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書籍詳細

Annual Review 呼吸器2014

Annual Review 呼吸器2014

【編集】

B5判 274頁

定価10,780円(本体9,800円 + 税)

ISBN978-4-498-13012-8

2014年01月発行

在庫なし



目 次




I.呼吸器の生物学



1.COPDと自然免疫
〈小荒井 晃〉


  自然免疫


  COPDにおけるTLRsの関与

2.サブセットからみた肺胞マクロファージ
〈原田紀宏 桂 蓉子 原田園子 高橋和久〉


  AMの起源


  CD11c/CD11bインテグリンの発現パターンからみたAM


  M1/M2からみたAM

3.肺扁平上皮癌における新たな治療標的
〈山田忠明 矢野聖二〉


  FGFR1遺伝子増幅(fibroblast growth factor receptor 1 amplifica-tion)


  DDR2遺伝子変異(discoidin domain receptor 2 mutation)


  Met遺伝子異常(増幅・変異)


  BRAF変異


  AKT1変異


  PIK3CA 遺伝子変異(phosphoinositide 3-kinase mutation)


  PTEN遺伝子変異


  HER2遺伝子変異


  EML4-ALK変異


  TP53遺伝子変異


  SOX2遺伝子増幅

4.インフルエンザ感染症における粘膜免疫の重要性
〈木戸 博〉


  感染感受性を決定している気道粘膜免疫


  粘膜ワクチン開発


  粘膜免疫を賦活化するマクロライド系抗菌薬


  今後の展望

5.Sirtuin familyと呼吸器疾患
〈高坂直樹 荒屋 潤 桑野和善〉


  Sirtuin familyとは


  SIRT1と呼吸器疾患


  SIRT6と呼吸器疾患

  治療的応用

6.肺組織幹細胞と呼吸器疾患
〈久保裕司〉


  肺上皮細胞


  肺上皮前駆細胞


  肺上皮幹細胞

7.呼吸器疾患におけるセマフォリン
〈武田吉人 熊ノ郷 淳〉


  免疫セマフォリン


  骨とセマフォリン


  肺線維症とセマフォリン


  喘息とセマフォリン


  セマフォリンと肺癌・腫瘍微小環境


   今後の展望

8.代謝からみた新たな肺癌の治療戦略
〈光石陽一郎〉


  がん細胞の代謝の特徴


  がん細胞の代謝を標的とした創薬


   将来の展望

9.咳受容体の感受性亢進機序
〈亀井淳三〉


  咳嗽の臨床的定義


  咳受容体の感受性亢進機序


  今後の展望

10.ステロイド療法における新たな作用機序
〈高橋英夫〉


  ステロイドの作用機序へのco-factorの関与


  ステロイドとHMGB1


  慢性炎症とHMGB1


  今後の展望



II.疾患の病因と病態



1.睡眠呼吸障害と認知症
〈塩田智美 竹川英徳 高橋和久 井上雄一〉


  睡眠呼吸障害と認知症:概論


  睡眠呼吸障害と脳血管性認知症 睡眠呼吸障害と変性性認知症


  睡眠呼吸障害治療による認知機能の改善効果

2.抗CADM-140/MDA5抗体と間質性肺炎
〈佐藤慎二〉


  多発性筋炎/皮膚筋炎に併発する間質性肺炎


  皮膚筋炎に見出された抗CADM-140/MDA5抗体(抗MDA5抗体)


