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書籍詳細

Annual Review 消化器2014

Annual Review 消化器2014

【編集】

B5判 296頁

定価12,100円(本体11,000円 + 税)

ISBN978-4-498-14036-3

2014年01月発行

在庫なし



目 次




I.消化管



1.消化器疾患領域における腸内細菌研究の進歩
〈安藤 朗〉


  腸内細菌叢


  腸内細菌叢の成立について


  腸内細菌叢の粘膜免疫機構への影響


  小腸細菌増殖症候群(small intestinal bacterial overgrowth syndrome: SIBO)


  難治性Clostridium difficile腸炎


  メタボリック症候群に対する糞便移植(fecal transplantation)


  炎症性腸疾患(IBD)

2.消化管領域におけるiPS細胞の応用
〈山田高嗣 中島祥介〉


  ES細胞から動く腸管の分化誘導


  iPS細胞から蠕動運動する腸管(iGut)の臓器分化誘導


  ES細胞およびiPS細胞から小腸様組織への分化誘導


  iPS細胞を用いない腸管粘膜の再生


  消化管構造体の共通点と相違点


  将来の展望

3.食道癌内視鏡治療の適応とその長期予後
〈門馬久美子〉


  適応


  長期予後

4.CT コロノグラフィーを用いた大腸癌検診
〈満崎克彦〉


  前処置


  腸管拡張


  撮影


  読影


  検査精度


  今後の展望

5.画像強調内視鏡
〈飯塚敏郎 菊池大輔 貝瀬 満〉


  食道癌の内視鏡診断


  バレット食道癌


  胃

6.炎症性腸疾患診療におけるMR enterography の有用性
〈長沼 誠 緒方晴彦〉


  エンテロクリシスとエンテログラフィー


  放射線検査と被曝との関係


  MREの評価法


  クローン病診断および活動性評価に対するMREの有用性

7.抗血栓薬と内視鏡ガイドライン
〈岩切龍一〉


  ガイドライン改訂の経緯


  2012年JGESガイドラインの要旨

8.機能性ディスペプシアの基礎と臨床
〈正岡建洋 鈴木秀和〉


  Rome分類によるFDの定義


  FDの病態生理


  Helicobacter pylori 感染とFD


  FDの薬物療法

9.好酸球性消化管疾患
〈高城 健 穂苅量太〉


  好酸球性食道炎


  好酸球性胃腸炎

10.胃瘻の適応と倫理的問題点
〈鈴木 裕〉


  栄養法の基本的な考え方


  日本におけるAHNの変遷


  諸外国と異なる胃瘻造設後の治療成績


  胃瘻の適応について


  胃瘻の差し控えや見直し


  胃瘻の差し控えや見直しの問題点

11.Helicobacter pylori除菌療法の今後の展開
〈浅香正博〉


  ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎


  H. pylori除菌による胃癌予防の試み


  具体的な胃癌撲滅プロジェクト

12.大腸イレウスに対するステント治療は予後を改善するか
〈斉田芳久〉


  本邦における大腸ステント


  悪性狭窄のステント留置術


  大腸狭窄の評価


  消化管ステントの今後の展望

13.進行再発大腸癌のテーラーメード治療
〈大瀬良省三 岡本 渉 吉野孝之〉


  テーラーメード治療の現状


  テーラーメード治療への導入が期待されるバイオマーカー


  テーラーメード治療におけるコンパニオン診断薬の必要性と問題点

14.炎症性腸疾患治療における最新の話題
〈小林 拓〉


  Mucosal healing・deep remissionを目指した炎症性腸疾患治療 炎症性腸疾患治療における免疫調節薬・生物学的製剤の中止


  生物学的製剤の二次無効とその対策



II.肝臓



1.肝炎検査の進歩
〈田中榮司〉


  HBV抗原定量


  ELISAによるHBV遺伝子型判定

2.C型肝炎ウイルス(HCV)研究の進歩
〈堤 武也 小池和彦〉


  HCVの感染機構


  HCVの複製機構


  HCV粒子の成熟と分泌HCV感染動物モデル

3.B型肝炎ウイルス(HBV)研究の進歩
〈渡邊綱正 田中靖人〉


  GWASによるHLA class I関連分子の同定


  HBV制御に関するIL28B SNPの関与


  NTCP同定


  B型関連肝癌の全ゲノム解析

4.B型肝炎に対する抗ウイルス療法
〈柘植雅貴 茶山一彰〉


  B型慢性肝疾患に対する治療目標


  B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ治療


  B型慢性肝疾患に対するインターフェロン治療 核酸アナログ治療からDrug freeに向けた試み


  B型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法の展望

5.C型肝炎に対する抗ウイルス療法
〈林 紀夫 小瀬嗣子 平松直樹 竹原徹郎〉


  DAAs併用療法

6.劇症肝炎とde novo肝炎
〈中山伸朗 持田 智〉


  劇症肝炎の現況


  De novo肝炎の現況

7.肝硬変診療の今後
〈福井 博〉


  病態診断の進歩


  B型肝硬変,C型肝硬変の抗ウイルス療法


  肝性脳症の治療


  腹水,特発性細菌性腹膜炎の治療

8.自己免疫性肝炎・PBC
〈田中 篤〉


  原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)


