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書籍詳細

心電図教えてノート 改訂2版

心電図教えてノート 改訂2版

−チームでモニター事故を予防する!−

石田岳史 監修 / 冨田晴樹 著 / 富永あや子 著

B5判 114頁

定価2,640円(本体2,400円 + 税)

ISBN978-4-498-07681-5

2020年02月発行

在庫あり

スタッフステーションでなり続ける心電図モニターのアラームに対して,聞こえない振りをした経験はないだろうか.本書は,そんな心電図アレルギーと戦ってきた著者らが結成したMACT(monitor alarm control team)のノウハウを凝縮し,好評を得た.改訂第2版はさらに技術に磨きがかかり,現場のリアルな疑問に答えたクリニカルクエスチョンも新たに追加.安全な心電図モニター管理へと導いてくれる,頼れる1冊だ.

改訂2版刊行にあたって

本書の初版が発行されてから、早くも5年が経過しました。臨床現場で働くスタッフの目線で心電図の本を作りたい、という思いで作った「心電図教えてノート」が、多くの皆様の手元に届いたことを大変嬉しく思っております。
5年前、本書を通じてモニター事故がゼロになることを願いながら初版を刊行しましたが、その後も残念ながら新たな事故報道がありました。
改訂2版では、当院での活動を元に「MACT活動」の部分を中心にブラッシュアップし、さらにメディカルスタッフが普段疑問に思うことを「CLINICAL QUESTION」としてまとめ、これを12例ほど付け加えました。すでにMACT活動に取り組んでいる施設、これから取り組もうとしている施設において、お役に立てる内容となっております。もちろん、モニター波形の参考書としても、これまで以上にご活用いただけるよう細かな改訂を加えて、より洗練された内容としました。
本書が、心電図への理解を深め、安全な心電図モニター管理の一助になることを願っています。

2020年2月
さいたま市民医療センター 看護部師長補佐
冨田晴樹
臨床工学科科長
富永あや子




はじめに

「心電図」、「不整脈」。この単語にアレルギー反応を示す方は少なくないと思います。看護師をはじめ、多くのメディカルスタッフはできることなら避けて通りたいと思っているのではないでしょうか。意外と多くのスタッフが、スタッフステーションでなり続ける心電図モニターのアラームに対して、見て見ぬふりをしているのではないでしょうか。
心電図モニターは手軽に使用できる極めて便利な医療機器であり、どの病院でも使用されているものです。しかし、波形の意味を理解せずに、不適切な方法で使用されている場面がとても多いようです。その原因は何なのでしょうか。そこには心電図そのものに対する苦手意識と、心電図モニター管理の統一ルールがないことが関与していると思います。私達も心電図アレルギー克服に苦労しました。いや、現在もアレルギーと戦っています。それゆえにわからない人の“つぼ”を共感できると考えています。私達も臨床現場で働く看護師、臨床工学技士でありますので、「どうすれば心電図の苦手意識を取り除けるのか?」「どうすれば有効な心電図モニター管理ができるのか?」をみなさんの目線でアドバイスできると考えております。
この「心電図教えてノート」は、看護師がわからなかった波形を所定の用紙に貼り、それに対して回答するという運用をしているノートを元にしています。使用されている波形は、実際に当院の「心電図教えてノート」に質問があったものです。波形の解説は筆者自身が心電図波形を理解するのに苦労していた時のことをイメージして、「どういう説明なら理解しやすいだろう。」ということを考えて回答したものになっています。また、安全な心電図モニター管理を院内で統一するためにはどのようなアプローチをすることが有効であるのかを、当院でのMACT活動で得られた多くの情報をもとに紹介しています。心電図モニター管理に苦労している看護師や臨床工学技士、そのほかのメディカルスタッフにとって大いに参考になるものであると思います。
本書が「心電図」「不整脈」に対する苦手意識を払拭し、安全な心電図モニター管理ができるきっかけになることを願っています。

