EBM血液疾患の治療2027-2028
- 定価:
- 14,850円(本体価格13,500円+税)
在庫あり
書誌情報
| サイズ | B5 |
|---|---|
| 頁 | 592頁 |
| ISBN | 978-4-498-22568-8 |
| 発行日 | 2026年10月13日 |
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内容
最新のエビデンスを盛り込んだ「EBM血液疾患の治療」2027-2028年版
血液疾患における諸問題をいかに解決し,対応すべきか,エビデンスをもとに解説したレファランスの最新版.今日の時点における最新の治療法,考え方だけでなく,現場で判断に迷うような事柄・問題点に指針を与えるものとなっている.血液疾患診療を網羅的に学ぶために最適な一冊.
序文
序
「EBM血液疾患の治療」は2003—2004年版の刊行以来20年以上にわたり,血液疾患診療におけるさまざまな疑問に対し,エビデンスに基づいて答える書として多くの読者に支えられてきた.近年の血液学の進歩は著しく,新規薬剤や新規モダリティの開発に加え,分子病態の解明や診断技術の向上によって,診療のあり方は大きく変化している.多くの疾患で治療成績が改善する一方,治療選択肢は急速に増加し,日常診療における意思決定は以前にも増して複雑なものとなっている.
本書の特徴は,それぞれの分野を熟知したエキスパートが,膨大な文献の中から臨床的に重要なエビデンスを厳選し,その意義と限界を整理して紹介している点にある.情報があふれる時代だからこそ,何を重視し,どのように解釈するかが重要になる.本書では各執筆者が専門的な知識と豊富な経験に基づき,読者が日常診療の中で実際に活用できるよう工夫して解説している.こうした姿勢こそが,本シリーズが長年にわたり支持されてきた理由の一つではないかと考えている.
今回の改訂版においても,近年大きな進歩がみられた領域を積極的に取り上げるとともに,診療上重要でありながら比較的変化の少ないテーマについても最新の知見を加えた.また,これまでの方針を踏襲し,新たな執筆者にも執筆いただいている.同じエビデンスを基にしていても,そこから導かれる解釈や臨床への応用には多様な考え方が存在する.本書を通じて,血液疾患診療の進歩のみならず,それぞれの専門家の視点にも触れていただければ幸いである.
EBMはしばしば「エビデンスに従う医療」と理解されるが,実際には臨床研究から得られた最良のエビデンスに加え,医療者の専門性や経験,患者の価値観や希望,さらには診療環境や社会的背景を統合し,より良い意思決定を行うための考え方である.したがって重要なのは論文やガイドラインを機械的に適用することではなく,それらのエビデンスの意味と限界を理解し,個々の患者にとって最適な選択は何かを共に考えることであろう.本書が,多くの医療従事者の日常診療での意思決定の一助となり,その先にいる患者さんの利益につながることを願っている.
最後に,ご多忙のなか,本書のために貴重な原稿をご執筆いただいた先生方に心より感謝を申し上げたい.
2026年9月
編者一同
目次
目次
Ⅰ.赤血球系疾患
1.成人再生不良性貧血に対する免疫抑制療法 〈細川晃平〉
2.成人再生不良性貧血に対する造血幹細胞移植 〈山本隆介 平本展大〉
3.小児再生不良性貧血に対する治療 〈濱 麻人〉
4.遺伝性骨髄不全症候群の診断と治療 〈平林真介〉
Topics 1 骨髄不全症におけるクローン性造血 〈佐伯龍之介〉
5.自己免疫性溶血性貧血の治療(温式・冷式) 〈川本晋一郎〉
6.発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療 〈植田康敬〉
Topics 2 MDSの新分類(WHO分類第5版・ICC分類) 〈矢部麻里子〉
7.低リスクMDSに対する治療 〈中﨑久美〉
8.高リスクMDSに対する治療 〈市川 幹〉
Topics 3 VEXAS症候群の病態:UBA1変異クローンを起点とする炎症・骨髄不全・免疫不全 〈水牧裕希〉
Ⅱ.白血病
A.急性骨髄性白血病(AML)
