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書籍詳細

解剖学イラスト事典 第4版

解剖学イラスト事典 第4版

松村讓兒 著

A5判 526頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-00039-1

2023年08月発行

在庫あり

わかりやすいイラストを満載した解剖事典の決定版が,12年振りに大改訂.

わかりやすいイラストを満載した解剖事典の決定版が,12年振りに改訂.文章とイラストを一から見直し,より見やすく,より覚えやすくバージョンアップした.紛らわしい解剖用語を一目で理解できるよう整理.気になる部位から読んでも,最初から順番に通読しても,どちらでも楽しく学べるように工夫している.暗記に役立つ関節・筋の一覧表や人名用語,記憶術などの付録も充実.解剖学の入門書として最適な1冊である

改訂にあたって

 本書を手に取ってくださった皆様! 本書は「解剖学は暗記しなければならない用語が多すぎる!」という絶望的状況に悩んでいる方に,少しでも希望を与えられればと思い,「解剖学用語という砂漠のオアシス」をめざし,「解剖学用語」を勝手に選んで編纂した事典です.「どこが事典?」とのご意見もあると思いますが,学生時代に「わからん」と感じた用語を集めたメモ帳と思って頂ければ幸いです.
 本書は,22年前,「日本一読みやすい解剖学事典!」をめざし,昼間も寝ずに準備して作成したものです.日頃,解剖学用語は「憶える」のではなく「理解する」のだと豪語していましたが,それを具現化する機会を中外医学社からいただき,調子にのった次第です.
 書き始めた当初は,「事典=簡潔かつ正確に定義された用語集」という鉄則に気づきませんでした.表記を勝手に変えることもならず,独りよがりな解釈を記すことも許されません.「オアシス」どころか「泥沼」にはまった気分の中,イラストの描画と説明文の執筆という孤独な作業を続ける羽目になりました.もっとも頭を痛めたのは漢字表記と読みの決定です.領域で異なる「医学用語」,「読み方」,「英語表記」などは本当に手を焼きました.本書が出版に漕ぎ着けられたことは「奇跡」そのものといわなければなりません.
 さらに,誰もが「売れない」と断言していた本書が,20余年に亘って生きながらえてきたのも「驚き」です.出版社の販売努力の成果か,それなりに使い道があったのか,それとも誤って購入してしまった方が多かったのか.いずれにしても,本書をご購入頂いた皆様には衷心より感謝申し上げます.(願わくは,本書が書店の事典コーナーに置かれることを夢見ておりますが……)
 今回の改訂にあたり,多くの皆様にお世話になりました.とくに,定年後も教室の一部屋を「執筆とイラスト作成の場」として使わせて頂いただけでなく,多くのご教示を頂いた,杏林大学医学部肉眼解剖学教室の長瀬美樹教授や教室員の皆様,無謀な出版と改訂を決断してくださった中外医学社企画部の小川孝志氏,同編集部の沖田英治氏には改めて御礼申し上げます.

2023年5月
松村讓兒

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はじめに

 医療従事者をめざす人たちは「解剖学はとにかくたくさんの用語を憶える科目」と思っているようだ.そして,解剖学の授業が始まるとともに「訳の分からない解剖用語」が「津波のように押し寄せてくる」と感じるという.その結果,たくさんの人が「解剖用語の海」の中で溺れてしまうらしい.このまま行けば,今,この本を手にとっているあなたも「解剖用語の海に漂うモクズ」となってしまうかもしれない.
 本書は,すでに溺れてしまった人も含め,「解剖用語の海」を泳ぐための手助けになるように,との願いを込めて作られた「解剖学事典」である.また「事典」としてばかりはでなく,見開き読み切り形式の「解剖学入門書」としても使えるよう,かつて「解剖用語の海で溺れかけた著者」が「ワラをもつかむ」気持でアレンジした.パラパラと気楽にめくりながら「クイズ」のつもりで読んで頂ければ本書の利用価値は倍増し,確信を持って「ワラよりずっと役に立つ」と断言できる.
 この本は,これまでに献体された多くの方々から頂いた「無言の教え」や,学生から寄せられた「数々の不平や文句」があればこそできたものである.改めて感謝の意を捧げたい.
 また,原稿作成中の平成12年度実習に亡父の遺体が供され,学生とともに解剖を行うことができた.これにより,いくつかの記載を確かめることができたことは望外の喜びであった.
 本書を書き上げるにあたっては,多くの方々にご教示・ご協力を賜った.とくに小林靖助教授をはじめとする杏林大学医学部第一解剖の方々には,ある時は尻を叩かれ,ある時は頭を叩かれながら「檄」を飛ばして頂いた.また,出版にあたっては中外医学社企画部の小川孝志氏,編集部の久保田恭史氏にお骨折り頂いた.この場をお借りして厚く御礼申し上げる.
 末筆ながら,本書を購入された方には著者として最大の感謝を捧げたい.そして,もし不十分な記載や誤まりについてお気づきの点があれば,是非ともお知らせ頂き,ともに「解剖用語の海」を泳いで行きたいと願っている.

