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書籍詳細

消化管治療薬の考えかた,使いかた

消化管治療薬の考えかた,使いかた

松本吏弘 著

A5判 150頁

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

ISBN978-4-498-14054-7

2023年11月発行

在庫あり

最新のガイドラインに準拠した消化管の8つの疾患の診療と薬の使い方を1冊で!

数ある消化管疾患のガイドラインをかみ砕いてまとめた消化器科医だけでなくプライマリケアやクリニック,研修医にも役立つ必携書!
疾患概要・鑑別と診断から,処方量や薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策まで必須知識を網羅.
逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症,消化性潰瘍,機能性ディスペプシア,慢性便秘症,感染性腸炎,潰瘍性大腸炎,クローン病,過敏性腸症候群がこの1冊で!

【著者略歴】
松 本 吏 弘(まつもと さとひろ)
自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科 准教授

1999年 自治医科大学卒業
1999年 国立病院機構長崎医療センター 初期研修
2001年 上対馬病院内科(長崎県の離島医療に従事)
2002年 自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科 後期研修
2003年 上五島病院内科(長崎県の離島医療に従事)
2008年 自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科
2018年より現職

主な資格
・医学博士(自治医科大学)
・日本内科学会(総合内科専門医・内科指導医)
・日本消化器病学会(消化器病専門医・指導医)
・日本消化器内視鏡学会(消化器内視鏡専門医・指導医)
・日本消化器がん検診学会(認定医)

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 さかのぼること2年前,2021年7月に1通のメールが届いた.内容は,消化器内科疾患の薬物療法に関する新たな書籍の執筆依頼であった.「なぜ私に?」まさに青天の霹靂である.リモート面談で執筆か編集かの2択を提示され,とりあえずいったん持ち帰ることとした.引き受けることはすでに決めていたが,初執筆というハードルが高く感じられ不安があった.しかし,執筆期間は2年くらいと聞き気持ちが吹っ切れ,初執筆に挑戦する覚悟を決め,面談から3日後に“Yes”と回答した.それから2年が経過し,ようやく本書が完成した.
 本書はタイトルのごとく,「消化管治療薬の考えかた,使いかた」をコンセプトとしたいわゆる薬の本である.しかし,本書は「薬の本にして薬の本にあらず」,筆者自身が使いやすい本を目指した.例えば,IBD患者に対して生物学的製剤を導入する際に,HBs抗原が陽性であったとする.次にどうするのか記憶があいまいな時にはガイドラインを調べることになるが,これはこれで若干面倒である.本書はこのようなシチュエーションでも対応できるように,まさにかゆいところにも手が届くような工夫を凝らしてある.
 現在の医療現場では,さまざまな分野および疾患の診療ガイドラインに沿った診療が要求される.しかし,消化器内科1つをとってみても専門領域の細分化が進んでおり,知識を常にアップデートし続けることは容易ではない.今回本書で取り上げた消化管疾患すべてにおいてガイドラインが存在する.しかし,これらすべてのガイドラインを熟知することはおろか,ピンポイントで確認することさえもなかなか容易ではない(著者の私見).本書はそれぞれのガイドラインのポイントをおさえてあり,かつ1冊にまとめてあるのが強みである.
 繰り返しになるが,基本的に本書は「薬の本」である.しかし,単なる薬の本と侮ることなかれ.消化管診療において役立つ情報が満載である.消化器内科医だけでなく,一般内科医,プライマリケア医,薬剤師ならびに消化器疾患に興味をお持ちの幅広い読者の方々にも広く読んでいただきたいと考えている.消化管疾患それぞれの分野の最新のガイドラインに準拠していることから,これ1冊で読者の知識のアップデートになること間違いなし! となれば幸いである.
 最後に本書を上梓するにあたり,終始丁寧なご指導をいただいた中外医学社の上岡里織氏ならびに校正および制作をご担当いただいた沖田英治氏にこの場を借りて御礼申し上げます.
 
