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書籍詳細

Annual Review 血液2014

Annual Review 血液2014

【編集】

B5判 240頁

定価10,780円(本体9,800円 + 税)

ISBN978-4-498-12580-3

2014年01月発行

在庫なし



目 次




I.造血幹細胞



1.造血幹細胞の代謝特性
〈田久保圭誉〉


  静止状態にある造血幹細胞の代謝特性


  増殖する造血幹細胞および造血前駆細胞の代謝特性


  造血幹細胞の代謝特性と細胞老化

2.造血幹細胞におけるTET2の働き
〈中島秀明〉


  TETファミリー


  DNAメチル化制御とTET


  造血器腫瘍とTET2変異


  TET2の生体機能の解析


  TET2変異の造血器腫瘍発生における役割


  TETのシトシン脱メチル化以外の役割

3.血球貪食性リンパ組織球症におけるCD47の意義
〈竹中克斗 赤司浩一〉


  SIRPA-CD47系によるマクロファージ自己認識機構


  血球貪食性リンパ組織球症


  HLH患者のCD34+CD38−造血幹細胞分画ではCD47発現が低下している


  HLH患者骨髄中のCD47発現が低下した造血幹細胞はマクロファージにより貪食されやすい


  炎症性サイトカインは造血幹細胞のCD47発現を低下させ,造血幹細胞に対するマクロファージの貪食能を亢進させる


  HLHと貪食促進因子CRT発現


  SIRPA-CD47システムからみたHLHの病態

4.慢性骨髄性白血病由来iPS細胞を用いた病態解析
〈片岡圭亮 荒井俊也 黒川峰夫〉


  造血器腫瘍の疾患iPSモデルを作成する意義


  CML由来iPS細胞の樹立とそれを利用した病態研究

5.造血幹細胞移植における抑制型NK細胞受容体の意義
〈高橋義行〉


  NK細胞受容体によるNK細胞活性の制御


  造血幹細胞移植におけるアロNK細胞によるgraft versus leukemia(GVL)効果


  KIRの種類とKIRリガンド不一致モデル


  同種造血幹細胞移植におけるアロ反応性NK細胞の限界

6.急性GVHDの分子病態とバイオマーカー
〈豊嶋崇徳〉


  GVHDの病態生理に基づいたバイオマーカー研究


  プロテオミクスを用いたGVHDバイオマーカー研究


  組織特異的バイオマーカー


  バイオマーカー・パネル


  バイオマーカーに基づく個別化医療への展開


  バイオマーカーの可能性と問題点



II.赤血球系



1.Diamond-Blackfan貧血発症のメカニズム
〈佐藤知彦 伊藤悦朗〉


  DBAとは


  病因遺伝子の発見


  リボソーム蛋白とp53経路 赤血球系造血障害の機序


  分子生物学的異常と表現型との関連

2.発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に関する新知見
〈木下タロウ 村上良子 西村純一〉


  GPIアンカー欠損に関する新知見


  治療法に関する新知見


  PNHクローン拡大に関する新知見

3.エルトロンボパグによる再生不良性貧血の治療
〈臼杵憲祐〉


  難治性の再生不良性貧血におけるeltrombopagの第2相試験


  eltrombopagの効果の機序


  eltrombopag奏効の予測因子


  クローン性異常と白血病化のリスク


  eltrombopag奏効例で投与を中止できるか?

4.真性赤血球増加症の心血管イベントと治療強度: ヘマトクリット値をどこまで下げれば心血管イベントを減らせるか?
〈小松則夫〉


  PVの患者ではどうして血栓症を合併しやすのか?


  PV患者における血栓症予防のためのHCT値の目標値は?



III.骨髄系



1.急性骨髄性白血病におけるクローン進化
〈小川誠司〉


  AMLゲノムの全塩基配列の同定


  AMLにおける新たな遺伝子変異の同定


  AMLにおける遺伝子変異の由来


  白血病の再発におけるクローン進化

2.骨髄異形成症候群/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)における機能獲得型体細胞性SETBP1変異
〈牧島秀樹〉


  Schinzel-Giedion 症候群におけるSETBP1生殖細胞変異の報告 骨髄腫瘍におけるSETBP1体細胞変異の発見


  体細胞SETBP1変異の頻度と関連する臨床所見


  SETBP1変異と共存しうる他の遺伝子変異


  骨髄腫瘍におけるSETBP1の発現


  SETBP1変異と予後との関連


  SETBP1変異の機能解析

3.乳児急性白血病における遺伝子プロファイリング
〈石前峰斉 江口真理子 石井榮一〉


  乳児急性白血病の特徴


  乳児白血病とMLL融合遺伝子


  乳児白血病の遺伝子発現プロファイリング


  小児白血病のmiRNA発現プロファイリング


  乳児白血病の予後予測因子としての遺伝子発現プロファイリング

4.小児急性巨核芽球性白血病にみられる分子異常
〈林 泰秀〉


  染色体異常


  遺伝子異常

5.第三世代チロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブの有効性と安全性
〈平瀬主税 田中宏和 松村 到〉


