ログアウト中です。

トップページ内科学一般 > COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜

トップページ精神 > COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜

書籍詳細

COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜

COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜

榊原隆次 著 / 小松尚也 著 / 渡邉博幸 著

A5判 296頁

定価5,940円(本体5,400円 + 税)

ISBN978-4-498-42844-7

2025年12月発行

在庫あり


こころとからだの謎を神経と精神の視点で解き明かす,新たな神経精神医学の知見.
身体症状症(Somatic Symptom Disorder:SSD)は,かつてヒステリーと呼ばれ,神経学・精神医学双方の視点から長く議論されてきました.本書は,自律神経研究者である脳神経内科医と精神科専門医の協働により,身体症状症の歴史的変遷,診断概念,脳科学的知見,そしてストレス応答のメカニズムを包括的に整理しています.臨床現場での診療に活かせる理解を目指し,最新の研究動向を平易に解説.神経内科・精神科をはじめ,総合診療医、看護師,心理職,医学生にも有用な一冊です.

はじめに

かの都(月の世界)の人は,いとけうらに(心が清く)老いをせずなむ,
思ふこと(心配事)もなく侍(はべ)るなり.かぐや姫の言葉より『竹取物語』(900年頃).古典からみた心と体とは? 脳科学からみた心と体とは? 体調不良とは? 健康とは? 神経内科医・精神科医と紐解く物語です.
 今回,中外医学社から『COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜』が発刊されることになりました.本書のテーマ「心因性(しんいんせい)身体症状症(しんたいしょうじょうしょう)(英語ではソマティック・シンプトム・ディスオーダーSomatic Symptom Disorderといい,エスエスディーSSDとも略します)」は,従来,欧米ではヒステリーと呼ばれ,本邦では体調不良・不定愁訴・自律神経失調症などと呼ばれてきました.(心因性)身体症状症は,まだ聞きなれない言葉かと思われますが,驚くほど多いものです.しかし,これまで医師・患者さん・一般の方々に余り知られておらず,隠れた症状であったように思われます.その理由は,精神科の病気でありながら,身体科の症状を呈するためで,診断がつく前に「謎の病気による奇妙な症状」「謎の健康被害」(英語ではメディカルミステリー)と言われる場合もあったようです.しかし,近年の医学の進歩により,心因性エスエスディー(SSD)の病態/診断/治療が,少しずつ明らかとなってきています.精神疾患を大きく4つに分けた場合(図,不安/うつの症状を,あえてプラス下線とマイナスに分けています),
 不安/うつが,脳神経内科,外科・整形外科の病気(記憶障害,全身のしびれ痛み,麻痺,ぴくつき,こわばり)・耳鼻科の病気(めまい,耳鳴)・眼科の病気(目の疲れ,違和感)・循環器科の病気(動悸,めまい,失神)・消化器科の病気(食思不振,気分が悪い,吐き気,腹痛,下痢)・泌尿器科の病気(頻尿)を真似る(英語ではミミック)ように見えることがあります.しかし身体科の異常はなく,程度は正常またはごく軽く,入院を要しません.医学はヒトmankindと自然natureの学問の接点.心因性SSDをわかりやすく知って頂くために,本書では,古典,メディカルミステリー,脳科学を紐解きながら,ストレスとCOCOROとKARADAについて述べてみようと思います.
はじめに.物語の始まりです.
1章「ストレスの歴史と現在〜こころ編」ストレスと心について,古典を紐解いてみましょう.
2章「心因性SSDの歴史と現在〜からだ編」同様に古典を紐解いてみましょう.
3章「心因性SSDの歴史と現在〜からだの内臓編」同様に古典を紐解いてみましょう.
  「コラム 心因性SSDとは?」用語の歴史・統計などを解説します.
  「コラム 自律神経失調症とは?」用語の歴史と,日本・海外の差異とは?
4章「メディカルミステリー(医学の不思議)〜診断の重要性」医学の不思議とは? 
病気の診断とは?
  「コラム こころは脳に宿(やど)るの? 心臓に宿(やど)るの?」こころという言葉の由来は?
  「コラム 愛情・痛みを分かち合う〜感情移入・感情の共感・感情の伝搬(伝染)の科学」脳の変化は?
5章「こころ(情動)と脳科学の基本(きほん)」こころと脳の関係とは?
  「コラム 心因性SSDは動物やペットにもあるの?」その答えは?
  「コラム 脳の働きはどうやって調べるの?」脳と内臓機能,とくに膀胱を例として.
6章「ストレスでみられる脳の変化」こころの症状と脳の変化とは?
7章「ストレスによるからだの変化(心因性SSD)をきたす脳の変化」体調不良と脳の変化とは?
  「コラム こころとからだの相互作用」プラセボ,皮膚の鍼(はり)と灸(きゅう),自律神経の直接刺激とは?
8章「ストレスによる心因性SSD,症状の改善にむけて!」精神疾患と治療の流れを解説します.
おわりに.物語の締めくくりです.
 本書をきっかけに,皆様が心因性SSDに興味を持たれ,適切な診療につながるならば,執筆者の望外の喜びです.本書は,主に脳神経内科医からみた心因性SSDであり,わかりやすさを優先したため,分類は最新の精神科疾患の統計,分類マニュアル第5版(DSM5)に必ずしも一致しませんが,ご容赦を頂けますと幸いです.
 本書は,中外医学社から出版された『神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル(改訂第2版)』『神経・精神疾患による消化管障害ベッドサイドマニュアル』『認知症の排泄ケア ベッドサイドマニュアル』『自律神経 初めて学ぶ方のためのマニュアル』の姉妹編でもあります.併せお手に取って御覧頂けますと幸いです.最後に,編集発刊に向け終始ご助言を賜りました,中外医学社 小川孝志さん・鈴木真美子さんに心より深謝申し上げます.