2001年1月
松村讓兒

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目 次

第1部 人体構造の概観

I.人体の区分と構成
  人体の区分と記載
  細胞について
  組織・器官・器官系

II.発生
  受精と初期発生
  胚子期と胎児期
  胚葉の分化
  妊娠について
  胎膜(卵膜)
  胎盤の構造と役割

III.骨格系
  骨について
  骨組織について
  骨の連結
  全身の関節
  関節運動
  骨の発生
  長骨の骨化と成長
  骨折について

IV.筋系
  筋について
  骨格筋について
  鰓弓筋について
  筋の補助装置
  骨格筋の収縮

V.神経系
  神経系について
  神経系の構成
  軸索とシナプス
  神経叢について
  自律神経系
  腸神経系

VI.循環系
  心血管系
  血管の構造としくみ
  胎児の血管系
  薬の循環と静脈系
  リンパ管系
  血液について
  血液やリンパの細胞をつくる器官

VII.内臓系
  内臓について

VIII.皮膚・感覚器系
  皮膚について
  感覚と感覚器

第2部 上肢

I.上肢の骨と関節
  上肢帯とその連結
  肩関節複合体
  腕の骨
  肘関節と前腕
  手の骨
  手の骨の連結

II.上肢の筋
  上肢帯の筋
  肩関節に働く筋
  肘関節に働く筋
  手首や指を曲げる前腕の筋
  手首や指を伸ばす前腕の筋
  母指と小指の筋
  手のひらの中央の筋

III.上肢の脈管
  上肢の動脈
  上肢の静脈
  上肢のリンパ管系

IV.上肢の神経
  腕神経叢について
  肩周辺の筋の支配神経
  上肢の代表的神経
  上肢の皮膚感覚
  上肢の神経絞扼障害

第3部 下肢

I.下肢の骨と関節
  寛骨について
  股関節と大腿骨
  膝関節と脚の骨
  足首と足の骨
  足の骨の連結

II.下肢の筋
  下肢帯の筋(1)
  下肢帯の筋(2): 回旋筋群
  太ももの筋
  足首に働く筋
  足の底屈・外反・内反に働く筋
  下腿コンパートメントについて
  足根管と伸筋支帯
  足の筋

III.下肢の脈管
  下肢の動脈
  下肢の静脈
  下肢のリンパ管系

IV.下肢の神経
  腰神経叢について
  仙骨神経叢について
  下腿と足の神経
  下肢の皮膚感覚
  下肢の神経障害

第4部 背部

I.背部の骨と連結
  脊柱について
  椎骨について
  椎骨の連結

II.背部の筋
  背筋の区分
  背骨を動かす筋
  首を動かす筋

第5部 胸部

I.胸壁の構造
  胸郭について
  胸壁の筋
  横隔膜と呼吸筋
  呼吸機能
  乳房と乳腺
  胸壁の血管と神経
  胸壁のリンパ管系

II.胸腔の臓器
  食道について
  気管と気管支
  肺の外形
  肺の内部構造
  肺区域と肺野
  胸膜
  心臓の位置と形
  心臓内部:心房内の構造
  心臓内部:心室内の構造
  心臓壁と心膜
  刺激伝導系
  心拍動と心音
  心臓の血管と神経
  冠動脈造影をみる
  心臓の発生
  縦隔について