2023年10月
松本吏弘

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目 次



1 逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

  A)自己記入式アンケート

  B)PPIテスト・P-CABテスト

  C)24時間食道pHモニタリング,食道インピーダンス・pH検査

  D)上部内視鏡検査

 3.治療内容

  A)生活習慣指導

  B)NERD

  C)軽症逆流性食道炎

  D)重症逆流性食道炎

 4.薬の選び方・使い方

  A)プロトンポンプ阻害薬(PPI),カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB

  B)セロトニン(5-HT4)受容体作動薬

  C)漢方薬

  D)コリンエステラーゼ阻害薬(アコチアミド

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)PPI長期服用によるビタミンB12欠乏

  B)食道腺癌

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)SSBEはフォローすべきか

  B)PPIの長期投与に伴う胃粘膜変化

  C)好酸球性食道炎



2 消化性潰瘍

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

 3.治療内容

  A)出血症例

  B)穿孔症例

  C)薬物治療

 4.薬の選び方・使い方

  A)プロトンポンプ阻害薬(PPI),カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB

  B)H. pylori除菌治療

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)シタフロキサシン

  B)輸血療法の適応と実施

  C)抗血栓薬服用中の出血性潰瘍に対する休薬

  D)H. pylori除菌判定

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)A型胃炎

  B)PPIによる胃癌発症のリスク



3 機能性ディスペプシア

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

  A)警告徴候(アラームサイン

  B)H. pylori感染の有無

  C)膵機能異常

  D)上部内視鏡検査

 3.治療内容

  A)前段階

  B)一次治療

  C)二次治療

 4.薬の選び方・使い方

  A)プロトンポンプ阻害薬(PPI),カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB

  B)ヒスタミンH2受容体拮抗薬

  C)コリンエステラーゼ阻害薬(アコチアミド

  D)セロトニン(5-HT4)受容体作動薬

  E)ドパミンD2受容体拮抗薬(メトクロプラミド,ドンペリドン,スルピリド,イトプリド

  F)漢方薬

  G)抗うつ薬・抗不安薬

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)ドパミンD2受容体拮抗薬

  B)抗うつ薬

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)治療抵抗性FD

 B)MUS(medically unexplained symptoms



4 慢性便秘症

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

  A)一次性便秘症

  B)二次性便秘症

  C)症状による分類

 3.治療内容

  A)食事・栄養指導

  B)薬物治療

  C)便排出障害に対する治療

    ●バイオフィードバック療法

    ●直腸瘤に対する手術

    ●直腸重積に対する手術

 4.薬の選び方・使い方

  A)酸化マグネシウム

  B)ポリエチレングリコール(モビコールⓇ

  C)ラクツロース(ラグノスⓇ NF経口ゼリー

  D)ルビプロストン(アミティーザⓇ

  E)リナクロチド(リンゼスⓇ

  F)エロビキシバット(グーフィスⓇ

  G)センノシド(センノサイドⓇ,プルセニドⓇ

  H)ピコスルファートナトリウム(ラキソベロンⓇ

  I)ポリカルボフィルカルシウム(コロネルⓇ,ポリフルⓇ

  J)モサプリド(ガスモチンⓇ

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)刺激性下剤に対する依存

  B)下剤の長期投与による副作用

  C)大腸メラノーシスによる影響

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)アラームサイン

  B)便秘症と大腸癌発生リスクの関連性

  C)便移植療法の現状



5 腸管感染症

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

  A)季節との関係

  B)原因食品

  C)海外渡航歴

  D)基礎疾患

  E)生活環境・性行動

 3.治療内容

  A)細菌性腸炎

  B)ウイルス性腸炎

  C)寄生虫感染症

 4.薬の選び方・使い方(*保険適用注意

  A)エンピリックセラピー

  B)カンピロバクター腸炎

  C)サルモネラ腸炎

  D)病原性大腸菌

  E)腸管出血性大腸菌

  F)腸チフス/パラチフス

  G)細菌性赤痢

  H)コレラ

  I)赤痢アメーバ腸炎

  J)ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症

  K)ビブリオ腸炎

  L)ウェルシュ菌

  M)プレジオモナス/エロモナス/エルシニア腸炎(重症例

  N)サイトメガロウイルス腸炎

  O)ヒト腸管スピロヘータ

  P)クラミジア直腸炎

  Q)クロストリディオイデス・ディフィシル腸炎

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)抗生物質起因性出血性大腸炎

  B)薬剤耐性について

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)届け出感染症



6 潰瘍性大腸炎

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

 3.治療内容

  A)直腸炎型

  B)左側大腸炎型・全大腸炎型

 4.薬の選び方・使い方

  A)メサラジン

  B)ステロイド剤経口もしくは点滴静注

  C)生物学的製剤およびJAK阻害薬

   ●インフリキシマブ

   ●アダリムマブ

   ●ゴリムマブ

   ●ウステキヌマブ

   ●ベドリズマブ

   ●トファシチニブ

   ●フィルゴチニブ

   ●ウパダシチニブ

   ●ミリキズマブ

   ●カロテグラストメチル

  D)免疫調節薬

  E)タクロリムス,シクロスポリン

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)メサラジンアレルギー,不耐

  B)免疫調節薬による副作用,合併症

  C)B型肝炎ウイルス感染者

  D)結核

  E)EBウイルス

  F)ニューモシスチス肺炎

  G)ワクチン接種

  H)妊娠

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)ペンタサⓇ注腸

  B)ペンタサⓇ顆粒製剤による脱感作療法

  C)生物学的製剤の離脱

  D)チオプリン製剤の離脱



7 クローン病

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

 3.治療内容

  A)寛解導入療法

  B)寛解維持療法

 4.薬の選び方・使い方

  A)メサラジン

  B)ステロイド剤経口もしくは点滴静注

  C)免疫調節薬

  D)生物学的製剤およびJAK阻害薬

   ●インフリキシマブ

   ●アダリムマブ

   ●ウステキヌマブ

   ●ベドリズマブ

   ●リサンキズマブ

   ●ウパダシチニブ

  E)経腸栄養療法

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)抗TNFα抗体製剤起因性ループス

  B)逆説的乾癬(paradoxical psoriasis

  C)免疫調節薬による副作用,合併症

  D)B型肝炎ウイルス感染者

  E)結核

  F)EBウイルス

  G)ニューモシスチス肺炎

  H)ワクチン接種

  I)妊娠

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)クローン病の上部消化管病変

  B)担癌患者

  C)チオプリン製剤の離脱

  D)生物学的製剤の離脱について



8 過敏性腸症候群

 1.疾患の概要

 2.鑑別疾患

  A)警告症状・徴候

  B)危険因子の除外

  C)通常臨床検査異常

  D)大腸検査

 3.治療内容

  A)第1段階

  B)第2段階

  C)第3段階

 4.薬の選び方・使い方

  A)ポリカルボフィルカルシウム

  B)トリメブチンマレイン酸

  C)プロバイオティクス

  D)セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬

  E)抗うつ薬

  F)抗不安薬

  G)漢方薬

  H)抗アレルギー薬

  I)便秘型IBSに対する治療

 5.薬剤の副作用,相互作用,合併症,その対策

  A)炎症性腸疾患に合併したIBS

 6.治療のコツ,最新の知見

  A)小腸内細菌異常増殖(SIBO

  B)リーキーガット症候群

  C)FODMAP



事項索引

薬剤索引

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松本吏弘 自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科 准教授 著

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