  ポナチニブの特性


  第I相試験


  第II相(PACE)試験

6.骨髄線維症に対するJAK阻害薬
〈幣光太郎 下田和哉〉


  骨髄線維症のunmet needsとJAK2阻害薬


  明らかになったJAK2阻害薬の臨床効果


  JAK2阻害薬耐性


  今後の展開

7.骨髄異形成症候群の新しい予後予測スコアリング: Revised IPSS
〈宮崎泰司〉


  国際予後予測スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System: IPSS)


  IPSS以降に発表された代表的な予後予測スコアリングシステム


  改訂国際予後予測スコアリングシステム(Revised IPSS, IPSS-R)


  IPSS-Rの問題点と今後の方向性

8.骨髄異形成症候群のリスク別治療方針と新薬の動向
〈大屋敷一馬〉


  骨髄異形成患者の治療法の層別化


  開発動向



IV.リンパ球系



1.Burkitt lymphomaの遺伝子変異
〈都築 忍 在田幸太郎 瀬戸加大〉


  バーキットリンパ腫を特徴づける遺伝子異常


  TCF3変異,ID3変異の意義


  バーキットリンパ腫の治療標的

2.大顆粒リンパ球白血病におけるSTAT3変異
〈藤島直仁 廣川 誠 澤田賢一〉


  LGL


  JAK/STAT系


  STAT3の変異


  サイトカインとSTAT3


  STAT3に関連するLGLの治療戦略

3.成人T細胞白血病/リンパ腫におけるNF-κB経路の活性化
〈渡邉俊樹〉


  NF-κB活性化とリンパ系腫瘍


  ATL細胞におけるNF-κB活性化


  ATL治療および発症予防介入の標的としてのNF-κB

4.NK/T細胞リンパ腫の病態と治療
〈鈴木律朗〉


  NK/T細胞リンパ腫の病態


  NK/T細胞リンパ腫の治療


  NK/T細胞リンパ腫に対する造血幹細胞移植


  NK/T細胞リンパ腫における末梢血中EBV-DNAの有用性

5.多発性骨髄腫治療の最新動向
〈清水一之〉


  治療効果判定の動向


  予後因子とリスク層別化


  治療戦略

6.キメラ抗原受容体発現Tリンパ球によるB細胞性腫瘍の養子免疫遺伝子療法
〈大嶺 謙〉


  キメラ抗原受容体


  CD19を標的とした第2世代CAR遺伝子治療の臨床研究


  養子免疫遺伝子療法の安全性


  CAR療法における新たな方向性


  本邦におけるCAR療法の臨床研究



V.血小板系



1.線維芽細胞から巨核球・血小板へのdirect conversion
〈松原由美子〉


  線維芽細胞からの直接リプログラミング


  線維芽細胞から血小板への直接リプログラミング

2.血小板産生とその異常―先天性巨大血小板症―
〈國島伸治〉


  巨核球からの血小板産生


  循環血液中での血小板成熟


  血小板前駆体


  血小板細胞骨格


  先天性巨大血小板症

3.ITPの病態解析
〈柏木浩和〉


  B細胞の異常: 抗血小板自己抗体の産生


  T細胞の異常


  血小板破壊亢進のメカニズム


  血小板産生障害のメカニズム


  ITPの病態解析における最近の進歩

4.静脈血栓にはたす血小板の役割
〈大森 司〉


  静脈血栓症形成に対する血小板の関与?その基礎メカニズム?