III.胸腔の脈管・神経
  胸腔の動脈
  胸腔の静脈
  胸部臓器のリンパ系
  胸腔の神経

第6部 腹部

I.腹壁の構造
  腹壁の筋
  腹壁の脈管と神経

II.腹腔の臓器
  胃について
  胃の中の様子
  小腸
  大腸
  直腸と肛門
  肛門付近の血管と神経
  腸管の基本構造
  肝臓の外形
  肝臓周辺の腹膜構造
  肝臓の内部
  肝臓の静脈系
  胆嚢と胆道
  膵臓
  脾臓
  腹腔と腹膜腔
  消化器の発生
  腎臓の外形
  腎臓の内部構造
  腎臓の血管
  尿路
  副腎

III.腹腔の脈管・神経
  腹腔の動脈
  腹腔の静脈
  肝門脈系とは
  腹部のリンパ系
  腹部の神経

第7部 骨盤部

I.骨盤
  骨盤の構造
  骨盤計測

II.骨盤臓器と骨盤底
  膀胱と尿道
  男性生殖器
  女性生殖器
  子宮・卵巣の支持装置
  外陰部
  会陰と骨盤底
  会陰の神経支配

III.骨盤部の脈管・神経
  骨盤部の動脈
  骨盤部のリンパ系
  骨盤部の神経

第8部 頭頚部

I.頭部の骨と連結
  頭蓋について
  頭蓋腔内外を結ぶ連絡路
  頭蓋骨の連結

II.頭頚部の筋
  顔面筋;表情筋
  顎関節と咀嚼筋
  前頚部の筋
  頚部の三角

III.頭頚部の器官
  鰓性器官
  眼瞼と涙腺
  眼球の構造
  網膜について
  眼球の運動
  両眼運動のしくみ
  耳について
  鼻について
  口について
  舌と唾液腺
  咽頭
  嚥下に働く筋
  喉頭のはなし
  甲状腺と副甲状腺

IV.頭頚部の脈管・神経
  頭頚部の動脈
  頭頚部の静脈
  頭頚部のリンパ系
  頭頚部の神経
  脳神経について
  脳神経の区分
  顔の感覚

第9部 中枢神経系

I.脳
  脳の区分
  髄膜について
  脳室と髄液
  脳に分布する動脈
  大脳内の動脈分布
  脳の静脈と硬膜静脈洞
  終脳について
  大脳皮質の外形
  大脳皮質の機能分担
  連合野について
  大脳基底核のはなし
  基底核の線維連絡
  間脳のはなし
  脳幹というもの
  中脳・橋・延髄
  脳幹反射
  小脳
  小脳のはたらき

II.脊髄
  脊髄のかたち
  脊髄の内部
  脊髄反射
  脊髄の髄膜と血管

III.伝導路
  伝導路について
  下行性伝導路
  運動路の調節系
  上行性伝導路
  特殊感覚の伝導路(1)
  特殊感覚の伝導路(2)

付録

・人名のついた用語(アイウエオ順)

・関節・筋のまとめ
  関節分類のまとめ(1)
  関節分類のまとめ(2)
  眼球の運動に働く筋のまとめ
  顎関節に働く筋のまとめ
  環椎後頭関節・環軸関節に働く筋のまとめ
  喉頭・舌骨の運動に働く筋のまとめ
  脊柱の運動に働く筋(固有背筋ほか)のまとめ
  会陰の筋のまとめ
  骨盤の筋(骨盤隔膜)のまとめ
  肩甲骨を動かす筋のまとめ
  肩関節に働く筋のまとめ
  肘関節に働く筋のまとめ
  上・下橈尺関節に働く筋のまとめ
  手関節に働く筋のまとめ
  中手指節関節(MP関節)に働く筋のまとめ
  手の指節間関節(IP関節)に働く筋のまとめ
  母指手根中手関節(CT関節)に働く筋のまとめ
  母指中手指節関節(MP関節)に働く筋のまとめ
  母指指節間関節(IP関節)に働く筋のまとめ
  股関節に働く筋のまとめ
  膝関節に働く筋のまとめ
  足関節(距腿関節)に働く筋のまとめ
  足根間関節に働く筋のまとめ
  足指(趾)の運動に働く筋のまとめ
  足の趾節間関節(IP関節)に働く筋のまとめ

・記憶術
  骨の記憶術
  筋の記憶術
  循環系の記憶術
  内臓の記憶術
  神経系の記憶術

  日本語索引
  外国語索引

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執筆者一覧

松村讓兒 杏林大学医学部客員教授 著

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解剖学イラスト事典 第4版
   定価4,180円(本体3,800円 + 税)
   2023年08月発行
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