  自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis)

9.NAFLD・NASH
〈内山 明 渡辺純夫〉


  NAFLD・NASH発症メカニズム


  NAFLD・NASHの診断


  NASHの治療

10.肝臓超音波診断の進歩
〈飯島尋子〉


  肝線維化診断


  肝腫瘍診断

11.肝発癌の分子機構
〈山下太郎 金子周一〉


  多段階発癌仮説,遺伝子異常集積の過程とwhole genome/exome sequencing


  癌の起源,発癌モデルと細胞の幹細胞性

12.肝細胞癌治療の現況と今後
〈泉 並木〉


  切除とラジオ波焼灼術(RFA)


  肝動脈化学塞栓(TACE)の諸問題


  分子標的治療薬を含めた化学療法

13.肝細胞死の研究の進歩
〈疋田隼人 竹原徹郎〉


  肝細胞死の形態


  肝疾患と細胞死機構

14.肝臓の再生療法
〈高見太郎 寺井崇二 坂井田功〉


  基礎研究;マウスGFP/CCl4モデル


  臨床研究

15.肝移植の現況と今後
〈市田隆文 玄田拓哉 平野克治〉


  原疾患の再発


  アルコール性肝障害と肝移植



III.胆膵



―膵臓―



1.急性膵炎の新アトランタ分類と今後の展望
〈佐田尚宏〉


  新アトランタ分類


  今後の展望

2.重症急性膵炎におけるbacterial translocationと感染対策
〈竹山宜典〉


  重症急性膵炎における感染の実情


  膵感染症の起炎菌


  重症急性膵炎における感染の成立機序


  重症急性膵炎における感染予防策

3.経腸栄養剤による慢性膵炎疼痛治療の新たな展開
〈片岡慶正 保田宏明 阪上順一〉


  背景


  病態


  診断


  疼痛に対する治療

4.次世代シークエンサーによる膵炎関連遺伝子の網羅的解析
〈粂 潔 正宗 淳 下瀬川 徹〉


  診断


  臨床的特徴


  カチオニックトリプシノーゲン(PRSS1)遺伝子


  膵分泌性トリプシンインヒビター(SPINK1)遺伝子


  Cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)遺伝子


  キモトリプシンC(CTRC)遺伝子


  トリプシノーゲン遺伝子座のコピー数変異


  クローディン2(CLDN2)遺伝子

  次世代シークエンサーによる膵炎関連遺伝子の研究

5.自己免疫性膵炎と発癌
〈平野賢二〉


  AIPと膵癌,胆道癌


  AIP,IgG4関連疾患からの全発癌について

6.自己免疫性膵炎の診療の国際展開
〈神澤輝実 下瀬川 徹〉


  自己免疫性膵炎の疾患概念の変遷


  自己免疫性膵炎の国際コンセンサス診断基準


  自己免疫性膵炎の治療法の変化


  自己免疫性膵炎の国際調査

7.膵疾患へのiPS細胞の臨床応用の可能性
〈小林俊寛 中内啓光〉


  iPS 細胞から膵β細胞への分化誘導


  臓器としての膵臓の再生に向けて

8.膵神経内分泌腫瘍の分子標的治療の現状
〈五十嵐久人 伊藤鉄英〉


  Everolimus


  Sunitinib


  他の分子標的薬および今後の展望

9.膵癌の個別化治療を探る
〈佐田政史 水元一博 大内田研宙 大塚隆生 田中雅夫〉


  膵癌に対する新規薬剤


  間質標的治療


  膵癌のゲノム解析と個別化治療への展開



―胆道―



10.生活習慣と胆道癌 ? 胆管癌集団発症への対策も含めて
〈正田純一〉


  胆道癌,肝内胆管癌の危険因子


  肥満・生活習慣病が及ぼす胆道発癌の分子メカニズム

11.胆道感染症の現状と対策
〈三好広尚 乾 和郎 芳野純治〉


  急性胆管炎


  急性胆嚢炎



IV.消化器外科



1.膵神経内分泌腫瘍(pNET)の診断と外科治療
〈青木 豪 坂田直昭 元井冬彦 海野倫明〉


  疫学


  診断


  外科治療

2.Reduced Port Surgeryの現況と課題
〈森 俊幸 得津敬之 杉山政則〉


  胆嚢摘出術


  虫垂切除術


  Inguinal Hernia, Ventral Hernia 食道・胃手術


  大腸


  肝・膵・脾

3.消化器外科と漢方
〈八重樫瑞典 大塚幸喜 若林 剛〉


  大建中湯


  六君子湯


  牛車腎気丸

4.HER2陽性胃癌の診断と治療
〈奥村直樹 山口和也 吉田和弘〉


  胃癌におけるHER2過剰発現


  抗HER2療法の現状


  ToGA試験


  HER2陽性胃癌の診断


  HER2陽性胃癌の治療


  HER2陽性胃癌における課題と展望

5.小児胆道閉鎖症に対する外科治療の現況と課題
