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書籍詳細

脳血管内治療医のための経橈骨動脈治療テクニカルガイド

脳血管内治療医のための経橈骨動脈治療テクニカルガイド

400症例から学んだエッセンス

小山淳一 著 / 花岡吉亀 著

B5判 208頁

定価7,920円(本体7,200円 + 税)

ISBN978-4-498-32876-1

2021年11月発行

在庫あり

経橈骨動脈脳血管内治療(TRN)のパイオニアによる世界初の解説書.循環器領域で普及している経橈骨動脈アプローチを脳神経外科領域に適用することで穿刺部合併症などの負担を減らし,脳血管内治療の更なる低侵襲化が期待できる.本書では400例余りのTRNの経験から得た技術と知識を充実した症例に豊富な図とイラストで報告.TRNのネックである左総頚動脈へのカテーテル挿入困難の解決などについても解説している.

推薦のことば

 本書は,信州大学及びその関連病院において行われた経橈骨動脈脳血管内治療の経験が詰まった一冊である.すべての治療が,信州大学で脳神経外科技術と脳血管内治療技術を学んだ小山淳一先生と花岡吉亀先生によって施行されている.
 信州大学ではいち早く診断カテーテル検査のアプローチを経大腿動脈から経橈骨動脈へ変更した.経橈骨動脈アプローチの利点は,合併症が少なく早期離床が可能な点である.このため経大腿動脈と経橈骨動脈の両アプローチを経験した患者の経橈骨動脈アプローチへの満足度は高く,今後は経橈骨動脈アプローチが着実に普及すると考えている.現在,さらに末梢からの遠位橈骨動脈アプローチへと進化している.
 小山先生と花岡先生の仕事の中で特筆すべきものは,現状に満足しない治療機器や治療方法の開発である.従来の経橈骨動脈アプローチではアクセスが困難と思われる症例にも詳細に検討を加え,新たなカテーテル操作法を導入することで困難を克服してきた.これらの方法は,数々の欧文論文として発表され,進歩著しい脳血管内治療の領域で世界的に注目されている.
 経橈骨動脈アプローチの脳血管内治療のテクニックを詳細かつ明確に示した本書は小山先生と花岡先生の仕事の集大成であり,実践的価値が高く,今後の脳血管内治療の発展に大きく寄与するものと確信している.世界に先駆けて信州大学脳神経外科同門が本書を執筆したことを誠に意義深く誇りに思う.さらなる低侵襲治療を目指す脳血管内治療医及び脳卒中診療医にこの一冊を推薦する.

信州大学医学部医学科脳神経外科学教室
教授 堀内哲吉

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まえがき

 脳血管内治療医であれば経大腿動脈アプローチ(TFA)による脳血管内治療後に穿刺部合併症を経験したことがあるに違いない.穿刺部が血腫で腫脹するだけではない.腹腔内に出血し,血圧が低下し,輸血が必要になることがある.仮性動脈瘤を形成し血管外科に手術を依頼せざるをえないこともある.私はいずれも経験したことがある.
 2016年9月以前はTFAを第一選択として脳血管内治療を行ってきた.しかしTFAによる脳動脈瘤コイル塞栓術や頚動脈ステント留置術後に,頻度は低いものの大腿動脈穿刺部合併症が発生した.低侵襲であることが長所である脳血管内治療にもかかわらず穿刺部合併症は避けては通れないものである.細心の注意を払って術中の塞栓性合併症や出血性合併症を起こさないように努力しても,術後に穿刺部合併症が発生してしまうのは残念なことである.
 2016年4月に小林英一先生が開発したAxcelguide Stiff—J(メディキット)と出会い,森貴久先生が開発されたMSKguide(メディキット)を左総頚動脈に挿入する動画を拝見する幸運に恵まれた.これらの経上腕動脈アプローチ(TBA)用のガイディングシースを経橈骨動脈アプローチ(TRA)で使用すればTFAに伴う穿刺部合併症のリスクを減らせるのではないかと考えた.しかし,その当時,TRAによる脳血管内治療,つまり経橈骨動脈脳血管内治療(TRN)を解説する教科書や論文は渉猟しえた限りではなかった.TRAで6Fガイディングシースを総頚動脈に安全・確実に留置することは可能なのか? TRAで6Fガイディングシースを総頚動脈に留置できたとしても,TFAと同様に脳血管内治療が可能なのか? TRNは未知の領域であった.
 本書は400余例の経験から得たTRNを安全確実に完遂するために必要な技術と知識を中心に解説している.TRAは穿刺部合併症が少なく,患者さんの負担が少ないアプローチ法であることは間違いない.本書がすべての脳血管内治療医のTRNの習熟に貢献し,脳血管内治療の低侵襲性がさらに向上することを期待している.

