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書籍詳細

カラーアトラス末梢神経の病理 第2版

カラーアトラス末梢神経の病理 第2版

秋口一郎 監修 / 岡 伸幸 著 / 川崎照晃 著 / 竹内啓喜 著

B5判 160頁

定価8,360円(本体7,600円 + 税)

ISBN978-4-498-12875-0

2021年04月発行

在庫あり

神経内科専門医のために,末梢神経の病理のすべてをビジュアル的に解説した好評書,10年目の大改訂.広範な神経系の異常をわずかな標本から診断し,病理写真を読み解くために必要な知識と考え方を多数の写真とイラストを使って丁寧にまとめた.病理像の読み方だけではなく,生検の実際の処理法についても紹介し,的確かつ速やかな診療に役立つ.改訂2版は内容はより濃密に,しかしサイズはコンパクトに,利便性もアップした.

監修者略歴

秋口一郎

1970年 京都大学医学部卒業
1977年 京都大学老年科助手
1985年 京都大学神経内科講師
1991年 京都大学神経内科助教授
1993年 ウィーン大学神経研究所研究員
1995年 京都大学医学研究科臨床神経学助教授(〜2001)
2001年 康生会武田病院神経脳血管センター長(〜現在)
ウィーン大学神経研究所客員教授(〜2011)
2011年 京都光華女子大学健康科学部教授(〜2017)
2017年 京都認知症総合センター顧問・支援研究所長(〜現在)
京都大学医学部臨床教授

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監修者の言葉

 岡 伸幸先生による本書の初版は,2010年の出版以来,この領域の基準図書として一定の評価を得ているものと思います.今回の大幅な改訂では,現在,岡先生と共に末梢神経生検を担当している川崎照晃,竹内啓喜の両先生を新たに執筆者に加え,内容を最新のものとしました.中でも本書の一番の圧巻は4〜6章の正常所見,基本的病態,特異的所見の項目です.各論はともかく,総論に相当するこれらの基本所見を,わかりやすく全て自前の光顕・電顕所見で述べることができるのは,単一施設で蓄積された1,450例にも及ぶ症例観察の所産に他なりません.末梢神経生検は筋生検や皮膚生検と共に神経病理領域の一つの柱であり,臨床神経学の素養として重要です.昨今の遺伝学的解析,電気生理学的検査や神経超音波検査の進歩で,侵襲性である神経生検の数は減りつつありますが,電気生理所見に乏しい血管炎性・慢性炎症性,及び免疫異常による末梢神経障害では,診断治療に向けて神経生検が必要であると最近の論文でも繰り返し強調されています.

 “臨床研究の原点はベッドサイドの諸問題に端を発せなければならない.その意味で最もひとりひとりの,病める患者に貢献しうる領域は,病める分子の病因や病態に立脚した細胞病理・個体病理学であると思う.なぜなら,病理学は可視的なものや,個として機能しているものを対象とした学問であり,目の前に存在する個体の愛しさや悲しさの延長線上にある生老病死の直接的な根拠としての科学であるから.従って,今後も,たとえ十分な研究環境に恵まれなくても,我々はこのような臨床の要請に基づいた研究活動を続けなければならない”(京大神経内科神経病理グループ18年の歩み―2001年より).

 とは言うものの,岡先生も私も大それたことを求めているのではありません.自分のしてきたことを仲間と共に更に積み重ね,それを仲間に託したい.臨床神経病理も臨床神経学も,共に経験と技術の蓄積の中で研ぎ澄まされます.経験が生み出すアートを求めているのだと思います.
 この本が末梢神経に興味を持つ多くの研修医,脳神経内科医,臨床医の先生方に役立つものであることを願っております.