  VTEに対する抗血小板療法の効果



VI.凝固線溶系



1.新規血栓性素因・アンチトロンビンレジスタンス
〈小嶋哲人〉


  遺伝性血栓性素因


  アンチトロンビンレジスタンス

2.プラスミノゲンレセプター
〈浦野哲盟 鈴木優子〉


  プラスミノゲン受容体の機能


  プラスミノゲン受容体の種類

3.血栓症と炎症におけるポリリン酸の役割
〈宮田敏行 坂野史明〉


  ポリリン酸とは


  ポリリン酸による凝固促進機構


  ポリリン酸の低分子中和剤の開発


  ポリリン酸の生合成にかかわる酵素とその遺伝子欠損マウスの解析

4.抗リン脂質抗体症候群の診断と治療の標準化
〈奥 健志 渥美達也〉


  抗リン脂質抗体症候群


  抗リン脂質抗体の診断


  抗リン脂質抗体症候群の病態機序と治療

5.後天性血友病Aの病態と治療
〈天野景裕〉


  後天性血友病Aの診断


  後天性血友病AにおけるFVIIIインヒビターの特性


  後天性血友病Aの止血治療


  後天性血友病Aの免疫抑制療法

索 引

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 Annual Review血液学2014年版が刊行される事となった.
 1999年版から新しい編集陣によるAnnual Review血液学の刊行が行われるようになった.編集委員の方々のご尽力によって,2014年版でも血液学のAnnual Reviewにふさわしい新しい興味あるテーマが数多く取り上げられ,その内容を研究や臨床の第一線にある専門の方々に解説していただく事ができた.その一部をご紹介すると,造血幹細胞の項では田久保圭誉氏の「造血幹細胞の代謝特性」,片岡圭亮氏らによる「慢性骨髄性白血病由来iPS細胞を用いた病態解析」,豊嶋崇徳氏による「急性GVHDの分子病態とバイオマーカー」に興味がもたれた.赤血球系の項では長年PNHを研究されてこられた木下タロウ氏らによる新知見の御紹介を是非読ませていただきたい.又,臼杵憲祐氏の「エルトロンボパグによる再生不良性貧血の治療」も注目される.骨髄系の項では小川誠司氏による「急性骨髄性白血病におけるクローン進化」は全ゲノムの解析が近年の大きな話題になっているのでその流れを紹介して頂けるものと期待される.牧島秀樹氏による「骨髄異形成症候群/骨髄増殖性腫瘍における機能獲得型体細胞性SETBP1変異」も興味ある課題である.平瀬主税氏らによる「第三世代チロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブの有効性と安全性」,大屋敷一馬氏の「骨髄異形成症候群のリスク別治療方針と新薬の動向」からは臨床的に有用な情報が提供されるであろう.リンパ球系の項でも都築 忍氏らの「Burkitt lymphomaの遺伝子変異」は現在話題となっているテーマである.又,清水一之氏の「多発性骨髄腫治療の最新動向」は臨床的なテーマであり,大嶺 謙氏の「キメラ抗原受容体発現T リンパ球によるB細胞性腫瘍の養子免疫遺伝子療法」も最近話題となっている遺伝子治療である.血小板系の項では松原由美子氏の「線維芽細胞から巨核球・血小板への direct conversion」が,又,凝固線溶系では浦野哲盟氏らの「プラスミノゲンレセプター」に興味がもたれた.その内容を期待したい.

 これらの紹介は何れも題名だけから,私が興味を持った論文であり,実際にはAnnual Review 血液2014年版に載せられている全てのテーマで興味深い新しい知見が紹介される事が各々の題名から強く期待される.

 わが国には従来Annual Reviewのような Review誌がなかった.その意味でこのシリーズが始まった事は画期的な事であり,そのためもあって創刊以来好評で毎年多くの方々に読んでいただいてきた.編集委員,執筆に当たられた方々,中外医学社の方々のおかげで本年も従来と同じように,良いタイミングで2014年版を出版する事ができた.2014年版の完成にご協力くださった各執筆者の先生方にこの場をおかりして心からの御礼を申し上げたい.

 本年版の内容も例年の版と同様,血液学の基礎・臨床両面にわたって新しい進展を紹介する充実した内容のものとなっており,読者の方々からのご期待に十分こたえ得たと信じている.最後に,監修者として今までの版と同様にこの2014年版が血液学に興味を持つ多くの方々に愛読していただける事,又この Reviewを続ける事によって血液学に興味をもつ若い人たちがわが国で増える事を強く期待している.


2013年12月
日本医学会会長 高久史麿

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執筆者一覧

【編集】  
高久史麿  日本医学会会長  
小澤敬也  自治医科大学教授  
坂田洋一  自治医科大学教授  
金倉 譲  大阪大学教授  
小島勢二  名古屋大学教授  
【著者】  
田久保圭誉  中島秀明  竹中克斗  
赤司浩一  片岡圭亮  荒井俊也  
黒川峰夫  高橋義行  豊嶋崇徳  
佐藤知彦  佐藤悦朗  木下タロウ  
村上良子  西村純一  臼杵憲祐  
小松則夫  小川誠司  牧島秀樹  
石前峰斉  江口真理子  石井榮一  
林 泰秀  平瀬主税  田中宏和  
松村 到  幣光太郎  下田和哉  
宮崎泰司  大屋敷一馬  都築 忍  
在田幸太郎  瀬戸加大  藤島直仁  
廣川 誠  澤田賢一  渡邉俊樹  
鈴木律朗  清水一之  大嶺 謙  
松原由美子  國島伸治  柏木浩和  
大森 司  小嶋哲人  浦野哲盟  
鈴木優子  宮田敏行  坂野史明  
奥 健志  渥美達也  天野景裕  

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