〈新井真理 岩中 督〉


  疫学・病因


  分類


  手術時期


  手術

索 引

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 2013年2月に慢性胃炎に対するH. pylori除菌の保険適用が認められ,国家的プロジェクトとして,日本人の胃癌撲滅の大きなトライアルが始まりました.12月6日には,シメプレビルの発売が認可され,C型肝炎もインターフェロンを含む3剤併用によって,副作用が少なく,半年間の治療で約90%の患者さんに治癒が得られる時代が来ました.近々,経口薬だけでさらに高い治癒率が得られるようになると期待されています.膵癌の治療に関しても,12月20日にFORFIRINOX療法が認可され,膵癌診療に新たな展開が期待されています.このように,2014年に向けて,消化器領域ではさまざまな新展開がみられ,10年前には想像もできなかったほどに治療選択肢は拡大し,また,高い治療効果が得られるようになっています.この傾向は,今後,一層加速されると思われます.

 Annual Review消化器2014が完成し,今年も無事に発刊されることになりました.内容をみますと,まさに急速に進歩する消化器領域の研究,疾患の診断,治療を的確に反映しており,各疾患領域のトピックスとその解説が本書を読むことによっておおよそ理解できる充実した出来映えとなりました.

 消化管領域では,腸内細菌研究と消化管領域のiPS細胞の応用が話題として取り上げられ,CTコロノグラフィーを用いた大腸検診,MR enterographyなど診断面での新たな取り組みにも焦点があてられています.治療面では,話題のH. pylori除菌療法の今後の展開や好酸球性消化管疾患が取り上げられており,興味が持たれます.肝臓領域では,大きく変わろうとするウイルス肝炎の研究と治療を中心に,肝硬変診療の新たな展開や肝発癌の分子機構,治療の現状と今後,さらには,NASHやNAFLD,自己免疫性肝炎やPBCなど広い話題が取り上げられています.胆膵領域では,次世代シークエンサーによる膵炎関連遺伝子の網羅的解析,膵疾患へのiPS細胞の臨床応用など新たな研究領域の紹介の他に,急性膵炎の新アトランタ分類の紹介,自己免疫性膵炎と発癌の関連,膵癌の個別化治療など,臨床上重要なテーマが取り上げられています.消化器外科領域では,pNETの診断と外科治療,Reduced Port Surgeryの現況と課題,消化器外科と漢方など,内科医にとっても興味深い話題が取り上げられています.

 このように2014年版のAnnual Reviewも,話題性の高いテーマと臨床的に重要なテーマがバランスよく取り上げられ,今後の消化器病研究および診療の動向を理解するためにおおいに役立つでしょう.読者の皆様には是非,忙しい日常診療の合間に目を通していただき,消化器領域の進歩を実感していただけますと幸いです.

2014年1月
編集一同

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執筆者一覧

【編集】  
林  紀夫  関西労災病院病院長  
日比 紀文  北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センターセンター長  
上西 紀夫  公立昭和病院院長  
下瀬川 徹  東北大学教授  
【著者】  
安藤 朗  山田高嗣  中島祥介  
門馬久美子  満崎克彦  飯塚敏郎  
菊池大輔  貝瀬 満  長沼 誠  
緒方晴彦  岩切龍一  正岡建洋  
鈴木秀和  高城 健  穂苅量太  
鈴木 裕  浅香正博  斉田芳久  
大瀬良省三  岡本 渉  吉野孝之  
小林 拓  田中榮司  堤 武也  
小池和彦  渡邊綱正  田中靖人  
柘植雅貴  茶山一彰  林 紀夫  
小瀬嗣子  平松直樹  竹原徹郎  
中山伸朗  持田 智  福井 博  
田中 篤  内山 明  渡辺純夫  
飯島尋子  山下太郎  金子周一  
泉 並木  疋田隼人  竹原徹郎  
高見太郎  寺井崇二  坂井田功  
市田隆文  玄田拓哉  平野克治  
佐田尚宏  竹山宜典  片岡慶正  
保田宏明  阪上順一  粂 潔  
正宗 淳  下瀬川 徹  平野賢二  
神澤輝実  小林俊寛  中内啓光  
五十嵐久人  伊藤鉄英  佐田政史  
水元一博  大内田研宙  大塚隆生  
田中雅夫  正田純一  三好広尚  
乾 和郎  芳野純治  青木 豪  
坂田直昭  元井冬彦  海野倫明  
森 俊幸  得津敬之  杉山政則  
八重樫瑞典  大塚幸喜  若林 剛  
奥村直樹  山口和也  吉田和弘  
新井真理  岩中 督  

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