2021年 3月
秋口一郎
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第2版の序文として

 時代とともに侵襲的な検査は苦痛の少ないもので代用できるようになり,神経生検も適応が次第に限られてきたといわれる.しかし本書を見ていただくまでもなく,末梢神経疾患の知見は広がっており,決して神経生検の役割が減ってきたとは思えない.むしろ,生検の適応ありと考え,丁寧に説明したうえで同意される患者さんの中には,より診断に難渋する方が増えた感がある.
 2010年に第1版を出した時から,免疫性疾患をはじめとして各疾患の原因究明や治療法は進歩している.第1版は,カラー写真がきれいで類書がほぼ無かったこと,そしてありがたい書評もいただき,予想を超える売り上げがあった.脳神経内科の専門医試験の勉強にも利用されているという,うれしい評判もいただいた.それから10年が経過し,免疫性疾患や遺伝性疾患など,古くなった内容を一新したく思い,秋口一郎先生に相談して改訂版を出すことになった.共に仕事をしてきた二人の先生も著者に加えて,なるべくわかりやすく,病理所見にとどまらず病態の理解が少しでも深まるように書いた.少ない研究費と人員で何とかやってきた成果を盛り込んだ.コンパクトかつハンディにして若い方にもなじみやすいようにした.
 今回のパンデミックのように人間社会には予期しない大きなことが起こるものである.以前から選択と集中という政策のおかげでわれわれ末端研究者には本当に研究費が回ってこない,いやもっと困っているのは人文科学などの学徒だろうか.予期できないことに対処するためには,基礎研究に加えて幅広い分野で普段から専門家を育てておく必要があるとの転換があれば,少しは研究費が出るかなあ……やはり良い研究をしないといけないですね.

 今回も日ごろ貴重な患者さんをご紹介くださっている多くの施設の先生方から写真を使わせていただきました.心から感謝いたします.
 初版時から今日まで多数の電子顕微鏡写真撮影に尽力いただいた京都大学総合解剖センター,古田敬子,幸田晴康両氏の協力がなかったら本書は成立していない.
 初学時より大西晃生,祖父江 元,神田 隆の先生方には多くの原著論文を通して勉強させていただき,本書でも引用させていただいた.症例の診断や研究指針などでは,楠 進,早坂 清,高島 博,緒方英紀,小池春樹の先生をはじめ,多数の先生方にご教示いただき,心から感謝します.
 そして研究を一貫してサポートいただいている?橋良輔先生,さらに京都大原記念病院グループ,国立病院機構南京都病院にお礼を申し上げたい.
 さいごに,私たちの思い通りの書物を出すことを助けていただいた小川孝志,鈴木真美子,桑山亜也の三氏をはじめ中外医学社の皆様にお礼申し上げます.

2021年 3月
岡 伸幸

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目 次

第1章 診断へのアプローチ
   症状の特徴はどうか
   症状の分布
   解剖学的パターンはどうか? 軸索性か脱髄性か?
   発症様式は
   電気生理学的検査による鑑別
   診断の道筋と鑑別に役立つ検査
   随伴症状はどうか
   鑑別に役立つ検査
   周辺の疾患などについて

第2章 神経生検の有用性と適応
   どのようなときに神経生検を行うか
   神経生検の有用性 自検例から
   生検部位に病態が反映しているか

第3章 神経生検の手順
   どの神経で行うか
   準備
   腓腹神経生検の手術手技
   生検後の創傷のケア,後遺症
   組織の処理
   エポン標本の作製法
   ときほぐし線維法
   凍結切片のつくり方
   免疫染色
   処理過程で生じる人工産物(アーチファクト)
   何を観察するか
   皮膚生検
   神経筋の剖検

第4章 正常所見
   腓腹神経に至る経路
   腓腹神経の光顕像
   有髄線維の軸索と髄鞘
   G-ratio
   無髄神経
   Schwann細胞質
   ほか内鞘にあるもの
   血管系
   ルノーボディ(Renaut body)
   神経周膜
   年齢による変化

第5章 末梢神経系の基本的な病態
   神経細胞障害 neuronopathy
   有髄神経の変化
   軸索変性:Waller変性とdying-back axonopathy
   脱髄
   再髄鞘化
   軸索の再生
   Channelopathy

