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書籍詳細

せん妄ハンドブック

せん妄ハンドブック

八田耕太郎 著

B6変形 78頁

定価1,760円(本体1,600円 + 税)

ISBN978-4-498-22932-7

2021年04月発行

在庫あり

一般病院入院患者に頻発するせん妄は,転倒骨折のリスクや身体疾患の重症度を上げ,その後の生命予後に関わることが明らかにされている。本書は,病棟で日常的にせん妄患者と相対する研修医,常勤精神科医のいない病院.精神科リエゾン活動が活発でない病院の一般臨床医を読者にせん妄臨床のノウハウをわかりやすく解説する.

緒言

 せん妄は,一般病院入院患者に頻発する精神疾患(精神状態)であり,転倒骨折のリスクを高め,身体疾患の重症度を上げ,その後の認知症発症やフレイルを促進し,生命予後に関わることが明らかにされている.そのため医療費を上昇させて社会資源への負担を増大させる.それにもかかわらず適応薬剤がないという,精神医学のみならず医学全般の立ち遅れた課題である.さらに,一般病院の1割程度にしか常勤精神科医が配置されていない現状,そしてその常勤精神科医の多くが外来に忙殺される実態は,せん妄臨床の充実を阻む要因といえる.しかし,高齢化が著しい現況において,せん妄はさらに増加することが自明な優先度の高い課題である.
 このような背景から,本書は,病棟で日常的にせん妄患者と相対する立場である研修医,常勤精神科医のいない病院の一般臨床医,精神科医がいても精神科リエゾン活動が活発でない病院の一般臨床医を読者に想定してせん妄臨床のノウハウを伝えようと思う.精神科医にとっても,せん妄の臨床は10年前とはかなり異なるためブラッシュアップに役立てばと思う.また,せん妄臨床のノウハウだけでなく医学としての面白みを伝えることができればと思う.
 なお,せん妄の薬物療法は適応外の内容が含まれるため,その自覚と患者・家族に説明できる知識・理論が求められる.本書の内容がそれに寄与できれば幸いである.また,本書の内容が必ずしもすべての患者に好ましい結果をもたらすわけではなく患者の個別性,主治医の裁量が優先されることは言うまでもない.本書の内容に関して,いかなる原因で生じた障害,損害に対しても著者は免責される.

2021年 春
八田耕太郎

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目 次

I.せん妄診療に必須の基礎知識

    1.せん妄の概念
    2.せん妄を惹起する病態
    3.神経科学的に推定される機序

II.診療

 1.診察前に得たい情報
    1.依頼理由
    2.患者あるいは家族の診察の諾否
    3.年齢・性別
    4.入院日
    5.入院理由
    6.手術の有無と手術日・その内容
    7.依頼理由となった症状の詳細
    8.既往歴・併存症
    9.糖尿病の有無,HbA1c
   10.飲酒習慣とその量・最終飲酒日時
   11.常用向精神薬
   12.投与中の薬剤
   13.キーパーソン・家族の特徴
   14.発症前の認知機能,自律性
   15.バイタルサイン,SpO2の推移
   16.摂食量の推移
   17.最新のCRPおよび前値との比較
   18.eGFR,CKDなら腎透析の有無
   19.QTc
   20.頭部MRI/CT
   21.脳波の基礎活動・突発活動
   22.脳脊髄液の細胞数・蛋白濃度
 2.診察
  2-1. 患者へのアプローチ
  2-2. 診察時に確認すべき項目
    1.注意の障害・変動
    2.言動異常を呈したことの記憶
    3.見当識:年月日・場所
    4.近時記憶
    5.睡眠,睡眠覚醒サイクル
    6.言動異常の内容
  2-3. 診察の流れ
  2-4. せん妄の診断
    1.診断基準
    2.せん妄の活動型
    3.鑑別診断
 3.パターン別の介入法
  3-1. せん妄リスクのある不眠
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-2. 夜間せん妄を呈した患者の次の夜の予防対策
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-3. 日中もせん妄が遷延する場合
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-4. 低活動型せん妄
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-5. アルコール離脱症候群
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-6. 脳卒中,頭部外傷,脳炎に引き続く通過症候群
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-7. 認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-8. パーキンソン病やレビー小体型認知症の幻覚・妄想
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-9. レム睡眠行動障害
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-10. むずむず脚症候群
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-11. 後天性免疫不全症候群(AIDS)
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
  3-12. せん妄リスクのない不眠
    1.指示・plan
    2.上記のエビデンス
 4.経過観察のポイント
 5.身体管理
 6.いつまで介入を続けるか

謝辞
文献
索引

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執筆者一覧

八田耕太郎 順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授/順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック科長 著

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