳田安春 群星沖縄臨床研修センター長 監修
森川 暢 東京城東病院総合診療科 著

すべて見る

この商品に関連するキーワード

電子書籍で購入する

総合内科 ただいま診断中!
   定価4,536円(本体4,200円 + 税)
   2018年06月発行
(外部のサイトへとびます)
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • 動画閲覧
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方・使い方
  • 神経内科Clinical Questions
  • J-IDEO
  • Clinical Neuroscience
  • 中外医学社Facebook

中外医学社 公式Twitter

  • 中外医学社をフォローする
  • 中外医学社についてつぶやく

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722