第6章 標本の見方と特異的な所見
   基本的な見方
   特異所見
   特異的とまではいえないが,診断に役立つ所見

第7章 血管炎性ニューロパチー
   血管炎診断における末梢神経生検の頻度と重要性
   末梢神経血管支配の特徴
   血管炎の一般的な生検病理所見
   ANCA関連血管炎
   非全身性血管炎性ニューロパチー(NSVN:non-systemic vasculitic neuropathy)
   クリオグロブリン血症に伴う血管炎
   リウマトイド血管炎
   全身性硬化症(強皮症)
   Sjögren症候群
   その他の血管炎
   Chronic idiopathic axonal polyneuropathy(CIAP)
   回復期
   術後炎症性ニューロパチー(Post-surgical inflammatory neuropathy)

第8章 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
   CIDPの分類
   典型的な神経生検像
   Ranvier絞輪,傍絞輪部蛋白に対する自己抗体を伴うphenotypeの発見
   CIDP診療での生検の位置づけ,生検をどう考えるか
   CIDPの細胞性免疫病理

第9章 免疫性ニューロパチー
   Guillain-Barré症候群(GBS)
   Acute autonomic and sensory neuropathy(AASN)
   多巣性運動ニューロパチー(multifocal motor neuropathy:MMN)

第10章 パラプロテイン血症に伴うニューロパチー
   パラプロテイン血症が関係する疾患の分類,特徴
   抗MAG(SGPG)抗体陽性ニューロパチー
   抗disialosyl-ganglioside抗体を伴った感覚失調性ニューロパチー
   Waldenströmʼs macroglobulinemia
   IgG-M蛋白血症を伴うCIDP(慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー)
   神経内鞘への免疫グロブリン沈着
   白血病,リンパ腫に伴うIgM-M蛋白血症
   クリオグロブリン血症

第11章 アミロイドニューロパチー
   TTR型FAP(家族性アミロイドポリニューロパチー)
   原発性ALアミロイドニューロパチー
   アミロイドーシスによる手根管症候群

第12章 POEMS症候群(Crow-Fukase(深瀬)症候群)

第13章 遺伝性ニューロパチー
   CMT1A
   CMT1B
   CMTX
   CMT2
   CMT3(Dejerine-Sottas症候群)
   CMT4
   HNPP(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー)
   形態的特徴からみた疾患
   Hereditary sensory and autonomic neuropathy(HSAN)
   CMTと炎症性ニューロパチーの合併

第14章 糖尿病性ニューロパチー

第15章 薬剤性,中毒性ニューロパチー
   薬剤性ニューロパチー
   化学療法と潜在的CMT
   中毒性ニューロパチー
   ビタミン欠乏性ニューロパチーとアルコール性ニューロパチー
   重症疾患ポリニューロパチー(critical illness polyneuropathy)
   尿毒症

第16章 腫瘍性疾患
   悪性リンパ腫
   成人T細胞白血病/リンパ腫に伴うニューロパチー
   傍腫瘍性神経症候群のニューロパチー
   神経周膜炎
   Neurofibromatosis(神経線維腫症)

第17章 サルコイドーシス

第18章 感染症
   Hansen病
   Lyme病
   HIV感染症
   HAM(HTLV-1 associated myelopathy)
   HCV
   重症疾患ポリニューロパチー(critical illness polyneuropathy)

第19章 先天性代謝異常疾患
   ライソゾーム病
   副腎脊髄ニューロパチー(adrenomyeloneuropathy)
   ミトコンドリア脳筋症
   脳腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis)
   Adult polyglucosan body disease
   Nasu-Hakola病(membranous lipodystrophy)
   ポルフィリア

第20章 神経変性疾患
   エオジン好性核内封入体病(NIID)
   筋萎縮性側索硬化症(ALS)
   球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung病)
   脊髄小脳変性症
   CADASIL

第21章 Small fiber neuropathyと皮膚生検

索引

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執筆者一覧

秋口一郎 康生会武田病院神経脳血管センター長 監修
岡 伸幸 京都近衛リハビリテーション病院院長 著
川崎照晃 京都認知症総合センタークリニック院長 著
竹内啓喜 国立病院機構南京都病院脳神経内科医長 著

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