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書籍詳細

脳梗塞血栓溶解療法frontier

脳梗塞血栓溶解療法frontier

豊田一則 編著

B5判 118頁

定価4,840円(本体4,400円 + 税)

ISBN978-4-498-42846-1

2026年03月発行

在庫あり


きたるテネクテプラーゼ時代へ,本邦の脳梗塞血栓溶解療法のあゆみと実際を綴る
本邦ではじめて脳梗塞へのアルテプラーゼの使用が承認された20年あまり前に若手医師として歩み始め,今は第一線を担う専門家となっている執筆陣が,血栓溶解療法が医療現場にもたらした変革や変遷,実践知を交えて体系的に解説する.さらに,新薬テネクテプラーゼへの脱皮にあたっての苦労や現場で求められた工夫も提示.テネクテプラーゼ時代を目前にしたいま,脳梗塞血栓溶解療法をあらためて学び直したい,またはこれから基礎から身につけたい医療者でもノンフィクション小説のように読める構成となっており,必携の一冊である.

序 〜祝祭から10年〜

 脳梗塞への血栓溶解薬アルテプラーゼの使用がわが国で承認されて20年余り,承認以前の開発の時代を含めると40年近い歴史を数えます.脳梗塞の絶対的標準治療でありながら,承認が意外と遅いと思われた方も居るでしょう.本文中にも書かれていますが,血栓溶解薬の導入にわが国はあまりに慎重で,米国での承認より9年遅れた負の歴史があります.先輩方は「失われた9年」とか「氷雪の時代」と例えておられました.当時の世界最重要治療が国内で全く出来なかったわけですから,そう嘆くのも仕方ないです.私も「このまま日本は周回遅れを挽回できず,他国の後塵を拝し続ける」と悲観していましたが,そこまで落ちこぼれることもなく現在に至っています.
 本書では,「遅れて来た」わが国の血栓溶解療法がどのように医療現場に広まり,医療現場に変革をもたらし,他治療と結びついていったか,また長いアルテプラーゼの時代から新薬テネクテプラーゼ時代へと上手に脱皮できるようどんな工夫や苦労がなされたかを,ちょっとしたノンフィクション小説のように書き綴っています.承認後の時代を若手から中堅,現場トップと成長して来られた分担執筆者の面々を集めましたので,内容の確実さと面白さは保証済みです.このような執筆者の方々および中外医学社編集部の皆様に,多大なご尽力をいただきましたことを,深く御礼申し上げます.間もなく到来するわが国のテネクテプラーゼ時代に向けて,血栓溶解療法を今一度勉強し直したい方にとっても,初心者として一から知りたい方にとっても,この治療に興味を持たれる非医療者の方にも便利な指南書として役立てていただければと,願うばかりです.
 さて,承認から現在までの中間点2016年に,神戸で血栓溶解療法の国際学会13th International Symposium on Thrombolysis Thrombectomy and Acute Stroke Therapy(TTST 2026 Kobe)を開きました.わが国の血栓溶解の父,森 悦朗 東北大学教授(現,大阪大学教授)を会長に戴き,本書執筆者の数名が運営で支えました.何とか治療が軌道に乗った多少の安堵感の中で,招致した大会でした.この祝祭からさらに10年,血栓回収療法の急速な進歩などの周辺環境の変化の中で,血栓溶解療法をどのように取り扱えば脳梗塞患者の転帰を最大限に改善できるか,本書を読んだ皆さんと一緒に考えて行ければと思います.

令和7年12月
国立循環器病研究センター 副院長・脳血管部門長
豊 田 一 則


TTST 2026 Kobe最終セッション後の記念撮影
 海外の脳卒中医学実力者が勢揃いし,同学会史上最多の342名(海外159名,国内183名)が参加して,元気のよい大会を運営できた.

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目 次

序 〜祝祭から10年〜 〈豊田一則〉

01 血栓溶解とは 〈長尾毅彦〉
A.血栓ができあがるまで
B.血栓溶解のメカニズム
C.血栓溶解療法

02 アルテプラーゼによる静注血栓溶解療法開発に関する国内外の歴史 〈板橋 亮〉
はじめに
アルテプラーゼ(alteplase)による静注血栓溶解療法開発までの経緯

03 血栓溶解と超急性期脳梗塞に必要な画像診断 〈井上 学〉
はじめに
A.単純CT:急性期脳卒中診療の第一歩
B.CT血管造影(CTA):血管閉塞の可視化と治療判断への直結
C.MRI:虚血性変化と血管情報を同時に可視化する多機能モダリティ

04 静注血栓溶解の適応拡大 〈古賀政利〉
はじめに
A.米国から9年遅れたわが国の静注血栓溶解療法
B.発症(最終健常確認時刻)から3時間以内から4.5時間以内への治療可能時間の延長
C.適正治療指針第二版における推奨項目の見直し
D.抗凝固療法中の静注血栓溶解療法の適応
E.発症時刻不明/起床時発症脳梗塞への適応
F.適正治療指針第三版の推奨項目見直し
G.抗アミロイド抗体治療薬投与中患者に対する静注血栓溶解療法

05 機械的血栓回収療法とrt—PA静注療法の併用の変遷 〈木村和美〉
はじめに
A.機械的血栓回収療法にrt—PA併用療法の必要性に関する背景
B.SKIP研究:「脳梗塞超急性期における血管内治療単独療法の有効性に関する多施設共同ランダム化比較試験」
C.SKIP研究と同様の国際共同研究の動向
D.血管内治療単独療法に関する6試験の統合解析:IRIS研究
E.機械的血栓回収療法におけるrt—PA静注療法が必要な症例とは?
F.テネクテプラーゼ併用機械的血栓回収療法(MT)の有効性に関する検討:BRIDGE—TNK試験を中心に

06 血栓溶解承認後の脳卒中診療体制の変化 〈藤本 茂〉
はじめに
A.一次脳卒中センターと再灌流療法指針の整備
B.脳卒中診療における遠隔医療(テレストローク)
C.早期治療体制の構築と市民啓発

07 テレストローク:血栓溶解の遠隔医療 〈小松鉄平 井口保之〉
はじめに
A.急性期脳梗塞治療における時間的制約
B.日本における地域格差の実態
C.遠隔医療とテレストローク
D.医療従事者の役割と責任分界点
E.テレストロークの基本モデル:Hub & Spokeモデル
F.Drip & Ship/Drip & Stayモデル
G.テレストローク・ネットワーク
H.テレストロークの施設基準と医師の資格,および連携体制
I.テレストロークを支えるプラットフォーム
J.Moblie Stroke Unit(MSU)の役割と臨床成績
K.Personal health record
L.遠隔医療普及に向けた政策的側面
M.遠隔医療普及に向けたセキュリティ戦略

08 新規薬テネクテプラーゼ:海外での開発と応用 〈平野照之〉
はじめに
A.アルテプラーゼの限界
B.テネクテプラーゼの開発と薬理学的特徴
C.臨床試験とエビデンス
D.海外での承認経緯
E.承認前のオフラベル使用

09 国内でのテネクテプラーゼ承認を目指して 〈豊田一則〉
はじめに:新たな血栓溶解薬の必要性
A.T—FLAVOR試験の開始準備
B.比較検証相の概要
C.停滞と完遂
D.臨床試験における同意取得問題
E.テネクテプラーゼ実用化に向けての課題:投与量
F.実用化に向けての課題:治療開始可能時間と直接作用型経口抗凝固薬服用患者への使用

10 今後の臨床応用が期待される血栓溶解薬 〈新妻邦泰〉
はじめに
A.TMS—007
B.レテプラーゼ(Reteplase)

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