2015年2月
さいたま市民医療センター 看護部主任
冨田晴樹
臨床工学科科長補佐
富永あや子




監修にあたって

「警報対応ミス、患者死亡」、「心電図警報音放置、患者死亡」、このような新聞見出し、皆さんも一度は目にされたことがあると思います。モニターアラームのアクシデントはどの医療機関においても問題になっているのではないでしょうか。
心電図モニターが設置されているスタッフステーションを想像してみてください。朝夕は多数の医師と看護師でスタッフステーションは騒々しく、アラーム音が聞き取りづらくなっています。それ以外の時間帯はいかがですか? 医師は外来、検査や手術などに追い立てられ、なかなか病棟にいる時間がありません。その結果、心電図モニター管理は看護師に押しつけられ、対応ミスも看護師の責任とされているのが実態です。さらに一般病床のICU化と高齢化により、看護師は見守り、食事介助、排泄介助などでベッドサイドにつきっきりになり、スタッフステーションにいる時間は少なくなってしまいました。アラームが鳴っていても鳴りっぱなし、患者が検査や徘徊で病棟外へ出て行っても気付かずにモニターには電波障害波形が漫然と表示されている現実があります。
さて、そんな病棟で心電図モニターを有効に活用できているでしょうか。我々はこの危険な現状を打開するため、臨床工学技士、看護師がリーダーシップをとり、先行事例を参考にMACT (monitor alarm control team)を結成しました。モニター管理のマニュアル(装着基準、中止基準、アラーム設定など)を院内で統一し、モニター回診も始めました。ハード面ではマルチスレーブモニターを設置し、病棟の廊下にいればどこからでもモニター波形を確認できる環境を構築しました。さらにこの本のタイトルでもある「心電図教えてノート」を作成しました。看護師が判断に困った心電図波形を所定の用紙に添付すると、エキスパートナースがそれに回答し病院全体で情報を共有するためのツールです。その甲斐あって、我々は安全なモニター管理システムを手に入れました。是非、皆さんの病院でも我々のノウハウを参考にMACT活動を始めていただきたいと思います。
この著書を通じて、モニター事故がゼロになることを願っています。

2015年2月
さいたま市民医療センター内科診療部長
自治医科大学医学部学外教授
石田岳史

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心電図教えてノート もくじ

1 総論
 Section 1.心電図モニターにできること
 Section 2.心電図モニターの基本波形
 Section 3.心拍数の数え方
 Section 4.刺激伝導系
 Section 5.トレンドグラフの活用

2 MACT(モニターアラームコントロールチーム)
 Section 1.病院で取り組む心電図モニター管理の現状
 Section 2.モニターアラームコントロールチーム(MACT)による心電図モニター問題への取り組み
 Section 3.当院モニターアラームコントロールチーム(MACT)の成果
 Section 4.誘導変更方法
 Section 5.テクニカルアラームについて
 Section 6.モニター誘導法
 Section 7.誘導変更、アラーム値設定のtips

3 診断
 はじめに 不整脈フローチャート
  1 心停止(cardiac arrest)
   1-1.心室頻拍(VT)
   1-2.心室細動(VF)
   1-3.心静止(asystole)
   1-4.無脈性電気活動(PEA)
  2 洞調律(サイナスリズム〔SR〕)
  3 洞性頻脈
  4 心室期外収縮(PVC)
  5 心房期外収縮(PAC)
  6 非伝導性心房期外収縮(blocked PAC)
  7 心室内変行伝導
  8 多源性心房頻拍(MAT)
  9 心房細動(AF)
  10 心房粗動(AFL)
  11 発作性上室頻拍(PSVT)
  12 洞不全症候群(SSS)
   12-1.洞性徐脈
   12-2.洞停止
   12-3.徐脈頻脈症候群
  13 房室ブロック
   13-1.I度房室ブロック
   13-2.II度房室ブロック
   13-3.III度房室ブロック(完全房室ブロック【complete AVB】)
  14 脚ブロック
  15 促進性心室固有調律(AIVR)
  16 補充収縮
  17 ペースメーカー
   17-1.AAIモードでの正常波形
   17-2.VVIモードでの正常波形
   17-3.DDDモードでの正常波形
   17-4.ペーシング不全(pacing failure)
   17-5.アンダーセンシング
   17-6.オーバーセンシング
  18 ノイズ
  19 受信障害、電波障害
  20 ローボルテージ波形(低振幅波形)

さくいん

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執筆者一覧

石田岳史 さいたま市民医療センター 副院長・自治医科大学医学部 学外教授 監修
冨田晴樹 さいたま市民医療センター 看護部師長補佐 著
富永あや子 さいたま市民医療センター 臨床工学科科長 著

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心電図教えてノート 改訂2版
   定価2,640円(本体2,400円 + 税)
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