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書籍詳細

極めるマルチスライスCT

極めるマルチスライスCT

山下康行 編著

B5判 234頁

定価(本体6,000円 + 税)

ISBN978-4-498-01336-0

2001年05月発行

在庫あり

マルチスライスCTの導入は,画像診断に大きな変化をもたらしつつある.
マルチスライスCTの基礎から臨床までを図と写真を豊富に盛り込んで解説した新しいテキストブック.
読影に必要となる原理について詳述するとともに,各臓器ごとの撮像プロトコール,読影のポイントをわかりやすくまとめた.画像診断に携わるスタッフ必携の書.

推薦の言葉
 21世紀の初頭で最も注目されている放射線医学の技術の一つに,Multidetector Helical CT(マルチスライスCT)がある.ヘリカルCT(シングルスライスヘリカルCT)は,1989年にKalenderによって開発され,その有用性の故に急速に臨床に広がったCT技術である.最も大きな利点は,(1)高分解能の画像が得られること,(2)短時間撮像が可能なこと,(3)広い領域の撮像が行えること等である.Multidetector Helical CTは,1998年から臨床に広がってきたが,ヘリカルCTの有用性を更に増強してきたと言えよう.Multidetector Helical CTを応用することにより,上に述べた3つのヘリカルCTの特長の他に,心電図同期画像,脳機能画像,CT透視,三次元高分解能画像,CT血管造影等,その有用性のために臨床応用が急速に広がってきた.
 Multidetector Helical CTは,最近その有用性が認識され,急速に臨床に用いられようとしているが,現在は試行錯誤trials and errors的に臨床応用がなされ,まだ最も適切な撮像法,実施法,造影剤の使い方,適応などについては意見の一致をみていないところが少なくない.今回の著書も,編者の山下講師が序で述べているように,臨床評価を下すにはまだ時期が早いが,混乱を整理していく必要があり,このような観点から本書の出版を急いだとある.従って本書には,数々のデータや方法が掲載されているが,これから整理され,最も適切な方法がスタンダードとなっていくと考えられる.
 本書は,本領域で最も活躍している山下講師らが,著者らの経験と文献的考察をもとに著わしたものであり,これから本領域に携わろうとする医師,放射線技師らの手引きないしはガイドラインとなることを確信している.本書を Multidetector Helical CT の診療に携わる人々に広く推薦したいと思う.今後本書の内容等がもとになって,統一した考えや見解が生まれ,日常診療にMultidetector Helical CTが広く活用されていくことを希望している.

2001年3月吉日
熊本大学放射線科教授 高橋睦正

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はじめに
 これまでのヘリカルCTの検出器は体軸方向に1列しか存在しなかったが1本のビームに対して複数の検出器でデータを採取するマルチスライスCTが出現し,放射線診断領域は新しい時代を迎えつつある.マルチスライスCTによって高速かつ高分解能の画像収集が可能となり,CTの能力は一気に数倍向上した.しかし,その一方で臨床の現場では如何にマルチスライスCTを使っていくかという新たな問題を生じた.
 熊本大学医学部附属病院に2台のマルチスライスCTが導入され,おおよそ2年となる.本書はマルチスライスCTを如何に使うかということに対して筆者らのグループがこの間,試行錯誤を繰り返して取り組んできた一つの成果である.また我々臨床家でカバーできない基礎理論についてはシーメンスの佐藤夏子氏,大阪大学医学部附属病院放射線部 山本修司氏に御願いした.また心臓の領域は広島大学 中西 正氏並びにDr. Ohnesorge (Siemens),脳のperfusion CTはRuhr大学のDr. Koenigの手によるものである.企画の当初はハンドブック的なコンパクトな本にしようと考えていたが,各領域の筆者が持てる知識を存分に発揮していただいたため非常に内容の濃いものになった.各筆者には出来るだけ解りやすいものにして欲しいと御願いしたが,多少難しい点もあるかもしれない.しかし,各章読み切りであるので読み飛ばしていただいても結構であろう.また本書ではマルチスライスCTに焦点を絞ったためヘリカルCTの基礎的な事項については大部分省略した.そちらの方は拙著「わかるヘリカルCT」(メディカルサイエンスインターナショナル)を参考にしていただきたい.マルチスライスCTは現在も日々進歩をしており,その臨床的評価を下すには時期尚早であるかとは思う.しかし,臨床の混乱を多少でも整理できればと考え出版を急いだ.そのため,発展途上であり,十分に煮詰まっていない内容や訂正すべき点も多々あると思われる.読者らの忌憚無き意見を仰ぎたい.
 最後に筆者にこのような執筆の機会を与えていただいた高橋睦正教授,各章を担当していただいた筆者の先生方,三次元画像作成に携わってくれた大学院学生の中山義晴,門田正貴君ならびに本学の臨床各科の先生方に心より感謝いたします.また筆者らの無理な願いを快く聞き入れ,出版に尽力していただいた中外医学社の小川孝志氏にお礼を申し上げます.

