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書籍詳細

抗菌薬の考え方,使い方 ver.5

抗菌薬の考え方,使い方 ver.5

コロナの時代の差異

岩田健太郎 著

A5判 586頁

定価4,400円(本体4,000円 + 税)

ISBN978-4-498-11718-1

2022年03月発行

在庫あり

未曾有のコロナ禍を経て,名著『抗菌薬の考え方,使い方』が装いも新たに登場!
各種抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬・抗結核薬・抗寄生虫薬の使い勝手をDr.岩田がジャッジしながら解説するというver.4までの構成を踏襲しつつ,変化し続ける抗菌薬のトレンドの変化もフォロー.抗菌薬の「本質」はどこにあるのか? 目の前の多様な患者に対してどのような根拠で何を目的に使うのか? をひたすら丁寧に解説します.

Ver.5のまえがき


 言うまでもないことですが,本書Ver. 5と前作Ver. 4の最大の違いは,コロナ前か,以後か,という点ですね.覚えていーますーかー♪ コロナの前のーじだーいー♫.
 けれども,コロナにみんなが注目している間に,抗菌薬の世界も大きく変化しています.多剤耐性グラム陰性菌対策の切り札,と目されていたコリスチン(ポリミキシン)はすでに「時代遅れの薬」扱いされています.その一方,緑膿菌には効くんだけど可もなく不可もなしで,どうも個性ねえなー,と格下扱いされていたアズトレオナムが耐性菌対策の真打ちレベルにまで下剋上していたりします.コロナに気を取られて勉強を怠っていると,まじで,時代に乗り遅れますぜ.
 とはいえ,本書はそういう世の中のトレンドに乗っかるだけの本ではありません.あくまでも「考え方」の本ですから,「コリスチン,格下げだってよ」みたいな豆知識(だけ)を提供したいわけではないのです.なぜ,そうなのか,を丁寧に......別名,ねちっこく......理路を示すのが本書の目的です.
 こういうときは,ああやっとけ.こういう「ハウツー」なアプローチは楽なんです.そして便利なんです.実際,このアプローチが有効な疾患も多いです.
 ま,典型的なのは COVID-19ですね.今(2022年2月)はオミクロンな第6波の真っ只中にあります.日本では臨床感染症のプロは希少種ですから(だれだ,奇行種って言ってる奴は.当たってるけど),こんな巨大なパンデミックにスタンドアローンで立ち向かえるわけがありません.というか,重症COVIDは9割がた集中治療の専門領域でケアする疾患ですから,「ECMOの使い方も知りませーん」な我々(少なくとも俺)では歯がたたないのです.
 というわけで,超大量の感染者に立ち向かうには大多数は自宅待機ー,相当数はホテル待機ーな公衆衛生な対策のみならず,軽症だったらゼビュ打って帰してください.
 みたいな「ハウツー(R) 」で,非専門家の皆様にアウトソーシングするしかないんです.このゼビュ(ゼビュディ(R),ソトロビマブ)が,少し前は「ロナ」(ロナプリーブ(R) ,本文 Bonus Track 参照)だったりするわけですが,「そこ」はあんまり気にしなくていい.アルゴリズムの「ロナ」が「ゼビュ」に変わるだけで,とりあえず,こういうときは,ああやっとけ,型で,「今日から私もコロナ医者」になれるわけです.そう,あなただって,今からだって.
 しかしながら,リアルワールドの患者さんは多様であり,型通りのパターン認識的な対応が通用するシーンはとても限定されています.実際には「こういうときは,どうすればよいのか ??」と悩みに悩むことも多いのです.いや,ちゃんと勉強して,考えている人ほど悩みは多いといってもよいでしょう. ぼくは『本質の感染症』(中外医学社)という本も書きましたが,本書は「本質の抗菌薬」と呼んでもよい存在です.抗菌薬の本質はどこにあり,目の前の多様な患者にどういう根拠で何を目指して使うのか?を丁寧に,ねちっこく考えるのです.考える,といってもそんなに巨大な頭脳を必要とするわけではありません.なにしろ,書いてる俺の頭脳がかなり残念な脳みそで,現在進行形で絶賛萎縮中ですから.「丁寧に考える」のに巨大な頭脳は要りません.必要なのは考えるのを止めないこと.みんな,途中で面倒くさくなって,考えるのをやめちゃうんです.
 コロナの時代になって,一部の医療現場で抗菌薬使用がとても雑になりました.ろくに培養も取らずにタゾピペー(R) ,メロペーン(R) ,と脊髄反射的に(頭脳を使わずに)出しています.面倒くさくなって,考えるのをやめちゃってる.怖いから考えたくないっ,つーのもあるとは思いますが.
 本書は怖くないので,ゆっくり丁寧に,端折らずに読んでください.すぐに読破しなくてもいいし,僕を論破しようと挑みかかってこなくてもよいです.お茶でもすすり,クッキーでもかじりながら 1 ページ,1 ページのんびり読んでいただければ大丈夫です.想定している読み手は,学生,看護師,薬剤師,臨床検査技師,研修医たちですが,シニアのドクターたちも読めばいろいろ発見があると信じています.僕らは死ぬまで勉強し続けることを義務付けられていますから(まじで),生涯学習のお供に本書を使っていただいてもとても嬉しいです.


