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書籍詳細

救急外来 ただいま診断中! 第2版

救急外来 ただいま診断中! 第2版

坂本 壮 著

A5判 626頁

定価7,040円(本体6,400円 + 税)

ISBN978-4-498-06683-0

2024年10月発行

予約受付

ひとり当直の絶対的な定番書が全面改訂して登場!

2015年の初版刊行以来,研修医やひとり当直の絶対的な定番書として多くの読者から支持を得てきた「救急外来 ただいま診断中!」がほぼ10年ぶりに全面的に改訂されて登場.より現場のニーズに応えるべく各項目の内容や文献等を最新の知見を反映し大幅に加筆.さらに新規項目として現場でよく遭遇する「呼吸困難」と「嘔気嘔吐」の2項目を追加するなど100ページを超える大幅なボリューム増で,より実践的な“救急現場で役立つ”内容となった.医師になったら,まず読むべき最初の1冊としておススメの書です.

第2版の刊行に寄せて


 
 2015年に上梓された『救急外来  ただいま診断中!』の改訂版がついに登場した.救急外来におけるいわゆる救急の王道はほぼすべて網羅しており,かつ内容の掘り下げがしっかりしているのが単なるマニュアルにとどまらない所以であり,医学生や研修医には内容をしっかり理解・暗記してもらいたい.国家試験を受けるまでは目の前にある選択肢A〜Eのどれかを選ぶことができる,つまり『知っている』知識でよかったが,臨床現場に出たからには,自頭力で鍛えた『使える知識』に転換しないと,まったく役には立たない.患者さんは『さて私の病態はどれでしょう.以下の5つのうちから選びなさい』とは決して言ってはくれない,当たり前か(笑).本書は単なる診断学やマニュアルと違い,臨床現場での生きた知識やピットフォール等が丁寧に記載されているので,面倒くさがらずにしっかり読みこんでほしい.
 本書は救急外来で頻繁に遭遇する大事な病態をカバーしている.あらためて救急って本当に広い範囲をカバーしないといけないんだなぁと痛感する.それぞれの章で,疾患の臨床像,診断,治療方針に加えて,救急の現場で求められる即応性や判断力を強化するための具体的なアプローチが詳述されているのが実にいい.ER医の視点からは,動物咬症や中毒,外傷全般などどんどん欲張ってしまうが,多くの研修医が本当に身につけないといけない救急の知識に絞って詳説している点がむしろ本書のきらめきポイントであり,将来どこの科に進もうと,本書で身につけた救急の知識はきっと生きていくはずだ.救急の王道,ここに極まれり♪
 本書のうまいところは,教え方・伝え方にある.坂本先生の専売特許の『Hi-Phy-Vi』は実に役に立ち,初学者が基本に立ち返るのに大きな役割を果たしている.各章は初学者が覚えやすいようにポイントを絞り込んでいる.意識障害10の鉄則,失神を見たら心血管性と出血性を否定せよ,アナフィラキシーではアドレナリンを正しく使用せよなど,指導医として一番伝えたいキャッチコピーがいい.当たり前という前にその根拠をきちんと理解していることが,将来知識の枝葉をつけていくには重要なんだ.ところどころに坂本流の指導が見え隠れしているから探してみてほしい.例えば意識障害のAIUEOTIPSに大動脈解離を付け加えているところが興味深い.また情報も刷新されており,中毒検索は今やトライエージTMではなく,アイベックス  スクリーン®M-1やSIGNIFYTMERだし,ロラゼパム注射薬も日本で2019年から使えるようになっている.
 文章内の各数値は文献的考察がなされており,信頼性が高いのがいい.重鎮の先生が経験則的な治療を羅列するマニュアルとは一線を画し,単著で信頼性が高いevidenceがあるだけでも価値がある.この手の本は,どんな文献が参考文献に並んでいるかでその本の良し悪しが決まると言っても過言ではない.PMIDのみの提示では信頼できる雑誌か,何年の文献かもわからない.
 初学者はもちろん,救急ナースや指導医もぜひ一冊丸々覚えちゃいましょう!

