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書籍詳細

メディカルスタッフのための精神医学

メディカルスタッフのための精神医学

谷岡哲也 編集 / 友竹正人 編集 / 安原由子 編集 / 大坂京子 編集

A5判 286頁

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-498-07698-3

2020年12月発行

在庫あり

医療系学生に必要とされる今日の精神医学の必須知識を凝縮し,平易に解説した新テキスト.看護師,理学療法士・作業療法士,精神保健福祉士,薬剤師の国家試験出題基準に基づいて,最新かつ必要な精神医学の知識を習得できるように構成している.また,最新の「ICD-11」にも準拠した.重要ポイントをおさえ適宜図表を織り交ぜた解説は,一読すればスッと頭に入っていく.実現場でのより良い医療にも繋がる,頼れる1冊だ.

序 文


 本書は,将来,看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・精神保健福祉士・薬剤師になる学生に必要とされる最新の精神医学の知識を各分野に精通した専門家が解説した新しいテキストです.編集方針としては,わかりやすく平易な文章にすることを心がけました.
 また,前述した専門職の国家試験出題基準を参考に構成しており,国家試験の受験に必要な精神医学の知識を過不足なく掲載しました.疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:「ICD-11」)にも準拠しています.
 精神科医療を取り巻く環境は日々変化しています.厚生労働省は2013年度より,地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき4大疾病(がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病)に精神疾患を加え5大疾病と定めました.また,頻発する自然災害後の心的外傷後ストレス障害,職場でのうつ病,高齢化に伴う認知症患者の増加,新型コロナウイルスによる不安やストレスなど,これらは身近で起こりうるものです.精神疾患は生涯にわたり治療が必要になる疾患ばかりではありません.症状の波はあっても服薬やリハビリテーションを続けながら地域社会で生活をすることが基本となります.
 精神疾患は誰にでも起こりうる疾患であり,決して差別や偏見を受けるものではなく,すべての医療福祉現場で働く人は正しい知識を持っていなければなりません.その意味でこの本は,医療福祉現場で働く方にとっても最新の知識を提供すると考えております.
 最後になりましたが,本書の出版にあたり,お忙しい中ご執筆いただきました先生方,および発行いただく中外医学社の方々に感謝の意を表し,序文とさせていただきます.

   2020年11月
    編集者一同

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目  次

I 精神医学とは〈大森哲郎〉
 1 精神疾患の頻度
 2 症状の特徴
 3 原因について
 4 精神医学の分類
 5 精神医療,精神医学の歴史
 6 精神医学・医療の最近の状況

II 精神症状
 1 精神症状〈住谷さつき〉
   1.客観症状と主観症状
   2.意識の障害
   3.記憶の障害
   4.知能の障害
   5.知覚の障害
   6.思考の障害
   7.自我意識の異常
   8.感情の障害
   9.意欲,行動の障害
   10.病識
   11.疎通性
 2 精神状態〈住谷さつき〉
 3 高次脳機能障害〈高瀬憲作〉
   1.高次脳機能障害
   2.大脳半球の優位性と側性化
   3.代表的な高次脳機能障害
   4.行政的な高次脳機能障害

III 診察と検査〈中瀧理仁〉
 1 脳と精神機能
   1.神経伝達物質
   2.学習
 2 精神医学的診察法
   1.診察の進め方
   2.面接
   3.精神的現症
   4.身体的現症
   5.診断と状態像の決定
 3 主な精神症状評価尺度
 4 血液検査
 5 生理検査
   1.脳波
   2.睡眠ポリグラフィー
   3.心電図
 6 画像検査
   1.CT
   2.MRI
   3.SPECT
   4.PET
 7 心理検査
   1.検査時の注意点
   2.種類

IV 治療
A 薬物療法〈沼田周助 大森哲郎〉
 1 薬物療法の意義と役割
   1.精神科治療学のなかの薬物療法
   2.薬物療法導入前の信頼関係樹立の必要性
   3.薬物療法の目的─症状改善と再発予防
   4.薬物療法の実際
   5.薬物の代謝
 2 向精神薬の分類
 3 抗精神病薬
   1.歴史
   2.種類と特徴
   3.適応疾患,適応症状
   4.副作用
   5.抗精神病薬の脳内での作用
 4 抗うつ薬
   1.歴史
   2.抗うつ薬の種類と特徴
   3.適応疾患,適応症状
   4.副作用
   5.薬理作用
 5 気分安定薬
   1.歴史
   2.気分安定薬の種類と特徴
   3.適応疾患,適応症状
   4.副作用
   5.薬理作用
 6 抗不安薬
   1.歴史
   2.抗不安薬の種類と特徴
   3.適応疾患,適応症状
   4.副作用
   5.薬理作用
 7 睡眠薬
   1.睡眠薬の種類と特徴
   2.副作用
 8 抗てんかん薬
   1.抗てんかん薬の種類と特徴
   2.適応疾患,適応症状
   3.副作用
 9 抗認知症薬