2021年6月吉日
小山淳一

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目 次

   まえがき

chapter 1
  01 信州大学および関連病院での経橈骨動脈脳血管内治療(TRN)の経験
  02 橈骨動脈から鎖骨下動脈までの血管解剖
  03 大動脈弓の分類

chapter 2
  01 上肢の固定
  02 6F Axcelguide Stiff-J(メディキット)
  03 IVRワーキングテーブル(ミズホ)
  04 使用したコネクター

chapter 3
  01 橈骨動脈への4Fシース挿入法
  02 エコーガイド遠位橈骨動脈穿刺
  03 橈骨動脈から鎖骨下動脈までのバリエーションとアクセス時の注意点
  04 TRAにおけるカテーテル先端への回転トルクの伝わり方
  05 4Fシモンズ型診断カテーテルの大動脈弓における反転法
  06 4Fシモンズ型診断カテーテルによる血管選択・挿入法
  07 カテーテルシステムの表記法
  08 6Fガイディングシースの穿刺側鎖骨下動脈までの挿入方法(AESワイヤー交換法)
  09 総頚動脈への9つの挿入テクニック
  10 Stiff-Jの総頚動脈への挿入方法の選択
  11 総頚動脈に病変がある場合や外頚動脈が閉塞している場合のStiff-J挿入法
  12 頚部内頚動脈狭窄症で病変通過時の遠位塞栓が危惧される場合の対処法(近位閉塞法)
  13 Push-inによる右総頚動脈への6F Axcelguide Stiff-Jの留置が困難であった症例の特徴
  14 DAT/Pull-back適用困難な症例
  15 右総頚動脈と鎖骨下動脈が平行に走行する症例でのテクニック
  16 術前に大動脈弓の情報がない症例に対するTRN
  17 椎骨脳底動脈病変へのTRA
  18 橈骨動脈の血管攣縮により6F Stiff-Jの押し引きができなくなった場合の対処法

chapter 4
  01 TRAの止血法

chapter 5
  01 脳血管撮影,脳血管内治療のシミュレーショントレーニング
  02 Stiff-Jを用いたTRAのシミュレーショントレーニング

chapter 6
   症例集(TRNの60症例)の説明

 1 頚動脈狭窄症
  1-1 右TRAによる右頚動脈狭窄治療
   Case 1 症候性右頚動脈狭窄症
   Case 2 無症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 3 症候性右頚部内頚動脈狭窄症(COPD,局所麻酔)
   Case 4 無症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 5 症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 6 無症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 7 無症候性右頚部内頚動脈狭窄症
  1-2 右TRAによる左頚動脈狭窄治療
   Case 8 症候性左頚部内頚動脈狭窄症
   Case 9 無症候性左総頚動脈狭窄症
   Case 10 無症候性左頚部内頚動脈狭窄症
   Case 11 症候性左頚部内頚動脈狭窄症(急性期・血栓付着)
   Case 12 無症候性左頚部内頚動脈狭窄症
   Case 13 無症候性左頚部内頚動脈狭窄症
  1-3 左TRAによる頚動脈狭窄治療
   Case 14 症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 15 無症候性右頚部内頚動脈狭窄症,右外頚動脈狭窄症
   Case 16 症候性右頚部内頚動脈狭窄症
   Case 17 症候性左頚部内頚動脈狭窄症
   Case 18 症候性左頚部内頚動脈狭窄症

