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書籍詳細

医学生・研修医のための感染症内科

医学生・研修医のための感染症内科

岩田健太郎 著

B5判 220頁

定価4,400円(本体4,000円 + 税)

ISBN978-4-498-02154-9

2025年05月発行

予約受付

通読可能! 岩田先生による感染症内科の新たなテキスト
日本の臨床感染症界のオピニオンリーダーとして活躍を続ける岩田健太郎先生が独自の視点から感染症内科診療についてまとめた全く新しいスタンダードテキスト.医学生・研修医向けのテキストという体裁を取ってはいますが,1章が「感染症診断の原則」,2章が「抗菌薬使用の原則」,3章が「抗菌薬各論」という構成からもわかる通り,非常に実践的かつ臨床に即した内容となっています.また岩田流ともいえるリーダビリティの高い文章によって,教科書ということを忘れてテキストを読み進めてしまうことでしょう.

序文


 私が学生の時は,日本語で読める「ちゃんとした」感染症の教科書は皆無だった.誇張ではない.ゼロだったのだ.今は,優れた和書が多数出ているから,学生さんは「どれを選べばよいのか」という贅沢な悩みを抱えているだろう(教科書読まないってことはないですよね).そんな羨ましい時代に,新たに屋上屋根を重ねてテキストを作る意味はあるのか?本書執筆の依頼を受けたとき,私はちょっと,悩んだ.で,できたのがこういう本である.なぜ,この本なのか.類書との違いはどこにあるのか.それは読者諸兄が実際にお読みになってご判断くださることと思う.
 日常の学生教育,研修医教育のエッセンスをテキストにしたのが本書である.往時よりだいぶマシになったとはいえ,感染症のプロがいない医療機関は多い.オーセンティックな感染症教育を受けることができない医学生や研修医をイメージして,本書は作られた.

2025年3月
岩田健太郎

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I 感染症診断の原則

診断しなければ,何も始まらない
こういうのは「診断」じゃない
正しい診断がなくても,正しい判断はあり得る
感染症診断の病歴聴取
病歴聴取の有責性
感染症診断の診察法
感染症診断の検査学
Column  主治医の意向は診断に寄与しない

II 抗菌薬使用の原則

抗菌薬の薬理学
 最小阻止濃度(minimum inhibitory concentration: MIC)
 Column  臨床医学の教科書はもう不要なのか
 Column  AIの時代に英語力は不要か
 Column  合理的な処方,合利的な処方

III 抗菌薬各論

1 βラクタム薬
 ペニシリン
  (1)注射薬
  (2)経口薬
    Column  「正しさ」と屋根瓦と自学の話
2 βラクタマーゼ阻害薬
 デュルロバクタム
3 セフェム系抗菌薬
 A. セファゾリン
 B. セファレキシン
 C. セファクロル
 D. セフメタゾール
 E. セフトリアキソン
 F. セフォタキシム
 G. セフタジジム
 H. セフェピム
 I. セフトロザン
 J. セフィデロコル
4 Me too drugsの考え方
5 AWaRe分類の考え方
6 カルバペネム
 A. イミペネム・シラスタチン
 B. メロペネム
 C. イミペネム・シラスタチン・レレバクタム
7 モノバクタム
 アズトレオナム
8 マクロライド系抗菌薬
 A. アジスロマイシン
 B. クラリスロマイシン
9 テトラサイクリン系抗菌薬
10 トリメトプリム・スルファメトキサゾール(ST合剤)
11 メトロニダゾール
12 フルオロキノロン
13 抗MRSA薬
 A. バンコマイシン
 B. テイコプラニン
 C. ダプトマイシン
14 オキサゾリジノン系
 A. リネゾリド
 B. テジゾリド
15 アミノグリコシド
 A. ゲンタマイシン
 B. トブラマイシン
 C. アミカシン
 D. ストレプトマイシン
16 リンコマイシン系
 クリンダマイシン
17 グリシルサイクリン系
 チゲサイクリン
18 ポリペプチド系
 コリスチン
19 リファマイシン
 リファキシミン
20 マクロライド系CDI治療
 フィダキソマイシン
21 抗結核薬
 A. リファンピン
 B. イソニアジド
 C. ピラジナミド
 D. エタンブトール
22 抗真菌薬
 A. アゾール系
 (1)フルコナゾール
 (2)イトラコナゾール
 (3)ボリコナゾール
 (4)ポサコナゾール
 (5)イサブコナゾール
   Column  エビデンスやガイドラインの扱い方
 B. キャンディン系(エキノキャンディン系)
 C. ポリエン系
 アムホテリシンB
 ・フルシトシン(5−FC)
 ・テルビナフィン
23 抗ウイルス薬
 A. ヘルペス属の抗ウイルス薬
 (1)アシクロビル
 (2)バラシクロビル
 (3)ファムシクロビル
 (4)ガンシクロビル
 (5)バルガンシクロビル
 (6)ホスカルネット
 (7)シドフォビル(cidofovir)
 (8)レテルモビル
 (9)アメナメビル
 B. 肝炎ウイルス治療薬
 (1)B型肝炎ウイルス治療薬
 (2)C型肝炎ウイルス治療薬
 (3)HIV治療薬
 (4)インフルエンザ治療薬
 (5)RSウイルス治療薬
 (6)新型コロナウイルス治療薬
 (7)抗寄生虫薬