1.リスク分類に基づく強力化学療法適応初発AMLの治療 〈横山寿行〉
2.高齢者AMLの治療 〈前田智也〉
3.AMLに対するベネトクラクス併用療法の実際 〈金谷 穣〉
4.再発・難治性AMLの治療 〈淺田 騰〉
5.小児AMLの治療 〈辻本信一 長谷川大輔〉
6.急性骨髄性白血病に対する造血幹細胞移植の適応と治療成績 〈遠矢 嵩〉
7.がんゲノム情報に基づくAML診療の現状と展望 〈永田安伸〉
Topics 4 AMLにおけるMRD 〈湯田淳一朗〉
Topics 5 AMLに対する造血幹細胞移植後維持療法 〈名島悠峰〉
Topics 6 胚細胞系列素因を伴う骨髄系腫瘍の病態と診断 〈加藤元博〉
B.急性前骨髄球性白血病(APL)
1.初発APLの治療 〈横山泰久〉
2.再発・難治APLの治療 〈柳田正光〉
C.急性リンパ性白血病(ALL)
1.成人Ph陽性ALLの治療 〈早川文彦〉
2.成人Ph陰性ALLの治療 〈山﨑悦子〉
3.再発・難治ALLの治療 〈原田介斗〉
4.小児およびAYA世代ALLの治療 〈富澤大輔〉
5.高齢者ALLの治療 〈宮崎拓也〉
6.ALLに対する同種造血幹細胞移植の適応と治療成績 〈清水啓明〉
Topics 7 ALLにおける遺伝子パネル検査と治療選択 〈真田 昌〉
Topics 8 Ph陰性ALLにおけるMRDの実際 〈長藤宏司〉
Topics 9 Ph陽性ALLに対する造血幹細胞移植後維持療法 〈西脇聡史〉
D.慢性骨髄性白血病(CML)
1.初発慢性期CMLの治療 〈嬉野博志〉
2.進行期(AP/BP)CMLの治療 〈立花崇孝〉
3.TKI治療のモニタリングと治療中止(TFR) 〈髙橋直人〉
4.CMLに対する2次治療,3次治療の実際 〈佐々木宏治〉
5.TKI治療の有害事象管理 〈松木絵里〉
Topics 10 CMLにおける妊娠希望症例の対応 〈近藤 健〉
Topics 11 日本人におけるTKI治療の実際 〈小野孝明〉
E.骨髄増殖性腫瘍(MPN)・骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)
1.真性多血症の治療 〈枝廣陽子〉
2.本態性血小板血症の治療 〈赤羽大悟〉
3.原発性骨髄線維症の治療 〈幣 光太郎〉
4.慢性好中球性白血病の診断と治療 〈桐戸敬太〉
5.好酸球増加症/好酸球性腫瘍の診断と治療 〈本田 晃〉
6.若年性骨髄単球性白血病に対する治療 〈森 麻希子〉
7.骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍の診断と治療 〈糸永英弘〉
Ⅲ.樹状細胞腫瘍
1.芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍 〈坂本佳奈〉
Ⅳ.リンパ系腫瘍
A.慢性リンパ性白血病(CLL)
1.初発CLLの治療方針 〈柴山浩彦〉
2.再発・難治性CLLの治療方針 〈小島研介〉
3.CLLに対する新規治療薬・細胞療法 〈菊繁吉謙〉
B.Indolent B細胞リンパ腫
1.限局期濾胞性リンパ腫の初回治療方針 〈福原規子〉
2.進行期濾胞性リンパ腫に対する初回治療 〈伊豆津宏二〉
3.再発・再燃濾胞性リンパ腫2nd lineの治療方針 〈古林 勉〉
4.再発・再燃濾胞性リンパ腫3rd line以降の治療方針 〈錦織桃子〉
5.リンパ形質細胞リンパ腫・マクログロブリン血症の治療方針 〈佐分利益穂〉
C.マントル細胞リンパ腫(MCL)
1.若年者マントル細胞リンパ腫(MCL)の初回治療方針 〈棟方 理〉
2.高齢者マントル細胞リンパ腫(MCL)の初回治療方針 〈入山智沙子〉
3.再発・難治性MCLの治療方針 〈瀧澤 淳〉
Topics 12 マントル細胞リンパ腫の分子標的薬 〈村上裕之 遠西大輔〉
D.Aggressive B細胞リンパ腫
1.限局期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の初回治療方針 〈後藤尚絵 冨田章裕〉