2022年2月
岩田健太郎

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目 次

【1】学生,研修生のみなさんに,まずはここだけおさえとけば大丈夫,の10の掟
  おきて (1) 患者の重症度を把握しよう
  おきて (2) 必要な培養検査を採り,グラム染色を依頼しよう
  おきて (3) 血液培養の採り方を知ろう.カテ先培養は原則禁忌
  おきて (4) 腎機能をチェックしよう
  おきて (5)  使用中の薬は全部チェックしよう,検査は時系列でチェックしよう
  おきて (6) アセスメントを立てよう
  おきて (7) 最初は広域抗菌薬 培養結果を見てde-escalation
  おきて (8) 抗菌薬が効いてない,と思ったら抗菌薬を変えない
  おきて (9) 患者が良くなっているか,悪くなっているか,どちらでもないのか確認しよう
  おきて (10) 失敗症例から学ぼう

【2】感染症診断のコツ
  A 時間と空間

【3】空間と身体診察
  A リンパ節腫脹の考え方
  B 関節痛・関節炎の考え方
  C 皮疹の考え方
  D 陰性所見も大事

【4】グラム染色を活用しよう
  A まずPK から
  B Vd とタンパク結合能
  C PD とタイムキルカーブ,そして薬剤感受性
  D 殺菌か,静菌か

【5】臨床的微生物の理解の方法
  A Inoculum effect
  B Eagle effect

【6】コンタミとコロニーの違い

【7】臨床薬理学を考える

【8】Inoculum effect とイーグル効果

【9】ポストアンティビオティック エフェクト(PAE)

【10】シナジー効果

【11】時間依存性と濃度依存性
  A 濃度依存性の抗菌薬
  B 時間依存性の抗菌薬

【12】MICの縦読みにはご用心
  A MIC を気にしなければならない代表的な感染症
  B ブドウ球菌
  C その他

【13】βラクタマーゼ
  A ESBLs
  B Amp C βラクタマーゼ量が大事

【14】カルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)

【15】ビギナーとの違いがビビッ.抗菌薬の使い方が上手になる中級編の10 のステップ
  ステップ (1) ESBL 産生菌にはセフメタゾールを使おう
  ステップ (2) 抗菌薬の終わり方をイメージしよう
  ステップ (3) 経口第三世代セフェムを使うのは止めよう
  ステップ (4) 治療効果判定のためのグラム染色
  ステップ (5) エスカレーションをマスターしよう
  ステップ (6) 患者のパラメーターに齟齬が生じたときの対応法を学ぼう
  ステップ (7) 抗菌薬が「効いてない」ときの対応法を学ぼう
  ステップ (8) エコノミカルな抗菌薬を選ぼう
  ステップ (9) ローカルファクターを活用しよう
  ステップ (10) 最良の抗菌薬を選ぼう.モナドロジーのすすめ

【16】抗菌薬の「変え方」

【17】治療期間の問題

【18】ペニシリン すべての基本はここにあり
  A ペニシリンの作用とは?
  B ペニシリンの薬理作用
  C おそるべし,βラクタマーゼ
  D ペニシリンの分類を試みる
  E ペニシリンG(点滴薬)の使い方
  F  ペニシリンG が第一選択となりやすい病原体(マニアックなもの含む)
  G 筋注用ペニシリン(特にbenzathine penicillin について)
  H ペニシリン系抗菌薬の副作用
  I アミノペニシリン
  J 緑膿菌に効果のあるペニシリン
  K βラクタマーゼに対抗する