2001年3月
熊本大学放射線科 山下康行

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目 次

第1章 CTの誕生からマルチスライスCTへ〈佐藤夏子 山下康行〉
 A CTの誕生
 B CTスキャナの世代と走査ジオメトリ
 C 撮像方式(スキャンスキーム)
  1. ヘリカルスキャンスキーム
  2. マルチディテクタCT
第2章 マルチスライスCTの概要と構成〈山下康行〉
 A 多列検出器の構成
  1. GE社
  2. Siemens社,Marconi社
  3. 東芝
 B データ収集装置(data acquisition system: DAS)
 C X線管球
 D スリップリング
第3章 ヘリカルCTにおけるデータ収集〈佐藤夏子〉
 A マルチスライスCTによるアキシャルスキャン
 B ヘリカルスキャンダイアグラム
 C データの縮退
 D ヘリカルピッチ
 E 各社のピッチ設定の仕様
第4章 マルチスライスCTの画像再構成〈佐藤夏子〉
 A シングルスライスCTでのヘリカル補間
 B マルチスライスCTの画像再構成
  1. マルチスライスCTのヘリカル補間
  2. マルチスライスCTとスライス感度プロファイル
  3. Zフィルタリング
  4. マルチスライスCTと時間分解能
第5章 マルチスライスCTの画質評価法と画像解析法〈山本修司〉
 A 空間分解能について
  1. Axial面内空間分解能について
  2. マルチスライスCTによける体軸分解能
 B 高コントラスト分解能
 C 低コントラスト感度
 D CT画像ノイズ
 E マルチスライスCTにおける画像評価パラメータの相互作用
第6章 アーチファクト〈佐藤夏子〉
  1. コーンビームアーチファクト
  2. 非線形パーシャルボリュームアーチファクト
  3. メタルアーチファクト
  4. ヘリカルアーチファクト(スパイラルアーチファクト)
  5. ヘリカル位相アーチファクト
  6. 階段状アーチファクト
  7. モーションアーチファクト
  8. きしめんアーチファクト
第7章 Isotropic imaging〈山本修司〉
 A Isotropic voxel
 B Isotropic imaging
 C 視覚評価によるisotropic imageの評価
 D Isotropic 3-D imaging
 E まとめ
第8章 マルチスライスCTにおけるMPR画像ならびに三次元画像の再構成パラメータ〈中山善晴 山下康行〉
 A 三次元画像作成のポイント
  1. もとデータの分解能が高いこと
  2. データの連続性が良いこと
  3. 画像のSN比が高いこと
 B マルチスライスCTによる三次元画像のパラメータの設定法
  1. 画像再構成間隔と空間分解能
  2. 三次元画像とアーチファクト
  3. 実際の臨床でのスライス厚と画像再構成間隔
第9章 マルチスライスCTにおける被曝〈山本修司〉
 A CTにおける画質と被曝線量
 B CTにおける線量測定
  1. Computed Tomography Dose Index(CTDI)
  2. CTDIの種類とその測定用途について
  3. multiple scan average dose(MSAD)
  4. ヘリカルスキャンにおけるCTDIとMSAD
  5. マルチスライスCTにおける線量測定
 C CT装置における被曝線量低減への工夫
  1. X線量可変技術
  2. dynamic beam collimator
  3. 低エネルギーX線除去フィルタ
第10章 マルチスライスCTにおける造影剤使用法〈山本修司〉
 A マルチスライスCTで考慮すべき造影に与える様々の因子
  1. 造影剤量
  2. 造影剤の投与速度
 B マルチスライスCTでの撮像プロトコール設定法
 C CT angiographyにおける造影剤投与法
第11章 頭部のPerfusion CT〈Koenig M, Klotz E, Heuser L,訳山下康行〉
第12章 頭頸部領域〈坂口達哉 西村龍一〉
 A 頭頸部のダイナミックCT
  1. 撮影法
  2. 頭頸部癌の病期診断
  3. リンパ節
 B 側頭骨のCT画像
 C 副鼻腔のヘリカルCT
第13章 胸 部〈西潤子 門田正貴 河中功一 山下康行〉
 A 結節性病変の検出
 B 胸部の造影CTおよび造影剤量の低減
 C 肺腫瘍における三次元画像の活用
 D 仮想気管支鏡
 E 肺癌の病期診断
 F 肺動脈と深部静脈血栓症
 G 非結節性病変
 H 高分解能CT
 I マルチスライスCTによる低被曝量撮像
第14章 心臓領域
 1. GE社製Light Speed QX/iでの経験〈中西正 堀口純 田村彰久 伊藤勝陽〉
 A マルチスライスCTでの心臓撮像法
  1. マルチスライスCTによる心臓撮像からみた分類
  2. 再構成アルゴリズムについて
  3. 撮像条件の比較
 B 冠状動脈石灰化
  1. 冠状動脈石灰化:その臨床的意義
  2. 電子ビームCTによる冠状動脈石灰化の評価
  3. 電子ビームCT以外のCTによる冠状動脈の評価
  4. マルチスライスCTでの冠状動脈石灰化スコア
 C 冠状動脈のCT angiography
 D マルチスライスCTの現時点での限界
 E 左心室の機能・形態診断
  1. 壁運動評価
  2. 心筋灌流の評価
  3. 心筋性状の評価
  4. 現時点で有用性が明確な領域
 F 虚血性心疾患診断におけるone-stop shopとして