2024年8月
福井大学医学部附属病院救急科総合診療部
林 寛之

巻頭言



 消防白書によると救急搬送患者数は増加の一途を辿っており,一日平均1万6千件を超え,5.3秒に1回の割合で救急隊が出動しているという.対して受け入れ側の救急告知医療機関は減少しており,全国的に救急患者を積極的に受け入れる医療機関では,患者増加により忙しさを増していることは明らかだろう.
 本書のテーマとなっている「救急外来」を一言で表すと「混沌」ではなかろうか.「混沌」と辞書を引くと,「入りまじって区別がつかず,はっきりしないさま」とある.「救急外来」には老若男女様々な患者が来院し,患者の緊急度・重症度も様々である.また診察する方も全ての専門科が揃っている昼間の一般外来と違って,限られた人数の限られた専門科の医師で,その多くは経験の浅い若手である.救急外来の「混沌」で特に問題になるのは,軽症患者の中に重症患者が潜むことである.それらを如何に拾い上げるか,プロセスそのものが教育としても有効であり,示唆に富む症例が多いこともまた,「混沌」の所以ではなかろうか.
 多くの臨床研修病院と同じく,当院でも豊富な救急外来症例を研修医教育の軸としている.臨床研修病院として研修医を受け入れて8年になるが,屋根瓦式の研修医教育を心掛けた結果,基本コースはフルマッチを続けている.この豊富な症例は,都心部の病院にもかかわらずcommon diseaseから重症症例まで経験できるという意味で,研修医にとっても魅力的な宝物であり,そこに魅力を感じて集まってきてくれた研修医もまた,我々にとっては宝物である.
 本書の著者である坂本壮医師は,特に研修医教育に情熱を注ぐ救急専門医,集中治療専門医であるが,そもそも彼は当院の受け入れたマッチングによる最初の臨床研修医の一人である.当院に入職した際は,決して抜群の医学的知識を持っていたわけではなかったが,研修2年目,救急・集中治療科の後期研修医と進む過程で,同僚や後輩達と勉強会を重ね,まさに屋根瓦式の教育を確立していった.我々の教えたことを常に自分なりに解釈し,時に疑い,経験的な情報に学術的な根拠を加え,系統的な教育手法とした彼の勉強会は,現在は当院だけでなく色々な場所で好評と聞いている.人に教えることで彼自身も成長したことに疑いはないが,現状に甘んじることなく成長を欲した彼の姿勢を特に賞賛したい.
 さて本書は坂本医師が勉強会で行っている内容をもとに,主に研修医を対象にまとめたものである.しかし内容はとても奥深く,研修医の悩みどころを知っているが故に書けた参考書と納得ができる.これだけの物を作り上げさぞ疲労困憊と思いきや,彼はむしろ達成感と充実感に満ちている.恐らくこの教育に対するエネルギーこそが,日々の診療にも良い影響を与えているのではないだろうか.情熱,知識,経験,全ての事が反映されている本書は,研修医だけでなく,全ての救急外来に携わる医療人に素晴らしいものをもたらすことを確信している.

2015年11月
順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科科長,先任准教授
杉田 学

第2版の序



 「ここから  広い世界へ  踏み出せば  見つけられるか  今一人で行くべき道を  ああ  この胸満たす何か  追い求めて  地図にない道  歩こう  どんな出会いが  あるのだろう」.これは2022年にJR東日本四季劇場〔秋〕で開幕したミュージカル『バケモノの子』の中で歌われる「新しい旅」の一節です.偶然にもバケモノの世界に迷い込んだ蓮(れん)はバケモノの熊徹と出会い,厳しい修行を通じて成長していきます.蓮は熊徹に九太と名付けられ,熊徹との絆を深める一方で,人間としての自分の道を模索していきます.
 私が勤める総合病院国保旭中央病院は,約1,000床の病院で,年間約10,000台の救急車,45,000人以上の患者が救急外来を訪れます.その初療を初期研修医とともに担う毎日ですが,彼らの成長には日々驚かされ,彼らから学ぶことも多いものです.緊急性の高い患者に対して迅速かつ的確な対応を求められる中で,彼らは限られた経験と知識を最大限に活かして懸命に取り組んでいます.試練の連続ではありますが,一瞬一瞬が学びと成長の機会であることは間違いありません.
 研修医たちを教育することは,救急外来の未来を支える土台作りに他なりません.優れた救急医を雇うことも重要ですが,彼らを育て,支える教育システムがあれば,研修医は十分救急外来の戦力となるでしょう.
 この本の元になっているのは,第1版の序でも記載しましたが,自施設で行っていた初期研修医対象の勉強会です.現在では,自施設にとどまらず全国の研修医へ指導する機会をいただいています.そのような経験を通じて感じることは,全国どこでも悩んでいる点の多くは共通しているということです.珍しい疾患や特殊な病態に悩んでいることよりも,頻度の高い症候や疾患の初期対応に頭を悩ませていることの方が圧倒的に多いのです.医学は日々進歩し,新たな検査や治療はドンドン生み出されます.しかし根幹となる大切なことは意外と変わらないものです.
 「あっという間に  8年もすぎたけれど  この道を歩き続けて  いいのか  俺は」.冒頭の「新しい旅」にはこのような台詞も出てきます.初版から8年,いや9年が経過しました.私も日々迷いながら人生の選択をしていますが,少なくともみなさんが救急外来で迷いながらも本書を地図として読み解き,適切な目的地へ辿り着くことを祈っています.
 この本の改訂は数年前から行う予定でしたが,コロナ禍を理由に延期を繰り返してしまいました.宮崎さん,上村さんはじめ中外医学社の皆様に支えられ,本書は第2版を出版することができました.ありがとうございます.
 最後に,時には不満を漏らしながらも,結局は全力で協力してくれる救急外来の仲間たち,そして常に支えてくれる大切な家族へ,深い感謝の気持ちを込めて.

