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書籍詳細

スポーツ救急の実際

スポーツ救急の実際

浅井利夫 他編著

B5判 232頁

定価3,740円(本体3,400円 + 税)

ISBN978-4-498-07304-3

1993年発行

在庫なし

スポーツの現場で起こる事故にすぐ対処し,必要な救急処置が行なえるよう,その実際を図解等により具体的に解説した.第1部で,内科的,外科的な急性事故の第一次的救急処置を症状,病態別に解説,ついで第2部で各種スポーツ別に好発事故や障害とその予防法,およびスポーツ現場での救急体制を例を挙げて解説している.必要なときに読んですぐに対応できるよう,図,イラスト,写真,表を中心に構成し,スポーツ指導者にも,医師にも役立つこの領域初めての解説書である.

序文
 近年,スポーツはますます多様化し,性・年齢・体力レベル・健康度など,身体条件が異なる人々が,さまざまな目的と目標をもってスポーツを実践するようになっている.対象によってスポーツの方法(質・量)も効果や中身もちがう.
 一方,このようなスポーツの多様化とスポーツ人口の増大に伴ってさまざまな自己・傷害が起きている.結果,スポーツ現場で事故・傷害に即座に対処しなければならない事例も増加している.最初に救急処置を施す立場にあるのはスポーツ指導者・コーチ・教師・トレーナー・スポーツドクター・付き添いの父兄などである.
 スポーツ事故や傷害で最も重要なことは,事前の予防である.そして,不幸にも起こったスポーツ事故や傷害の救急処置で大切なことは,事故の状況を的確に把握して,間違いない判断と処置を行うことである.また,事故の原因を点検し,動揺の事故が起きないように具体的な予防対策を講じることも必要である.
 本書は,スポーツ事故や傷害の予防という観点から,スポーツ種目別に高頻度で起こる事故や傷害を記載し,さらに,スポーツ事故に遭遇した時に,必要に応じてすぐに読んで対処し得るように企画された.スポーツ現場との交流の深いスポーツドクターたちの手により,具体的な事故の状況を想定しながら,現場で何が起こり,何をどのようにしなければいけないのか,何をしてはいけないのか,予防のためにどうすればよいのかが,分るように配慮して編集したつもりである.
 図表・イラストの多くは,この本のために執筆内容をよりよく理解できるための手だてとして各執筆者が工夫したものである.
 さまざまなスポーツ現場で,正しい知識と技術でもって迅速にかつ適切な形で救急処置がなされ,一人でも多くの生命が救われ,一つでも多くの傷害が軽減されることに,本書が役立てば幸いである.
 末尾ながら,本書発刊の陰の推進役となった(株)中外医学社社長青木三千雄氏と企画部長荻野邦義氏に厚く御礼申し上げる.

1991年1月
編著者

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目 次

I.内科的事故の対応
 1.救急セットの必需品〈浅井利夫〉
 2.心臓マッサージの方法
 3.人工呼吸の方法
 4.死亡事故への対応
 5.小児の心肺蘇生〈遠藤郁夫〉
 6.移送方法
 7.溺水の対応〈井上大輔〉
 8.失神・意識障害〈上野勝則〉
 9.呼吸困難
 10.胸痛
 11.過呼吸症候群
 12.発熱〈浅井利夫〉
 13.脱水
 14.頭痛〈伊東三吾〉
 15.嘔吐・腹痛
 16.筋肉痛・筋肉けいれん〈加藤幹雄〉
 17.運動性血色素尿〈柴田龍郎〉
 18.日射病
 19.熱中症
 20.日焼け〈南光弘子〉
 21.凍傷
 22.高山病〈眞野喜洋〉
 23.潜水病(減圧症)
 24.落雷〈柴田龍郎〉

II.外科的事故の対応
 1.救急セットの必需品〈井上大輔〉
 2.外傷患者のチェックポイント〈菅原 誠〉
 3.ICEの原則と方法
 4.出血〈小林寛伊〉
 5.ショック
 6.鼻出血〈三好 彰〉
 7.皮膚傷害〈渥美令子〉
 8.打撲〈山際哲夫〉
 9.捻挫
 10.肉離れ(筋挫傷)
 11.骨折〈伊藤晴夫〉
 12.脱臼
 13.頭部外傷〈田澤俊明〉
 14.顔面外傷〈鳥居修平〉
 15.眼外傷〈加藤秋成〉
 16.耳鼻外傷〈三好 彰〉
 17.歯,口腔外傷〈宮島圭介〉
 18.頸椎損傷〈丸山浩一〉
 19.脊椎外傷〈山田 均〉
 20.胸部外傷〈丸山浩一〉
 21.腹部外傷〈加藤永史〉
 22.泌尿,生殖器外傷
 23.上肢外傷〈高岸憲二〉
 24.下肢外傷〈片山直樹〉

III.スポーツ別事故と予防方法
 1.短距離走〈横江清司〉
 2.中,長距離走(含むジョギング)
 3.走り幅とび・三段とび・走り高とび・棒高とび〈新井圭三〉
 4.砲丸なげ・槍投げ・円盤投げ・ハンマー投げ〈安藤伸也〉
 5.野球・ソフトボール〈田村暢熈〉
 6.サッカー〈阪本桂造〉
 7.ラグビー〈徳重克彦〉
 8.アメリカンフットボール〈田中寿一〉
 9.バスケットボール〈苛原 実〉
 10.ハンドボール〈橋本雅夫〉
 11.テニス〈遠藤郁夫〉
 12.バレーボール〈峯島孝雄〉
 13.卓球・バドミントン〈山際哲夫〉
 14.柔道〈米田 實〉
 15.剣道〈熊倉孝俊〉
 16.相撲〈南 和文〉
 17.ボクシング〈吉田幸夫〉
 18.空手〈三好 彰〉
 19.フェンシング〈橋本雅夫〉
 20.器械体操〈島田信弘〉
 21.新体操
 22.弓道〈桑原 稔〉
 23.馬術〈池田卓也〉
 24.ボウリング〈市原健一〉
 25.エアロビックダンス
 26.ゴルフ〈城所靖郎〉
 27.トライアスロン〈岩根久夫 勝村俊仁〉
 28.競泳〈武藤芳照〉
 29.シンクロナイズドスイミング
 30.水球・飛び込み〈松本高明〉
 31.ボート〈初山和夫〉
 32.スクーバダイビング〈眞野喜洋〉
 33.水上スキー〈吉見和久〉
 34.サーフィン
 35.ウインドサーフィン
 36.カヌー
 37.スキー
 38.スケート〈矢橋健一〉
 39.アイスホッケー〈服部光男〉

IV.スポーツ現場での救急体制
 1.競技会での救急体制〈河野一郎〉
 2.チームドクターの役割〈武藤芳照〉
 3.トレーナーの役割〈浦辺幸夫〉
 4.少年スポーツ大会での救急体制〈浅井利夫〉
 5.中年スポーツ大会での救急体制〈伊東三吾〉
 6.高齢者スポーツ大会での救急体制〈坂本静男〉
 7.学校スポーツでの救急体制〈立入克敏〉
 8.スポーツクラブでの救急体制〈矢野成敏〉
 9.水泳場での救急体制〈松本高明〉
 10.スキー場での救急体制〈吉見知久〉
 11.駅伝大会での救急体制〈福田 濶〉
 12.トライアスロン大会での救急体制〈小林寛伊〉
 13.身体障害者のスポーツ大会(活動)での救急体制(安全対策)〈大久保衞〉

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