 2. Siemens社製Volume Zoomでの経験〈Ohnesorge B, Flohr T, Becker CR 訳門田正貴〉
 A 技術的基礎
  1. 心臓のCTにおいて必要なこと
  2. マルチスライスCTによるprospectiveな心電図同期法
  3. マルチスライスCTによるretrospectiveな心電図同期法
  4. 心電図同期法の種類
  5 Prospectiveな心電図同期法とRetrospectiveな心電図同期法の比較
 B. 初期臨床応用とプロトコール
  1. 冠状動脈石灰化の定量
  2. 心臓のボリューム画像と冠動脈疾患の診断
  3. 心機能画像
 C まとめと将来展望
第15章 肝 臓〈門田正貴 中山善晴〉
 A 肝臓のヘモダイナミックスとダイナミックCT
 B 肝臓のダイナミックCTと造影剤
 C 肝臓のダイナミックCTのプロトコール
  1. Double arterial phase protocol:肝硬変患者のスクリーニング,肝臓癌のフォロー
  2. Triple phase protocol:通常の肝臓のダイナミックCT,転移の検出
 D 肝臓の三次元画像
  1. 肝動脈の三次元画像
  2. 門脈のCT angiography
 E 生体肝移植におけるマルチスライスCTによる術前の肝臓の評価
  1. 生体肝移植の適応と術式
  2. ドナーにおけるマルチスライスCTを用いた画像診断
  3. レシピエントにおけるマルチスライスCTを用いた画像診断
第16章 膵臓および胆道系〈山下康行〉
 A 膵臓のヘモダイナミックスとダイナミックCT
 B 膵,胆道系腫瘍評価のプロトコール
 C 膵腫瘍
 D 胆嚢病変
 E 胆管病変
 F 膵 炎
 G 胆嚢,胆管結石およびDIC-CT
第17章 消化管〈山下康行〉
 A 食 道
 B 胃
 C 急性腹症および腸病変
 D 食道,胃静脈瘤の診断
 E 大腸の三次元画像および仮想内視鏡画像
  1. 検査の実際
  2. 撮像パラメータの設定
  3. 画像処理
  4. ポリープの検出能
  5. 仮想内視鏡の問題点
第18章 腎臓,尿路系〈山下康行〉
 A 腎臓のヘモダイナミックス
 B 腎,尿路病変のマルチスライスCTのプロトコール
 C 腎腫瘤性病変
 D 腎盂,尿管腫瘍
 E 尿管結石及び血尿の診断
 F 腎盂,尿管病変におけるMPRの活用:MDCT urography
 G 腎腫瘍手術前検査におけるマルチスライスCTの活用
第19章 整形外科領域〈城戸妙子〉
 A マルチスライスCTの撮像法
 B 骨軟部の画像再構成法
  1. MPR法
  2. SSD法
  3. volume rendering法
 C 骨折および外傷
  1. 関 節
  2. 胸郭,骨盤
  3. 脊 椎
  4. 靱帯,筋断裂
 D 骨軟部の腫瘍,炎症性疾患
第20章 全身スクリーニング〈マウロ中山 山下康行〉
 A Continuous scan
 B Interrupted scan
第21章 CT angiography〈山下康行〉
 A CT angiographyの造影剤投与法
 B CT angiographyの三次元画像処理
 C 各領域でのCT angiography
  1. 頸部
  2. 頭部
  3. 大動脈
  4. 腎動脈
  5. その他の大動脈分枝
  6. 末梢血管
  7. 肺動脈と肺梗塞
 D 問題点と今後の課題
第22章 今後の展望と課題〈山下康行〉
  1. マルチスライスCTの今後の進化
  2. マルチスライスCTの課題
  3. マルチスライスCT時代以降の画像診断: modalityの棲み分け

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