帝国劇場クロージング公演  ミュージカル『レ・ミゼラブル』
のチケット獲得に奔走中の2024年8月
坂本 壮





 「ひとりひとり  皆のために  皆は  ひとりのために  剣をかざせ  力合わせ  立ち向かえ  どこまでも  どんな困難も  くぐり抜ける  共に肩並べ  いざ進め  いざ進め  仲間たち」.これは2011年に帝劇開場100周年記念公演として上演されたミュージカル三銃士(MUSICAL 3 MUSKETEERS)の中で歌われる「ひとりは皆のために」の一節です.みなさんも“One for all, All for one.”という言葉は聞いたことがあると思います.この言葉はアレクサンドル・デュマの小説,「三銃士」の中の合言葉「Tous pour un, un pour tous(トゥ・プル・アン,アン・プル・トゥ)」で有名となりました.日本では「スクール☆ウォーズ」というドラマの名シーンでも使用されていましたね(学生時代ラグビー部だった私はレンタルして繰り返し観た記憶があります).「三銃士」の中でダルタニャンが三銃士(アトス,ポルトス,アラミス)とともに一致団結して戦う際にこの言葉は歌われます.
 私が勤める順天堂大学練馬病院は東京都練馬区にある400床の病院で年間約6500台の救急搬送症例を対応しています.近隣に救命センターがないため2次救急ではありますが,3次対応の重症患者も多く来院します.重症患者であった場合,多数の患者が来院した場合には,1人で対応するのには限界があります.またどうしたらよいか悩むことも少なくありません.そんな時助けになるのは救急外来で共に働く仲間です.力を合わせれば大抵のことはできます.「三銃士」のように皆で一致団結して診療にあたることが必要です.
 しかし仲間が戦力外であっては困ってしまいます.はじめて救急外来に立った初期研修医はなにをすべきかわからなくて当然です.国家試験のために必死に勉強した内容は卒業旅行で一気に頭の中からは消去されています.そこで救急外来の基本事項を身につけるきっかけになればと思いこの本を執筆しました.
 この本の元になっているのは,私が毎月2回程度研修医を対象に行っている勉強会です.私が日常の業務のなかで,研修医に伝えたい基本的な事項を中心に書きました.この本によって1人でも多くの研修医が救急外来の戦力となり,そこから共に働く仲間として一致団結していくことが私の望みです.
 この本の話をいただき2年以上の時間がかかってしまいましたが,その間何度もメールや打ち合わせをしてくださった宮崎さまはじめ中外医学社の皆様に御礼申し上げます.
 最後に杉田先生はじめ順天堂大学練馬病院の皆様,私を成長させてくれた研修医のみんな,いつも嫌な顔もせず支えてくれた妻,お転婆な子どもたちに感謝します.

2015年11月
坂本 壮

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はじめに
 (1)救急外来での心構え
 (2)Common is common !
 (3)病歴聴取を怠るな!
 (4)身体診察も怠るな!
 (5)バイタルサインの解釈は適切に!
 (6)原因検索を怠るな!
 (7)急性か慢性か,それが問題だ!
 (8)救急外来における“検査の3種の神器”
 (9)内服薬,アレルギーの確認は忘れずに:くすりもりすく!
 (10)説明は処方箋であり,経過観察は治療の1つである!
 (11)2度あることは3度ある!
 (12)常に初診の気持ちで対応を!
 (13)後医は名医
 (14)Teaching is learning twice over !