 2 内頚動脈瘤
  2-1 右TRAによる右内頚動脈瘤治療
   Case 19 未破裂右内頚動脈後交通動脈分岐部瘤
   Case 20 破裂右内頚動脈瘤
   Case 21 未破裂右傍前床突起部内頚動脈瘤
   Case 22 未破裂右内頚動脈後交通動脈分岐部瘤
   Case 23 未破裂右内頚動脈眼動脈分岐部瘤
   Case 24 症候性右海綿静脈洞部内頚動脈瘤
   Case 25 症候性右海綿静脈洞部内頚動脈瘤
  2-2 右TRAによる左内頚動脈瘤治療
   Case 26 破裂左内頚動脈後交通動脈分岐部瘤
   Case 27 未破裂左内頚動脈後交通動脈分岐部瘤
   Case 28 未破裂左内頚動脈瘤
   Case 29 未破裂左傍前床突起部内頚動脈瘤
   Case 30 症候性左内頚動脈瘤
   Case 31 未破裂左内頚動脈瘤
   Case 32 未破裂左内頚動脈瘤
   Case 33 未破裂左内頚動脈眼動脈分岐部瘤
   Case 34 症候性左海綿静脈洞部内頚動脈瘤
  2-3 左TRAによる内頚動脈瘤治療
   Case 35 未破裂右傍前床突起部内頚動脈瘤
   Case 36 未破裂右内頚動脈瘤

 3 前交通動脈瘤
  3-1 右TRAによる右CCA経由,前交通動脈瘤治療
   Case 37 未破裂前交通動脈瘤
   Case 38 未破裂前交通動脈瘤
   Case 39 未破裂前交通動脈瘤
  3-2 右TRAによる左CCA経由,前交通動脈瘤治療
   Case 40 未破裂前交通動脈瘤
   Case 41 未破裂前交通動脈瘤
   Case 42 未破裂左前交通動脈瘤
  3-3 左TRAによる前交通動脈瘤治療
   Case 43 未破裂前交通動脈瘤

 4 遠位部前大脳動脈瘤
  4-1 右TRAによる,右CCA経由,右遠位部前大脳動脈瘤治療
   Case 44 未破裂右遠位部前大脳動脈瘤
  4-2 右TRAによる,左CCA経由,左遠位部前大脳動脈瘤治療
   Case 45 未破裂左遠位部前大脳動脈瘤
  4-3 右TRAによる,左CCA経由,右遠位部前大脳動脈瘤治療
   Case 46 未破裂右遠位部前大脳動脈瘤
  4-4 右TRAによる,右CCA経由,左遠位部前大脳動脈瘤治療
   Case 47 破裂左遠位部前大脳動脈瘤

 5 中大脳動脈瘤
  5-1 右TRAによる右中大脳動脈瘤治療
   Case 48 未破裂右中大脳動脈瘤
  5-2 右TRAによる左中大脳動脈瘤治療
   Case 49 未破裂左中大脳動脈瘤

 6 脳底動脈瘤
  6-1 右TRAによる,右VA経由,脳底動脈瘤治療
   Case 50 未破裂脳底動脈末端部瘤
   Case 51 de novo未破裂脳底動脈末端部瘤
   Case 52 右脳底動脈上小脳動脈分岐部瘤
  6-2 左TRAによる,左VA経由,脳底動脈瘤治療
   Case 53 未破裂脳底動脈本幹部瘤
  6-3 右TRAによる,左VA経由,脳底動脈瘤治療
   Case 54 破裂左脳底動脈上小脳動脈分岐部瘤
  6-4 右TRA/左VA経由,左TRA/右VA経由,脳底動脈瘤治療
   Case 55 未破裂右脳底動脈上小脳動脈分岐部瘤

 7 頭蓋内内頚動脈狭窄症
  7-1 右TRAによる右頭蓋内内頚動脈狭窄治療
   Case 56 症候性右頭蓋内内頚動脈狭窄症
  7-2 右TRAによる左頭蓋内内頚動脈狭窄治療
   Case 57 症候性左頭蓋内内頚動脈狭窄症

 8 鎖骨下動脈狭窄症
  8-1 左TRAによる鎖骨下動脈狭窄治療
   Case 58 症候性左鎖骨下動脈狭窄

 9 脳塞栓症
  9-1 右TRAによる右中大脳動脈塞栓治療
   Case 59 心原性脳塞栓症 右中大脳動脈閉塞症
  9-2 右TRAによる左内頚動脈塞栓治療
   Case 60 左内頚動脈塞栓症

   あとがき
   謝 辞
   略語集
   使用機材の略語集
   索 引

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執筆者一覧

小山淳一 医療法人健成会小林脳神経外科病院脳血管内治療センター長・信州大学医学部附属病院特任准教授 著
花岡吉亀 信州大学医学部脳神経外科講師 著

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