 2025年10月
脳神経内科津田沼・同和会千葉病院(脳神経内科) 榊原隆次
同和会千葉病院(精神科)院長 小松尚也
木村病院(精神科)院長 渡邉博幸

すべて見る

目 次

はじめに

1章 ストレスの歴史と現在 〜こんなに身近なもの! こころ編

2章 心因性SSDの歴史と現在 〜こんなに身近なもの! からだ編

3章 心因性SSDの歴史と現在 〜こんなに身近なもの! からだの内臓編

コラム
心因性SSDとは?用語の歴史・統計などを解説します
自律神経失調症とは?自律神経失調症という用語の歴史と,日本・海外の差異とは?

4章 メディカルミステリー(医学の不思議) 〜診断の重要性 192

コラム
こころは脳に宿(やど)るの?心臓に宿(やど)るの?
愛情・痛みを分かち合う 〜感情移入,感情の共感,感情の伝搬の科学

5章 こころ(情動)と脳科学の基本(きほん)

コラム
心因性SSDは動物やペットにもあるの?
脳の働きはどうやって調べるの?

6章 ストレスでみられる脳の変化

7章 ストレスによるからだの変化(心因性SSD)をきたす脳の変化

コラム
こころとからだの相互作用

8章 ストレスによる心因性SSD,症状の改善にむけて!

おわりに

すべて見る

執筆者一覧

榊原隆次 脳神経内科津田沼・同和会千葉病院 著
小松尚也 同和会千葉病院院長 著
渡邉博幸 木村病院院長 著

すべて見る

電子書籍で購入する

COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜
   定価5,940円(本体5,400円 + 税)
   2025年12月発行
(外部のサイトへとびます)
COCOROとKARADA 〜一緒に紐解く古典とメディカルミステリー〜
   定価5,940円(本体5,400円 + 税)
   2025年12月発行
(外部のサイトへとびます)
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • J-IDEO
  • J-IDEO定期購読
  • ClinicalNeuroscience
  • 広告掲載をお考えの方へ
  • 企画応募フォーム
  • 動画閲覧・ファイルダウンロード
  • 採用情報
  • X
  • note小
  • Facebook
  • JIDEOバックナンバー
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方使い方

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722