2.若年進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の初回治療方針 〈楠本 茂〉
3.高齢者進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療方針 〈三宅隆明 池田晃輝〉
4.再発・再燃びまん性大細胞型B細胞リンパ腫2nd lineの治療方針 〈山口素子〉
5.再発・再燃びまん性大細胞型B細胞リンパ腫3rd line以降の治療方針 〈後藤秀樹〉
6.精巣原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療方針 〈宮崎香奈〉
E.T/NK細胞リンパ腫
1.CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫の初回治療方針 〈島田和之〉
2.CD30陰性末梢性T細胞リンパ腫の初回治療 〈近藤英生〉
3.再発・難治性T細胞リンパ腫の治療方針 〈三浦勝浩〉
4.節外性NK/T細胞リンパ腫の初回治療方針 〈藤本亜弓〉
5.再発・難治性節外性NK/T細胞リンパ腫の治療方針 〈渡邊正太郎 蒔田真一〉
F.成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)
1.ATLLの初回治療方針 〈赤星里佳 石塚賢治〉
2.ATLLに対する造血細胞移植 〈中野伸亮〉
3.再発・難治ATLLの治療方針 〈福島卓也〉
G.ホジキンリンパ腫
1.限局期ホジキンリンパ腫の治療方針 〈吉田 功〉
2.進行期ホジキンリンパ腫の治療 〈大間知謙〉
3.再発・難治ホジキンリンパ腫の治療方針 〈木場悠介 丸山 大〉
Ⅴ.多発性骨髄腫と関連疾患
1.MGUSとくすぶり型骨髄腫の病態と治療戦略 〈河津大地 高松 泰〉
2.初発移植適応多発性骨髄腫の治療 〈丸茂義晃 鈴木智貴〉
3.初発移植非適応多発性骨髄腫の治療 〈鈴木一史〉
4.高リスク多発性骨髄腫に対する治療 〈皆方大佑〉
5.再発・難治性多発性骨髄腫(MM)の治療 〈半田 寛〉
6.多発性骨髄腫に対する免疫細胞療法の現状と将来展望 〈髙橋勝大 北舘明宏〉
7.形質細胞性白血病 〈髙橋康之 木崎昌弘〉
8.原発性ALアミロイドーシスの新たな治療戦略 〈淵田真一〉
9.TAFRO症候群とCastleman病診療の進歩 〈正木康史 柳澤浩人 坂井知之〉
Topics 13 多発性骨髄腫における遺伝子異常と遺伝子パネル検査 〈李 政樹〉
Ⅵ.出血・血栓性疾患
1.免疫性血小板減少症(ITP)の診断・治療 〈山之内 純〉
2.後天性血栓性血小板減少性紫斑病の治療 〈安積秀一 酒井和哉〉
3.血友病治療の新たな選択肢 〈鈴木伸明〉
4.VWDの診断と治療UPDATE 〈荻原建一〉
5.静脈血栓塞栓症(肺塞栓症/深部静脈血栓症)の治療 〈山下侑吾〉
6.凝固第Ⅺ因子阻害薬:新規抗凝固薬の開発動向と今後の展開 〈山下 篤〉
7.抗リン脂質抗体症候群の病態と治療選択(抗体陽性のみの場合・妊娠APSの妊娠後管理なども含め) 〈土田直央 久田 諒 渥美達也〉
Topics 14 血友病に対する遺伝子治療 〈宮川義隆〉
Topics 15 炎症と血栓 〈井上克枝〉
Ⅶ.支持療法・輸血
1.CAR―T療法,二重特異性抗体療法後のサイトメガロウイルス感染対策 〈川村俊人〉
2.好中球減少患者の耐性グラム陰性桿菌感染症治療 〈荒岡秀樹〉
3.血液疾患患者における抗酸菌感染症治療 〈関谷紀貴〉
4.血小板減少患者に対する手術・処置時の血小板輸血の指標 〈林田裕樹 正本庸介〉
Ⅷ.造血幹細胞移植・免疫細胞療法
1.急性GVHDの治療効果判定 〈赤星 佑〉
2.同種造血幹細胞移植後の閉塞性肺疾患の治療 〈橋田里妙 松岡賢市〉
3.エプレットを指標とした新たなHLA不適合非血縁ドナー選択法 〈諫田淳也〉
4.同種造血幹細胞移植におけるドナー年齢の影響 〈瀬尾幸子〉
5.大細胞型リンパ腫・骨髄腫に対するCAR―T療法の予後予測 〈加藤光次〉
6.CAR―T療法と二重特異性抗体の順序 〈城 友泰 新井康之〉
Topics 16 二重特異性抗体療法は中止可能か? 〈松井宏行 新井康之〉
索引