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書籍詳細

血液疾患における多職種の関わり

血液疾患における多職種の関わり

〜5つの症例から考えるチーム医療の実際〜

前田裕弘  編著

A5判 230頁

定価4,840円(本体4,400円 + 税)

ISBN978-4-498-22520-6

2020年03月発行

在庫あり

5つの血液疾患の症例を、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなど、チームとして診療に携わったスタッフがそれぞれの視点から解説。刻一刻と変化していく患者自身の病状や心理にどのようにして寄り添い、診療を行ったかを克明に記した。症例を多方面から解析しより深く考察することで、チーム医療で最良の治療を提供するための道標となる一冊である。

 私は1980年近畿大学医学部を卒業し,堀内 篤先生が主宰されていた第三内科に入局しました.当時の第三内科は血液疾患,膠原病,腎疾患,神経疾患と守備範囲の広い診療科であり,2年間の研修で血液疾患以外の多くの症例を経験しました.いわゆるgeneral medicineを学ぶよい環境で,後にこの臨床経験が,血液疾患の診療に非常に役立つことになりました.無事に研修が終了し,本格的に血液疾患診療に没頭しました.1983年に第三内科初の骨髄移植症例の主治医になり,28歳の再生不良性貧血の患者様で,無事骨髄が生着し,血球が回復してきたときの感激は今でも忘れません.しかし,当時の血液疾患の診療は,現在のように臨床心理士,理学療法士の関与や薬剤師による服薬指導などもなく,主治医が孤軍奮闘し,何でも医師が行う時代であったため,チーム医療という概念もなかったように思います.本書に示しますように,現在では多職種によるチーム医療が一般的に行われております.そのため,症例を多方面から解析することができ,より深い考察のもとに患者様にとって最良の治療方針が得られる環境が整備されております.これから血液疾患診療をされる方々にとって本書が一つの道標になり,お役に立てば幸いに存じます.また,本書を完成させるためにご尽力いただいた各先生および多職種の方々に,深謝申し上げます.

2020年3月吉日
前田裕弘

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もくじ
0 はじめに〜本書で扱う5つの血液疾患について〜  [前田裕弘]
 1. 多職種連携の必要性 
 2. 本書で扱う5つの血液疾患について
  1急性リンパ性白血病(ALL)
  2成人 T 細胞性白血病(ATL
  3特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
  4ゴーシェ病
  5骨髄異形成症候群(MDS)

1 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と合併症の治療に難渋した症例
 [金井良高,藤井由加里,吉田奈央,赤石奈美,辻岡舞衣子,豊永昌子,麻生真弓]
 1. ITPってどんな病気?  
  1何が原因で起こるの?
  2どんな症状が出るの?
  3どうやって診断するの?
  4どんな治療をするの?
 2. 実際のITP患者の症例 
  1救急搬送され入院!
  2治療は予想外に難航
  3手術を目指して
  4さらなる問題が⁉
  5手術をしたのになかなか治らない?
  6本当にITP ⁇
  7今度は感染症?
  8一難去ってまた一難
  9ようやく退院の目途が
  10リハビリテーションに関わってくれた方達の声
 3. 退院をめざす! 
  1退院に向けた今後の治療戦略
  2MSWって?
  3退院支援に関わった看護師とMSWの声
 4. 外来でも治療が続いています 

2 急性リンパ性白血病(ALL)に対し、同種造血幹細胞移植を受けた若年女性の例
 [山本健太,小林鈴世,川邊真緒,木村美佐子]
 1. ALLってどんな病気? 
  1ずばり解説します,急性リンパ性白血病
  2移植ってなんでするの?
 2. 実際のALL患者の症例 
  1白血病が見つかるまで
  2治療が始まってからの道のり
  3今ってどんな気持ち?
  4地固め療法から移植までの道のり
  5移植しているとき何がつらかった?
 3. 外来通院 
  1無事に退院できたはいいけど… つらい移植後の合併症とは
  2退院して困ったことは?
  3若年女性ならではの精神的苦痛とは
 4. 症例を振り返って  

3 成人T細胞性白血病(ATL)を発症し,長期間,皮膚疾患を併発した症例
 [江口 剛,川上智久,辻岡舞衣子,木村美佐子,小澤徹也]
 1. ATLってどんな病気? 
  1何が原因で起こるの?
  2どんな症状が出るの?
  3主な治療法
 2. 実際のATL患者の症例 
  1主治医の声
  2薬剤師の声
  3看護師の声
  4臨床心理士の声
  5MSW(医療ソーシャルワーカー)の声

4 同種造血幹細胞移植後の早期再発患者への医療チームの関わり    
 [前田裕弘,光川こころ,木村美佐子,藤井由加里]
 1. 同種造血幹細胞移植の背景
 2. 実際の同種移植患者の症例 
 3. 実際の同種移植患者への多職種の関わり
  1寛解導入療法から地固め療法,合併症による治療中断
  2同種移植〜移植後合併症〜移植後再発
  3ターミナルケア 
 4. 移植後再発の患者を通じて各職種にできること 

5 骨髄異形成症候群(MDS)の陰にゴーシェ病が隠れていた症例 
 [岡本充史,中野希佳,麻生真弓,植林瑞稀,箕曲涼子,山地明日香,橋本律子,瀬戸口 由]
 1. ゴーシェ病,MDSってどんな病気?
  1ゴーシェ病とは?
  2骨髄異形成症候群(MDS)とは?
 2. 実際のゴーシェ病患者の症例 
  1初回入院から退院(ゴーシェ病診断)まで
  2告知から治療まで
  3ゴーシェ病の治療を始めましょう!
  4通院での加療
  5白血病の治療もしなきゃ!!
 3. ゴーシェ病のリアル〜問題とその解決に向けて〜  

さくいん 

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執筆者一覧

前田裕弘  国立病院機構大阪南医療センター 副院長/がん疾患センター 部長 編著
金井良高  国立病院機構大阪南医療センター血液内科 
藤井由加里 国立病院機構大阪南医療センターリハビリテーション科 
吉田奈央  国立病院機構大阪南医療センターリハビリテーション科 
赤石奈美  国立病院機構大阪南医療センターリハビリテーション科 
辻岡舞衣子 国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
豊永昌子  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
麻生真弓  国立病院機構大阪南医療センター地域医療連携室 
山本健太  国立病院機構大阪南医療センター血液内科 
小林鈴世  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
川邊真緒  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
木村美佐子 国立病院機構大阪南医療センターがん相談支援センター 
江口 剛  国立病院機構大阪南医療センター血液内科 
川上智久  国立病院機構大阪南医療センター薬剤部 
小澤徹也  国立病院機構大阪南医療センター地域医療連携室 
光川こころ 国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
岡本充史  国立病院機構大阪南医療センター血液内科 
中野希佳  国立病院機構大阪南医療センター看護部長室 
植林瑞稀  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
箕曲涼子  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
山地明日香 国立病院機構大阪南医療センター西館7階 
橋本律子  国立病院機構大阪南医療センター西館7階 副看護師長 
瀬戸口 由 国立病院機構大阪南医療センター薬剤部 製剤主任 

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血液疾患における多職種の関わり
   定価4,840円(本体4,400円 + 税)
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