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書籍詳細

神経内科処方ノート

神経内科処方ノート

平井俊策 編

B6変 394頁

定価5,280円(本体4,800円 + 税)

ISBN978-4-498-02960-6

2002年01月発行

在庫あり

神経疾患,症状に対する治療方針と処方の実際を簡潔かつ具体的に示したベッドサイドのためのハンディな手引書である.日本で最大の神経専門病院である都立神経病院の専門医が,EBMに基づく治療法を基本としながらも著者らのノウハウを含めて実践的に解説した.現時点での主な神経疾患の標準的な治療法を知ることのできる便利な一冊である.



 神経疾患というと専門外の医師達は治療法のない疾患が多いという先入観を持ちがちである.確かに神経難病に指定されている変性疾患の中には,まだよい治療法のない本当の意味での難病があるが,多くの神経疾患では,一般に考えられている以上に治療法は発達しており,また早期診断,早期治療が有効な疾患も多い.ただ,他の器官の後遺症が外見上目立たないのに対し,神経疾患は一般の人にも容易にわかるような後遺症を残しやすいので,治らないという印象が強いものと思われる.
 さて最近では,いわゆるevidence-based medicine(EBM)ということが強調され,治療面でもEBMに基づいた治療が基本となっている.大半の神経疾患でも,inert placeboを対照とした多施設二重盲検比較試験で有意に優れると判定された治療法が行われており,これらの治療法の優劣についての統計的な検討も行われ報告されている.しかし,特殊な神経疾患では多数例についての検討が難しい疾患もあり,またEBMに基づいた検討が不充分でも,一般的な治療法が無効な場合に試みられて有効だったと報告されている方法もみられる.
 都立神経病院は,日本で最大の神経専門病院であり,非常に多彩かつ多数の神経疾患患者の診療を行っている.また最も多数の専門医が常勤医として勤務している病院でもある.EBMに基づく治療法を基本としながら,当院における治療法のノウハウをも含めた主な神経疾患の処方に関する本を執筆して欲しいという要望を受け,当院神経内科の各領域の専門家に執筆してもらってできたのが本書である.
 治療法は日進月歩であり,次々に新しい薬も出るので,このような治療法の本は,絶えず改訂されていかなければならないが,現時点における主な神経疾患の標準的な治療法を提示できたのではないかと考えている.
 実地臨床のお役に立つことができれば,誠に幸いである.

2001年 秋
平井 俊策

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目 次

§1.症候編
    1.意識障害…〈北口哲雄〉
    2.痙 攣…〈清水俊夫〉
    3.不随意運動…〈横地房子〉
    4.痙 縮…〈松原四郎〉
    5.頭 痛…〈平井俊策〉
    6.めまい…〈須田南美〉
    7.しびれ…〈宮崎之男〉
    8.健忘,痴呆…〈平井俊策〉
    9.神経痛…〈鏡原康裕〉
    10.神経疾患の排尿障害…〈神田武政〉
    11.神経内科疾患に伴う精神症状…〈中山 宏〉
§2.疾患編
  A.感染症
    1.髄膜炎…〈須田南美〉
    2.ヘルぺス脳炎…〈宮崎之男〉
    3.Creutzfeldt-Jakob病…〈八木晧一〉
    4.脳膿瘍…〈須田南美〉
    5.梅 毒…〈長尾雅裕〉
    6.AIDS…〈八木晧一〉
  B.脳血管障害
    7.脳出血(急性期)…〈廣木昌彦〉
    8.脳梗塞(急性期)…〈廣木昌彦〉
    9.脳血管障害(慢性期)…〈平井俊策〉
    10.一過性脳虚血発作…〈廣木昌彦〉
    11.無症候性脳血管障害… 〈平井俊策〉
    12.高血圧性脳症…〈廣木昌彦〉
    13.側頭動脈炎…〈林 秀明〉
  C.脱髄性疾患
    14.多発性硬化症…〈八木晧一〉
    15.急性散在性脳脊髄炎…〈八木晧一〉
  D.末梢性疾患
    16.Guillain-Barre症候群…〈磯崎英治〉
      ■Fisher症候群…
    17.慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー…〈磯崎英治〉
    18.単ニューロパチー…〈小森哲夫〉
    19.多発ニューロパチー…〈小森哲夫〉
    20.末梢性顔面神経麻痺…〈小森哲夫〉
  E.神経変性疾患
    21.Alzheimer病…〈平井俊策〉
    22.Parkinson病およびParkinson症候群…〈横地房子〉
      I.Parkinson病
      II.Parkinson症候群
    23.脊髄小脳変性症…〈磯崎英治〉
    24.Huntington舞踏病…〈沖山亮一〉
    25.筋萎縮性側索硬化症…〈加藤修一〉
    26.進行性核上性麻痺と皮質基底核変性症…〈加藤修一〉
      I.進行性核上性麻痺
      II.皮質基底核変性症
  F.不随意運動を主体とする病態
    27.本態性振戦(家族性振戦,老人性振戦を含む)…〈沖山亮一〉
    28.アテトーゼ,ジストニア…〈沖山亮一〉
    29.ミオクローヌス…〈小森哲夫〉
    30.口部ジスキネジア…〈沖山亮一〉
    31.片側バリズム…〈廣木昌彦〉
    32.片側顔面攣縮(痙攣)…〈大竹敏之〉
    33.Meige症候群…〈大竹敏之〉
  G.筋・神経-筋接合部疾患
    34.多発性筋炎,皮膚筋炎,封入体筋炎,その他の炎症性筋症…〈松原四郎〉
    35.重症筋無力症…〈松原四郎〉
      ■筋無力症候群〔Lambert-Eaton myastenic syndrome(LEMS)〕
    36.進行性筋ジストロフィー…〈宮本和人〉
    37.筋強直性ジストロフィー…〈川田明広〉
    38.周期性四肢麻痺…〈長尾雅裕〉
    39.筋融解を伴うミオパチー…〈北口哲雄〉
      I.低カリウム血性ミオパチー
      II.横紋筋融解
      III.悪性症候群
    40.ミトコンドリア脳筋症…〈川田明広〉
  H.脊椎・脊髄疾患
    41.変形性頸椎症・腰椎症…〈鏡原康裕〉
    42.亜急性連合性脊髄変性症…〈長尾雅裕〉
    43.脊髄梗塞…〈廣木昌彦〉
    44.HAM(HTLV-1 associated myelopathy)…〈八木晧一〉
  I.機能性疾患
    45.片頭痛…〈平井俊策〉
    46.群発頭痛…〈平井俊策〉
    47.緊張型頭痛…〈平井俊策〉
    48.てんかん…〈清水俊夫〉
  J.中毒・代謝性疾患
    49.アルコール中毒と農薬中毒…〈清水俊夫〉
      I.アルコール中毒
      II.農薬中毒
    50.Wilson病…〈平井俊策〉
  K.内科疾患に伴う神経障害
    51.膠原病,サルコイドーシス,ビタミン欠乏,悪性腫瘍に伴う神経障害…〈松原四郎〉
      I.膠原病
      II.サルコイドーシス
      III.ビタミン欠乏
      IV.悪性腫瘍に伴う神経障害
  L.その他
    52.主に脳外科の対象となる神経疾患の神経内科的対応…〈林 秀明〉
      I.クモ膜下出血
      II.慢性硬膜下血腫
      III.正常圧水頭症
      IV.脳腫瘍
      V.モヤモヤ病
      VI.脊髄腫瘍
      VII.脊髄空洞症

事項索引
薬品名索引

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