  抗CADM-140/MDA5抗体(抗MDA5抗体)と急速進行性間質性肺炎


  抗CADM-140/MDA5抗体(抗MDA5抗体)の急速進行性間質性肺炎治療における臨床応用

3.気腫肺形成におけるCD40の関与
〈重田文子 多田裕司〉


  CD40シグナルとは


  COPD患者群におけるCD40系の活性化


  CD40活性化による炎症反応の誘導


  CD40刺激による肺胞構成細胞のFas誘発アポトーシス


  CD40シグナルと気腫肺の形成


  肺気腫患者における血中CD40L濃度


  今後の展望

4.慢性血栓塞栓性肺高血圧症と筋線維芽細胞
〈重城喬行 坂尾誠一郎 巽 浩一郎〉


  慢性血栓塞栓性肺高血圧症の器質化血栓


  筋線維芽細胞をはじめとする器質化血栓の構成細胞


  器質化血栓を形成する機序

5.呼吸器疾患病態形成におけるCD69
〈黒田文伸 巽 浩一郎〉


  呼吸器疾患病態形成におけるCD69:概論


  喘息とCD69


  間質性肺炎とCD69


  喫煙とCD69


  急性呼吸窮迫症候群とCD69

6.ミトコンドリアの恒常性維持機構と呼吸器疾患
〈伊藤三郎 原 弘道 荒屋 潤 桑野和善〉


  ミトコンドリア動態と恒常性維持


  マイトファジーと恒常性維持


  ミトコンドリア恒常性維持機構の破綻と老化


  ミトコンドリア動態の異常と疾患


  マイトファジーの異常と疾患


  ミトコンドリア動態,マイトファジーと呼吸器疾患

7.ランゲルハンス細胞組織球症 up to date
〈井上義一〉


  疫学


  病因


  分類と症状


  検査所見


  診断


  治療と予後


  今後の課題

8.ナノ粒子と呼吸器疾患
〈森本泰夫 和泉弘人〉


  ナノ粒子による肺障害の仮説


  他臓器への移行


  ナノ粒子(工業用ナノ材料)の許容濃度

9.時間医学と睡眠関連呼吸障害
〈鰤岡直人 高田美也子〉


  時計遺伝子で構成された概日時計のメカニズム


  時計遺伝子と疾患


  時計遺伝子と睡眠関連呼吸障害


  今後の展望



III.診断の進歩



1.次世代シーケンスと肺癌治療
〈坂井和子 西尾和人〉


  分子標的薬とコンパニオン診断薬


  次世代シーケンス


  クリニカルシーケンスとIncidental findings

2.低線量検診による肺癌検診
〈滝口裕一〉


  対照群を設定しないCT検診研究の知見


  検診の有効性評価が必要な理由


  欧米におけるランダム化比較試験による知見


  日本でCT検診を行う際に留意すべきこと


  肺癌検診の今後の展望

3.ARDS up to date
〈橋本 悟〉


  発症頻度と死亡率の推移


  肺保護戦略に基づく各種治療について(各論)

4.IIPsとUCTD, Lung-dominant CTD, Autoimmune-featured ILD
〈須田隆文 千田金吾〉


  膠原病的背景を有する間質性肺炎とは?


  Undifferentiated connective tissue disease(UCTD)


  Lung-dominant connective tissue disease(LD-CTD)


  Autoimmune-featured interstitial lung disease(AIF-ILD)

5.肺高血圧症におけるCTを使用した画像診断の進歩
〈杉浦寿彦 田邉信宏〉


  Multidetector CTと肺血栓塞栓症の診断


  心電図同期造影CTによる右心系の評価


  320列CTを用いた心室中隔曲率による血行動態の推定


  Dual-energy CT

6.肺癌早期発見のためのCOPD早期発見
〈関根康雄〉


  COPD合併肺癌の特徴


  COPDからの肺癌発症機序


  肺癌検診を利用したCOPDスクリーニング


  2010年度COPDスクリーニング実績


  今後の展望

7.遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)
〈塩谷隆信〉


  疫学


  臨床診断


  責任遺伝子


  臨床病型


  症状


  HHTの合併症


  予後


  分子病態生理学の進歩と治療への応用

8.Multiplex PCRによる呼吸器感染症診断の進歩?起炎微生物迅速同定から薬剤耐性遺伝子検出まで?
〈清水健一郎 吉井 悠 桑野和善〉


  呼吸器感染症診断における問題点


  multiplex PCRによる呼吸器微生物の多項目同時検出


  呼吸器疾患への応用


  呼吸器微生物における薬剤耐性の現況


  (multiplex)real-time PCRによる薬剤耐性遺伝子の迅速検出


  今後の展望

9.IPFのATS/ERS/JRS/ALAT statementと日本における診断
〈小倉高志 酒井文和 武村民子〉


  IPFの定義


  IPFの診断過程


  IPF国際ガイドラインの診断基準の根拠となるエビデンスについて


  IPF国際ガイドラインの診断基準の問題点


  他の原因のある間質性肺炎を除外する方法についての記述



IV.治療の進歩



1.EGFR-TKIs耐性肺癌に対する新しい分子標的治療
〈木浦勝行〉


  EGFRの活性化機序


  第1世代EGFR-TKIs


  EGFR-TKIsが劇的な効果をもたらす条件


  TKIに対する薬剤耐性の機序


  薬剤耐性打破あるいは解除

2.EGFR-TKIs 耐性肺癌に対する治療戦略―実地医療の立場で―
〈高橋和久〉


  EGFR-TKIs耐性の定義


  EGFR-TKIsの耐性機序


  耐性機構からみた新しい治療戦略


  実地診療下における治療戦略


  今後の展望

3.A New Hybrid Approach to NPPV―AVAPS(Average Volume Assured Pressure Support)―
〈八戸敏史〉