B 身体療法〈沼田周助〉
 1 電気けいれん療法
 2 反復経頭蓋磁気刺激療法

C 精神療法〈友竹正人〉
 1 心理的アプローチの分類
 2 病態レベルに応じたアプローチ
 3 主な精神療法

D 精神保健福祉および精神科リハビリテーション
 1 精神科救急医療と精神保健福祉法〈石元康仁〉
   1.精神科救急医療
   2.精神保健福祉法
 2 社会精神医学と地域精神保健福祉〈石元康仁〉
   1.精神保健について
   2.社会と精神医学
   3.精神疾患と精神障害
   4.精神保健の歴史
   5.わが国の地域精神保健福祉施策
 3 心理社会的治療とチームケア
   1.心理社会的治療〈片岡三佳〉
   2.安全な治療環境の提供〈片岡三佳〉
   3.チーム医療およびチームケア〈趙 岳人 後藤崇仁〉
 4 精神科リハビリテーションサービス〈趙 岳人 後藤崇仁〉
   1.精神科リハビリテーションとその歴史
   2.精神科リハビリテーションの目標
   3.精神の障害を抱えた人びとの生活困難の背景
   4.精神科リハビリテーションサービスの具体例
   5.社会復帰,社会参加への支援
   6.精神保健医療福祉に関する社会資源の活用と調整
 5 精神医療福祉とソーシャルサポート〈後藤崇仁 趙 岳人〉
   1.地域生活を支えるための法的根拠およびそのサポート資源の特徴

V 精神障害各論
A 器質性精神障害〈木下 誠〉
 1 器質性・症状性精神障害の原因
 2 器質性・症状性精神障害の症状
 3 器質性・症状性精神障害の治療
 4 主な器質性精神障害
 5 主な症状性精神障害

B 物質使用および嗜癖行動による障害〈吉田精次〉
 1 物質使用障害
   1.物質について
   2.用語の説明
 2 物質使用障害各論
 3 嗜癖行動障害
   1.ギャンブル障害
   2.ゲーム障害
 4 物質使用および嗜癖行動による障害の治療について

C 統合失調症と妄想性障害〈富永武男〉
 1 統合失調症
   1.症状
   2.診断
   3.検査
   4.病因
   5.治療
 2 妄想性障害

D 気分障害〈渡部真也〉
 1 病型
 2 症状
 3 病因
 4 診断
 5 治療
 6 経過・予後

E 神経症性障害〈亀岡尚美〉
 1 疾患概念
 2 発症機序
 3 防衛機制
 4 各論
   1.不安または恐怖関連症候群
   2.強迫症または関連症群
   3.ストレス関連症群
   4.解離症群
 5 治療
   1.薬物療法
   2.精神療法

F 生理的障害および身体要因に関連した行動症候群
 1 摂食障害〈友竹正人〉
   1.神経性やせ症
   2.神経性過食症
   3.むちゃ食い症(過食性障害)
   4.その他
 2 睡眠覚醒障害〈梅原英裕〉
 3 産褥に関連した精神障害〈梅原英裕〉

G 成人のパーソナリティおよび行動の障害
 1 特定のパーソナリティ障害〈友竹正人〉
   1.診断
   2.主なパーソナリティ障害
   3.治療
 2 性同一性障害〈中山 浩〉
   1.概念と対応の一般的原則
   2.児童期の対応

H てんかん〈森 健治 森 達夫〉
 1 てんかんの概念・定義
 2 てんかんの有病率,生涯有病率,発病率
 3 てんかんの分類
 4 主要なてんかん症候群
 5 てんかんにみられる精神症状
 6 てんかんの治療
 7 てんかん重積状態とその治療
 8 てんかんの予後

I 児童期の精神障害〈井崎ゆみ子〉
 1 児童期にみられる精神疾患群

J 神経認知障害〈數井裕光〉
 1 認知症の定義
 2 認知症疾患で認められやすい認知障害
 3 認知症の原因となる疾患

VI コンサルテーション・リエゾン精神医学〈大田将史〉
 1 概説
 2 コンサルテーション・リエゾン精神医学の例
 3 コンサルテーション・リエゾン精神医学の実施手順

VII 司法精神医学〈三船和史〉
 1 司法精神医学とは
 2 精神鑑定の種類
 3 刑事精神鑑定
 4 医療観察法と医療観察法鑑定
 5 成年後見制度と民事精神鑑定

VIII 精神障害の将来 遺伝と環境, 研究および治療の展望〈伊賀淳一 上野修一〉
 1 精神障害の遺伝について
 2 精神障害と環境
 3 遺伝と環境の関係について
 4 研究および治療の展望

索 引

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執筆者一覧

谷岡哲也 徳島大学教授 編集
友竹正人 徳島大学教授 編集
安原由子 徳島大学准教授 編集
大坂京子 高知大学教授 編集
大森哲郎 徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野教授 
住谷さつき 徳島大学キャンパスライフ健康支援センター教授 
高瀬憲作 大阪物療大学保健医療学部教授 
中瀧理仁 徳島大学病院精神科神経科講師 
沼田周助 徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野准教授 
石元康仁 徳島県精神保健福祉センター所長 
片岡三佳 三重大学大学院医学系研究科看護学専攻広域看護学領域精神看護学教授 
趙 岳人 藤田医科大学医学部精神神経科学准教授 
後藤崇仁 藤田医科大学病院精神科 
木下 誠 徳島大学病院精神科神経科 
吉田精次 藍里病院副院長,依存症研究所所長 
富永武男 徳島県精神保健福祉センター相談・地域支援担当主任 
渡部真也 鳴門シーガル病院副院長 
亀岡尚美 城南病院医員(精神科) 
梅原英裕 徳島大学病院精神科神経科 
中山 浩 川崎市こども家庭センター部長 
森 健治 徳島大学大学院医歯薬学研究部子どもの保健・看護学分野教授,徳島大学病院てんかんセンター長 
森 達夫 徳島大学大学院医歯薬学研究部小児科学分野 
井崎ゆみ子 徳島大学キャンパスライフ健康支援センター教授 
數井裕光 高知大学医学部神経精神科学講座教授 
大田将史 徳島大学病院精神科神経科 
三船和史 三船病院院長 
伊賀淳一 愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学准教授 
上野修一 愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学教授 

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