1. 意識障害に出会ったら
 原因を見逃さないための10の鉄則
 はじめに
 意識障害の原因@救急外来
 意識障害患者へのアプローチ【10の鉄則】

2. 失神に出会ったら
 心血管性・出血性を否定せよ!
 疑わなければ診断できない!
 失神の定義:意識障害,痙攣と明確に区別しよう!
 失神の病態生理:なぜ失神は起こるのか?
 失神の分類
 失神の原因と予後:疫学を把握する!
 失神患者のアプローチ:失神と判断した,その後は…
 病歴・病歴・病歴:目撃者を探せ!
 Convulsive syncope(痙攣性失神)
 心血管性失神を見逃さない!
 起立性低血圧(orthostatic hypotension)も見逃さない!
 反射性失神(reflex syncope):最も多い失神!
 検査:(1)心電図 (2)エコー(心臓・腹部) (3)血液ガスが3種の神器
 帰宅or入院
 Check point:帰宅の判断の前に確認しよう!

3. 痙攣に出会ったら
 目撃者を探せ!
 疑わなければ診断できない!
 本当に痙攣か?:意識障害,失神と明確に区別しよう!
 痙攣とは:定義は正確に!
 痙攣の原因:頭蓋内疾患以外も鑑別に挙げること!
 痙攣のアプローチ:痙攣と判断した,その後は…
 痙攣を示唆する病歴・身体所見
 痙攣重積/てんかん重積:見逃すな! 定義は正確に!
 抗痙攣薬を内服しているかも?
 痙攣を誘発し得る薬剤:内服薬をもらさず確認!
 検査:(1)血液ガス (2)心電図 (3)頭部CT (4)採血
 治療:ABCを確認し目の前の痙攣を止めよう!

4. ショックに出会ったら
 早期発見・早期治療を心がけよ!
 はじめに
 アプローチ:Time is money !
 ショックの認識
 ショックを4つに分類:素早く分類しよう!
 その他鑑別に有用なpoint:「ショック+徐脈」を見逃すな!
 初期治療

5. アナフィラキシーかな?と思ったら
 アドレナリンを正しく使用せよ!
 はじめに
 アナフィラキシーの実態
 アナフィラキシーを正しく診断しよう!:消化器症状の聴取を忘れずに!
 アナフィラキシーのABCD:緊急性を瞬時に判断!
 アドレナリン
 グルカゴン
 アドレナリン静注
 原因
 ヒスタミン中毒:アレルギー反応と簡単にいってはいけない!
 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis: FDEIA)
 パンケーキ症候群(経口ダニアナフィラキシー)
 遅発性アナフィラキシー(delayed anaphylaxis/late-onset anaphylaxis)
 治療:使用薬剤は限られている!
 二相性反応(二峰性反応,遅延性反応)
 アレルゲンの交差反応
 帰宅or入院
 SAFE system
 エピペンⓇ:早期発見,早期治療! 患者教育を忘れずに!
 予防に勝る治療なし!

6. 敗血症かな?と思ったら
 早期発見・早期治療を心がけよ!
 はじめに
 感染症のvital signs:呼吸数を軽視するな!
 敗血症の定義:敗血症と菌血症は似て非なるもの!
 敗血症の重症度分類:定義は正確に!
 いつ疑うか?
 敗血症の身体所見
 Skin mottling score(SMS)
 敗血症のfocus
 敗血症でなぜ血液培養?!
 検査
 救急外来での初療の実際:『1時間バンドル+α』を遂行せよ!
 昇圧薬,まずはノルアドレナリン
 ノルアドレナリンのタイミング
 ノルアドレナリンの実際の使用方法
 バソプレシンの使用方法とタイミング

7. 尿管結石かな?と思ったら
 正しく診断しよう!
 はじめに
 疫学:尿管結石はcommon diseaseだ!
 診断:除外診断と心得よ!
 各種検査の感度・特異度
 CHOKAI score
 結石が嵌頓しやすい場所
 結石の大きさvs排出率
 治療:使用する薬剤とタイミングをcheck !
 泌尿器科コンサルトのタイミング
 帰宅or入院
 まとめ