  NPPVの現状と問題点


  換気モニタリングの有用性


  新しい換気モード―AVAPS―


  AVAPSのエビデンス


  AVAPSの臨床経験


  AVAPSの今後の発展

4.結核診療up to date
〈佐々木結花 巽 浩一郎〉


  現在の蔓延状況


  潜在性結核感染症におけるup to date


  結核症におけるup to date


  新薬の開発

5.肺高血圧症に対するUpfront combination therapy
〈須田理香 田邉信宏 巽 浩一郎〉


  実臨床における併用療法


  各ガイドラインにおける併用療法の位置づけ


  併用療法に関する種々の報告


  同時併用療法に関する臨床試験


  併用療法における今後の課題

6.非小細胞肺癌に対するTS-1の役割
〈宮永晃彦 弦間昭彦〉


  非小細胞肺癌初回治療におけるTS-1の臨床効果


  TS-1の有害事象とQOL


  TS-1の効果予測因子


  TS-1の2次治療および胸部放射線療法との併用

7.非小細胞肺癌の維持療法
〈廣瀬 敬〉


  維持療法とは


  Switch maintenanceの現状


  Continuation maintenanceの現状


  維持療法の課題と今後の展望

8.COPDにおけるβブロッカーの適応と効果
〈佐田 誠〉


  βブロッカーと呼吸機能障害


  循環器疾患併存COPDに対するβブロッカーの効果


  COPD に対するβブロッカーの効果


  ガイドラインにおけるβブロッカーの位置付け


  今後の展望

9.COPD増悪におけるマクロライド抗菌薬の効果
〈山谷睦雄〉


  本邦から発信したCOPD増悪抑制作用に関する前向き研究


  本邦で行われた多施設研究


  英国で行われた前向き研究


  米国で行われた大規模研究


  他研究


  マクロライド抗菌薬治療の副反応


  COPD増悪の機序


  マクロライド抗菌薬のCOPD増悪抑制機序


  今後の展望



索 引

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 「生々発展」とは,絶えず活動しながら発展することを意味している.呼吸器疾患の病態解析・診断・治療は,基礎医学(生物学)の進歩とも呼応して,年々少しずつ,しかし10年という単位で考えると大きな革新を遂げている.呼吸器領域を含めて,医学・医療の分野も日々診療・研究・教育を継続的に行いながら,より良い方向を目指して発展している.例えば「iPS細胞」研究のように新しい時流に乗るか,あるいは「温故知新」,以前に既に確立されたと信じられていた事柄を再度研究したら,別の観点から新しい情報が得られることもある.実際に,すでに揺るがし難い事項のように呼吸器関係の教科書に記載されている内容は,必ずしも裏がとれているとは限らない.「Annual Review 呼吸器」は,新規そして「温故知新」双方の観点から,広く呼吸器領域を「達観」して,執筆テーマと執筆者を決める形で毎年編集している.

 「Annual Review 呼吸器」をパラパラとめくって頂いても,呼吸器疾患が関与している分野がいかに多岐にわたっているかがよくわかる.呼吸器構成細胞,細胞内小器官,細胞内シグナル伝達,細胞表面マーカー,遺伝子(変異),サイトカイン,ケモカイン,免疫などの肉眼では見えない広い意味での生物(生体)現象からみた時の呼吸器疾患に関する話題から,日常臨床でも普通に扱っている遺伝子診断,画像診断,医工学,薬物治療などの呼吸器疾患に関する話題まで,広い領域を扱っている.さらに,疾患概念の変遷,薬物療法の見直しなども,それぞれの観点から見てみると,新鮮な輝きがある.自分の専門とする領域以外から得られた知見が,自分の専門領域の研究に役立つことも多々ある.

 病気の単位で考えても,肺癌,COPD,気道炎症性疾患,間質性肺疾患,肺循環障害(肺高血圧症,ARDS,オスラー病),呼吸器感染症,希少性肺疾患,睡眠呼吸障害,肺胞低換気症候群と広い領域をカバーしている.

 すべての項目を精読するのは時間的に無理であっても,興味のある部分だけでも目を通して頂ければ,日常臨床における病態の理解,治療法の意義などに関して,「生々発展」が可能になると信じている.

2013年12月
巽 浩一郎

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執筆者一覧

【編集】  
永井 厚志  東京女子医科大学統括病院長  
巽 浩一郎  千葉大学教授  
桑野 和善  東京慈恵会医科大学教授  
高橋 和久  順天堂大学教授  
【著者】  
小荒井 晃  原田紀宏  桂 蓉子  
原田園子  高橋和久  山田忠明  
矢野聖二  木戸 博  高坂直樹  
荒屋 潤  桑野和善  久保裕司  
武田吉人  熊ノ郷 淳  光石陽一郎  
亀井淳三  高橋英夫  塩田智美  
竹川英徳  高橋和久  井上雄一  
佐藤慎二  重田文子  多田裕司  
重城喬行  坂尾誠一郎  巽 浩一郎  
黒田文伸  伊藤三郎  原 弘道  
荒屋 潤  桑野和善  井上義一  
森本泰夫  和泉弘人  鰤岡直人  
高田美也子  坂井和子  西尾和人  
滝口裕一  橋本 悟  須田隆文  
千田金吾  杉浦寿彦  田邉信宏  
関根康雄  塩谷隆信  清水健一郎  
吉井 悠  桑野和善  小倉高志  
酒井文和  武村民子  木浦勝行  
高橋和久  八戸敏史  佐々木結花  
須田理香  田邉信宏  宮永晃彦  
弦間昭彦  廣瀬 敬  佐田 誠  
山谷睦雄  

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