IV 感染症という疾患各論

A. 風邪症候群(common cold)
B. インフルエンザ
C. 急性咽頭炎
D. 急性喉頭蓋炎
E. 急性中耳炎 (acute otitis media)
F. 急性副鼻腔炎 (acute sinusitis:rhinosinusitis)
G. 尿路感染症
H. 肺炎
I. 蜂窩織炎
J. 細菌性髄膜炎
K. 急性腸炎
L. 急性胆管炎,急性胆嚢炎
M. 急性膵炎
N. 感染性心内膜炎(infective endocarditis: IE)
O. 敗血症(sepsis)
P. 化膿性関節炎(septic arthritis)
Q. 急性骨髄炎,慢性骨髄炎
R. 人工関節感染
S. 院内感染症
 (1)カテーテル関連血流感染(CRBSI),中心ライン関連血流感染(CLABSI)
 (2)手術部位感染(surgical site infection: SSI)
 (3)発熱性好中球減少症(febrile neutropenia: FN)
T. ウイルス感染症の臨床像
 (1)皮疹を伴うウイルス感染
 (2)ヘルペスにおける皮疹
 (3)肝炎について
 (4)リンパ節腫脹について
 (5)関節炎,関節痛
 (6)HIV感染の臨床像とその周辺について

V 臨床微生物学

1 臨床細菌学の基本
 A. グラム陽性球菌
 (1)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
 (2)A群溶連菌(Streptococcus pyogenes)
 (3)肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)
 (4)Enterococci(Enterococcus)
 (5)VRE
 (6)Viridans streptococci
 (7)GBS(S. agalactiae)
 (8)C群,G群溶連菌
 (9)栄養要求性連鎖球菌(NVS)
 B. グラム陽性桿菌
 (1)Clostridium
 (2)Bacillus
 (3)Corynebacterium
 (4)C. diphtheriae
 (5)Listeria
 C. グラム陰性桿菌
 (1)腸内細菌に関する考察
 (2)大腸菌(Escherichia coli)
 (3)Klebsiella属
 (4)Proteus
 (5)Citrobacter
 (6)Serratia marcescens
 (7)Hafnia alvei
 (8)Chromobacter sakazakii
 (9)Edwardshiella tarda
 (10)Morganella morganii
 (11)Providencia stuartii, Providencia rettgeri
 (12)Salmonella enterica
 (13)Shigella dysenteriae
 (14)Yersinia enterocolitica
 (15)Vibrio
 (16)Campylobacter
 (17)Helicobacter
 (18)Pseudomonas aeruginosa
 (19)Stenotrophomonas maltophilia
 (20)Burkholderia cepacia complex
 (21)Acinetobacter baumanii complex
 (22)Haemophilus influenzae
 (23)Brucella
 (24)Francisella tularensis
 (25)Pasteurella
 (26)Capnocytophaga
 (27)Bordetella pertussis
 (28)Legionella
 (29)Bartonella
 (30)薬剤耐性菌
 (31)スピロヘータ
 D. 真菌感染症
 (1)カンジダ感染
 (2)クリプトコッカス
 (3)アスペルギルス

2 感染対策の基本
 A. 免疫と予防接種
 B. 定期接種の分類の無意味
 C. 小児科学会の推奨スケジュール
 D. 筋注か,皮下注か

3 ワクチン各論
 A. インフルエンザワクチン
 B. 肺炎球菌ワクチン
 C. Hibワクチン
 D. HPVワクチン
 E. B型肝炎ワクチン
 F. A型肝炎ワクチン
 G. ジフテリアワクチン
 H. 破傷風ワクチン
 I. 百日咳ワクチン
 J. ポリオワクチン
 K. 麻疹ワクチン
 L. 風疹ワクチン
 M. ムンプスワクチン
 N. 水痘・帯状疱疹ワクチン
 O. 日本脳炎ワクチン
 P. 髄膜炎菌ワクチン
 Q. 狂犬病ワクチン
 R. BCGワクチン
 S. ロタウイルスワクチン
 T. 脾臓のない場合の予防接種
 U. 妊娠とワクチン
 V. 固形臓器移植とワクチン
 W. 造血幹細胞移植とワクチン
 X. 医療従事者とワクチン

VI 渡航医学

A. VFR
B. マスギャザリング
C. クルーズ船
D. 性感染症(STD)
E. 狂犬病
F. マラリア
G. DEET
H. 渡航者下痢症(Travelers’ diarrhea)
I. マタタビ問題をどう考える?
 
索引

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執筆者一覧

岩田健太郎 神戸大学大学院医学研究科 微生物感染症学講座感染治療学 教授 著

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