8. 疼痛患者に出会ったら
 痛みの問診を習得せよ!
 痛みの問診OPQRST:突然発症には特に注意!
 検査の3種の神器:(1)血液ガス (2)エコー (3)心電図
 重症度評価
 Common is common !:Majorな疾患のminorなsignを見逃すな!
 最後に

9. 頭痛患者に出会ったら
 クモ膜下出血を見逃すな!
 頭痛の分類:一次性頭痛か二次性頭痛か
 頭痛のred flag signs:危険なサインを見逃すな!
 救急外来で絶対に見逃してはいけない2大疾患
 クモ膜下出血:早期に疑い愛護的に!
 一次性頭痛:緊張型頭痛と片頭痛の違いを明確に! 薬物の使用過多による頭痛の鑑別を忘れずに!
 一次性頭痛の特徴:出会う頻度の高い緊張型頭痛と片頭痛の特徴
 その他の疾患:頭蓋内疾患以外も忘れずに!

10. 胸痛患者に出会ったら
 Pitfallsを知ろう!
 急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)
 はじめに
 定義
 疫学
 診断:確認すべき3つの事項
 胸痛患者の問診:OPQRSTをcheck !
 救急外来でのアプローチ
 Vital signsと身体所見:急性心不全,致死性不整脈を見逃すな!
 検査
 治療
 急性大動脈解離(aortic dissection)
 はじめに
 疫学
 大動脈解離は否定できるか?
 いつ疑うか
 症状
 救急外来でのアプローチ
 Vital signsと身体所見
 検査
 治療
 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: PTE)
 はじめに
 疫学
 肺血栓塞栓症は否定できるか?
 いつ疑うか:疑わなければ診断できない!
 救急外来でのアプローチ
 Vital signsと身体所見
 検査
 診断アルゴリズム
 治療

11. 腹痛患者に出会ったら
 恐い腹痛を除外せよ!
 はじめに
 急性腹症
 救急外来で特に問題となる2つの疾患+α

12. 吐下血に出会ったら
 緊急内視鏡の適応を理解せよ!
 はじめに:感染対策は基本中の基本
 消化管出血の疫学
 消化管出血のリスク:2大リスク+αをcheck !
 消化管出血にまつわるpitfalls
 消化管出血患者の診るべきpoint:vital signs+検査の3種の神器+α
 消化管出血の鑑別
 リスク評価
 治療
 緊急内視鏡の適応:最重要point !
 再発予防

13. 高K血症かな?と思ったら
 診断と治療の正しい理解
 はじめに
 高K血症の定義と重症度分類
 いつ疑うか:慢性腎臓病患者では常に疑うこと!
 高K血症の原因:原因検索を怠るな!
 高K血症のアプローチ:緊急性の判断を適切に!
 まとめ:緊急性の高い患者群
 透析患者について
 治療:それぞれの作用機序を理解すること
 まとめ:救急外来での治療の考え方

14. 肺炎かな?と思ったら
 重症度を正しく評価しよう!
 はじめに
 正しく診断しよう!
 重症度を正しく評価しよう!
 誤嚥性肺炎を正しく診断しよう!
 結核を忘れずに!
 肺炎vs心不全:思っている以上に区別は難しい!
 治療
 治療効果判定:グラム染色を行おう!

15. 尿路感染症かな?と思ったら
 除外診断と心得よ!
 はじめに:疑うことから全てが始まる!
 尿路感染症の分類
 疫学:尿路感染症はcommon diseaseだ!
 いつ疑うか?:疑わなければ診断できない!
 尿路感染症の診断:尿路感染症を正しく診断しよう!
 尿路感染症の重症度
 検査
 原因菌
 無症候性細菌尿:治療対象か否かを見極めよ!
 治療
 治療効果判定:臓器特異的所見をcheck ! グラム染色で判断を!
 急性単純性腎盂腎炎の解熱時間
 Oral switch:経口の抗菌薬への変更はいつか?
 帰宅or入院

16. 髄膜炎かな?と思ったら
 腰椎穿刺の閾値を下げよ!
 はじめに
 疫学
 いつ疑うか?:意識障害患者では必ず鑑別に入れること!
 診断:臓器特異的所見で評価せよ!
 髄膜炎の重症度
 検査:腰椎穿刺を躊躇するな!
 細菌性髄膜炎を検査所見で除外できるか?
 治療:正しい選択は?
 抗菌薬の選択は正しく行うこと!:髄膜炎か否か,それが問題だ!
 ステロイド:抗菌薬投与前に投与
 治療効果判定:臓器特異的所見を評価せよ!
 無菌性髄膜炎
 ヘルペス脳炎

Mini Lecture  抗菌薬の選択−具体的な菌を想定し決定しよう!

