神経症状 ただいま診断中! 問診と身体診察でからだを読む

定価:
4,400円(本体価格4,000円+税)

在庫あり

書誌情報

書誌情報
サイズ A5
頁 174頁
ISBN 978-4-498-42850-8
発行日 2026年10月21日

内容


”ただいま診断中!”シリーズ最新刊.神経症状の診断は,まずこの一冊から
それって,ほんとに神経疾患なの!? 本書は総合診療やプライマリ・ケア領域で遭遇するさまざまな神経症状について,問診や身体診察といった神経診察の基本を丁寧に解説.正しい診断に至るためのスキルやテクニックについて,ポイントを押さえながらわかりやすく紹介.各論においては,頭痛,めまい,しびれ,といったよく遭遇する具体的な症状ごとに,診察から診断に至るまでの一連の流れを具体的かつ丁寧に解説している.

序文

まえがき
 本書を手に取っていただき誠にありがとうございます.佐久総合病院総合診療科の三宅晃史と申します.当科の外来受診者数は1日平均80~100人,入院担当患者90名前後,入院患者の年齢中央値89歳という規模で,総合診療科スタッフ6名,専攻医平均4名,初期臨床研修医平均4名という体制で診療に当たっています.
 本書ではその総合診療,プライマリ・ケア領域で出くわす神経疾患について解説しました.神経疾患に限らず幅広く診断の基礎から,神経診察,MMSE,生活機能のみかたを総論とし,頭痛,めまい,しびれ,その他見落としやすい神経疾患についてを各論として解説しました.よく「神経疾患患者に対してはこういうアプローチで……」的な記述を見かけますが,我々プライマリ・ケア医にとって,そもそも神経疾患かどうかまだ判明していない状況から診療が始まりますので,できる限り間口を狭めないようにすることを最重要課題としました.診断に重きを置いていますので,治療やフォローアップについては他書に譲ることにし,自分の今までの指導経験を振り返りました.
 筆者は卒後初期臨床研修,後期内科研修後に当時の神経内科,今でいう脳神経内科を専攻していました.そして卒後10年以上経てから総合診療科に転向しました.当初はもう神経学はあまり使わないであろう,などと思っていました.ところが総合診療において神経疾患に出くわす頻度が高く,さらには神経学を通してその人全体をとらえるという新たな視点にも気づき,思いのほか,いや,むしろ総合診療に携わるようになってからより多用することになりました.
 そしてスタッフとして指導していく中で,専攻医,研修医は鑑別のために必要な問診や診察について十分に教育を受けていないことに気がつきました.神経系統は動物が動くために備わったシステムであるため,正常に機能しているかどうかは画像検査などよりもやはりその本来的な働きを評価する,つまり神経診察でないと評価できないという性質があります.問診から得られる内容は,基本的には過去情報になります.今現在の体の評価については画像検査などの最新技術がありますが,どういった経緯でこの状態になったのか,についてはどうしても本人,家族,目撃者から聞き出さなければ我々は把握することができません.この点が不十分であることは,たとえるなら未熟な手技の超音波検査,撮像範囲が切れてしまったCTに相当する事態です.
 当院の初期臨床研修医は午前の総合外来が終わったあと,午後に振り返りカンファレンスを行っています.本書の内容はそこでのディスカッションや,専攻医とのディスカッション,年に1回の神経診察セミナーが基になっています.その様子を追体験していただければと思います.ご興味があるようでしたらぜひ見学にいらしてください.
 この書籍の執筆はあたかも“砂浜から一粒ずつ砂粒を拾い集めて城を作る”ような作業でした.本書がみなさんの役に立つことを願っています.

2026年10月
JA長野厚生連 佐久総合病院 総合診療科 
三宅晃史

目次

目 次

第1章総合診療で遭遇する神経疾患
 歩行障害,易転倒性,嚥下障害,自発性低下
 Seizure
 生活機能をみる
第2章診断手法
 診断の文脈
 病因と局在
 経過表
 3C
 問診の基本
 身体診察の基本
 神経局在診断
 主訴の選定
第3章ここまでできれば困らない神経診察
 意識状態
 瞳孔
 眼球運動
 複視
 共同偏視
 眼振
 顔面感覚
 顔面筋力
 聴覚
 軟口蓋挙上
 軟口蓋反射
 咽頭反射
 舌
 嚥下障害
 構音障害
 不随意運動
 筋萎縮
 筋トーヌス
 上肢回外挙上試験(いわゆる上肢Barré試験)
 上肢Mingazzini試験
 下肢Mingazzini試験
 下肢Barré試験
 手掌開閉
 反復拮抗試験
 指鼻指試験
 指タッピング試験
 反射
 MMT(Manual Muscle Test)
 感覚
 Romberg試験
 歩行
 継ぎ足歩行
 MMSE(Mini Mental State Examination)
 MMSEのEは“ExaminationのE”
 MMSEのコンポーネント
 MMSE施行中の他の着目ポイント
第4章頭痛
 突発完成・急性発症の頭痛
 亜急性・慢性に単相性に経過している頭痛
 慢性的に発作性頭痛を繰り返している頭痛
 頭痛ダイアリー
 身体診察のポイント
第5章めまい
 前失神
 意識障害
 全身症状の一つとしての非特異的症状
 分類不能なもの
 前庭障害 and/or 体幹失調(=狭義のめまい)
 前庭障害 and/or 体幹失調(=狭義のめ
 診断法
第6章しびれ
 問診のポイント
 身体診察のポイント
 しびれをきたす代表的疾患
 
索引

執筆者一覧

  • JA長野厚生連佐久総合病院 総合診療科 三宅晃史 著
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