【19】セファロスポリン ほとんど誤用されてます(涙).正しく使えば強力な武器!
  A セファロスポリンの魔
  B セファロスポリンの基礎
  C 黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に使えるセファロスポリン
  D 肺炎球菌,尿路感染を狙うセファロスポリン
  E 第3 のグループ,セファマイシン(セフメタゾール)
  F 第4 のセファロスポリン ─ 緑膿菌をたたけ!
  G 胆道移行性? セフォペラゾン・スルバクタムの立ち位置とは

【20】カルバペネム・アズトレオナム
  A カルバペネム
  B アズトレオナム ─ 副作用の少ないアミノグリコシド?

【21】スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)
  A ST 合剤とは
  B サルファ剤の副作用
  C ST 合剤に対する耐性のメカニズム
  D 尿路感染
  E 呼吸器感染
  F 皮膚軟部組織感染症(SSTI)
  G その他のグラム陰性菌感染症
  H ST 合剤とHIV 感染
  I ウィップル病
  J 類鼻疽

【22】ダプソン

【23】キノロン系抗菌薬 ─ フルオロキノロン
  A フルオロキノロンの構造と作用
  B フルオロキノロンの使い方
  C フルオロキノロンの絞り込みを試みる
  D Trovan(R) の栄光と失墜

【24】マクロライド系抗菌薬
  A マクロライド
  B クリンダマイシン

【25】グリコペプチドとリポペプチド,その他の抗MRSA薬
  A バンコマイシン
  B テイコプラニン
  C ダプトマイシン
  D リネゾリド
  E テジゾリド
  F キヌプリスチン─ダルフォプリスチン
  G Oritavancin
  H Delafloxacin
  I Telavancin
  J Lefamulin

【26】ムピロシン

【27】アミノグリコシド
  A アミノグリコシドの薬理学
  B アミノグリコシドの使い方
  C アミノグリコシドと毒性

【28】テトラサイクリン

【29】チゲサイクリン

【30】クロラムフェニコール

【31】メトロニダゾール
  A メトロニダゾール
  B チニダゾール(チニダゾール「F」)

【32】ホスホマイシン・コリスチン
  A ホスホマイシン
  B コリスチン(ポリミキシン)
  C リファキシミン

【33】抗真菌薬
  A アゾール
  B アムホテリシンB
  C エキノカンディン
  D フルシトシン
  E テルビナフィン
  F Isavuconazole

【34】抗ウイルス薬
  A 抗インフルエンザ薬どう使うかは,悩ましい
  B サイトメガロウイルス治療薬
  C 単純ヘルペスウイルス・帯状疱疹ウイルス感染症の薬
  D 肝炎ウイルスの治療薬

【35】抗結核薬
  A さて,前置きはこのくらいにして本題に入りましょう
  B ファーストラインの抗結核薬
  C セカンドラインの抗結核薬
  D 困った合併症

【36】寄生虫の治療薬
  A マラリア
  B 赤痢アメーバ
  C ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)
  D クリプトスポリジウム症
  E サイクロスポラ,イソスポラ症
  F  アフリカトリパノソーマ症,アメリカトリパノソーマ症,リーシュマニア症
  G 自由生活アメーバ症
  H 吸虫症
  I 条虫症
  J エキノコッカス症
  K 回虫症
  L 鉤虫症
  M 鞭虫症
  N 蟯虫症
  O 旋毛虫症
  P 糞線虫症
  Q 顎口虫症
  R フィラリア症
  S トキソプラズマ症
  T 疥癬

【37】ひとつギアを上げた,抗菌薬の考え方,使い方
  A 出てる菌全部カバーするの?
  B Blaz 陰性でde-escalation できるか
  C グラム陰性菌のIE?
  D キーワードをつなげても物語はできない

【38】新型コロナウイルス感染の治療

【BonusTruck1】MALDI-TOF,マルチプレックスPCR,そして新型コロナの時代の抗菌薬の考え方,使い方
  A 抗体療法と感染症
  B COVID-19 に対する抗体療法
  C その将来性と懸念材料

【BonusTruck2】新型コロナウイルスと抗体カクテル療法
  A 抗体療法と感染症
  B COVID-19に対する抗体療法
  C その将来性と懸念材料

  おわりに
  索引

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執筆者一覧

岩田健太郎 神戸大学微生物感染症学講座感染治療学教授 著

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