17. めまいに出会ったら
 歩けなかったら要注意!
 はじめに
 疫学
 本当にもめまいか?:めまいの分類をしよう!
 救急外来でのアプローチ
 誤診の5つの理由
 最後に

18. 頭部外傷に出会ったら
 原因検索が最重要
 はじめに
 頭部外傷のアプローチ
 抗血栓薬内服中の患者へのアプローチ
 脳震盪:侮ってはいけない脳震盪!

19. 低血糖かな?と思ったら
 ブドウ糖投与しておしまいじゃ困っちゃう
 はじめに
 いつ疑うか?:意識障害患者ではまず鑑別!
 低血糖の定義:低血糖を正しく診断しよう!
 低血糖の原因:低血糖を起こしやすい人は誰かを知り,原因検索を怠るな!
 病歴
 Vital signs:意識障害を軽視するな! 普段と比較! 左右差に注目!
 身体所見
 症状:冷や汗に注目!
 検査:低血糖に至った原因検索を忘れずに!
 低血糖による脳障害
 持続する低血糖
 低血糖と高血糖を繰り返す:手技・注射部位の確認を忘れずに!
 SU薬とインスリンの種類と作用時間
 血糖低下を起こし得る薬剤:AMPLE聴取を怠るな!
 治療

20. 脳卒中かな?と思ったら
 病歴聴取が最重要
 はじめに
 脳卒中の疫学
 救急外来でのアプローチ:脳卒中を疑ったら
 危険因子
 画像:CT,MRI&MRAの限界を理解しよう!
 脳卒中もどきに騙されるな!:らしくない所見を診たら立ち戻ろう!
 TIAを見逃すな!:脳梗塞と同様に扱うべし!
 血栓溶解療法の適応を正しく理解する!
 血栓回収療法
 脳卒中患者の血圧はどうしたらいいの?

21. アルコール患者に出会ったら
 お酒にまつわる落とし穴
 はじめに
 アルコール患者と救急外来:来院パターン
 アルコール患者のアプローチ:意識障害があれば“鉄則”に則ること!
 アルコール患者の身体所見/検査所見
 ビタミンB1:アルコール患者では常に意識しておくこと!
 アルコール多飲患者に特有の疾患
 アルコール依存か否か:家族・友人からの聴取を忘れずに!
 アルコールをwash out?!
 感染対策を忘れずに:いかなる時も自分の身を守ること!
 帰宅or入院:判断は冷静に!

22. 呼吸困難に出会ったら
 姿勢,呼吸数,症状に注目せよ!
 はじめに
 危険なサインを見逃すな!
 酸素投与を躊躇しない
 呼吸困難の原因
 心不全:総合的な評価,原因検索を怠るな!
 呼吸困難患者の注目すべきHi-Phy-Vi
 検査
 救急外来でのアプローチ

23. 嘔気・嘔吐に出会ったら
 消化器疾患以外から考えよう!
 嘔気・嘔吐の鑑別疾患
 嘔気・嘔吐の神経伝達
 「+α」に注目
 胃腸炎が満たすべき3つの条件
 中毒を見逃さないために
 救急外来でのアプローチ

24. 心停止に出会ったら
 胸骨圧迫が超重要
 はじめに
 心停止患者のアプローチ
 蘇生中止(termination of resuscitation: TOR)の基準
 予防:予防に勝る治療なし!
 最後に:己の限界を知り,協力して治療にあたろう!

コラム
 身体診察スキル向上のために
 時代の流れを見逃さず,中毒を見逃さない
 ルーチン検査なんてあり得ない!
 救急隊を尊重しよう!
 Good bye EGDT,thank you EGDT !
 既往歴の正しい聞き方
 家族歴の正しい聞き方
 造影剤腎症,正しく理解していますか?
 準備ができない者に手技を行う資格はない!
 血液ガスは静脈血で十分!
 急がば回れ! 理解していなければ意味がない!
 患者,家族への説明はこまめに丁寧に
 勉強会のススメ
 ケア移行の重要性
 治療方針は医師次第?!
 過換気症候群の対応
 10分よりも3分×3

索引

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坂本 壮  著

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